ぽえむ

ギターを手にして語りたいのを無視する自分。

そりゃまあ、こっちか、あっちか、と音を探れば時間がたつだけだし。

けどまあ、ギターの音色そのものが好きで好きでしょうがない。

好き勝手にやってるよな。われながら。

せめて、なんぼか稼いでみなさい。

お金かかるの、お金かかるよ、期限もあるし。

地代、家賃、固定資産税、消費税、森林湖沼環境税。

インターネットの接続だって、大変だったのわすれちっゃた?

そりゃまあ昔の電話代と比べたら微々たるものかもだけど。

すごかったよね、毎月の電話代。

キレイな切手が好きで買うのに、すぐ使っちゃう。

趣味は文通、小学生のときから。

時代の変化で、呼び名が変わっても、誰かと繫がることは同じ。

どうしてだろう、どうしてなのかな。

繫がっている。そう感じている。

離れているのに。放しているのに。

繫がっている。

ほんの、ひととき。

ちょっとの、すきま。

なんか書いた。

なんか書いた。

吠えてる気分で黙って書いた。

いつもと同じ。

ふだん通り。

なにかが違う。

なにこの違和感。

あ、そっか。

見られている。

見られている。

なにかが、おれを、観察している。

顕微鏡レベルの視線が覗き穴から気配だだもれ。

それ、それな。

これ。これな?

あ、そっかそっか。

過去の自分が未来を探っていたときのだ。

未来の自分も今に届けているかもしれない。

浮かんでいる。

ふわり。

ふわり?

違うな。

なんの形容詞も寄せつけずに、ただ浮かんでいる。

言葉を綴っているときの一人旅感覚は、無重力。

飛び立ちそうになるのを、必死にこらえた。

ここにいる。

ここにいよう。

宇宙からのメッセージには敏感でいたいけどさ、まだ呼ばれたくないんだ。

もういいよ、そろそろだよ、そんな招きに乗りたくないんだ。

うつろ舟が来るそうだけど、巡回の豆腐販売車と同じ。

正確には、同じじゃないけど。

毎度毎度、呼び止めなくても。

毎週毎週、買っているけど。

でもさ。

たまたまの繰り返し。

今回は今回。

経験を重ねているだけ。

義務じゃないんだ。

それでも、約束しているのと同じ。

来てくれている。

寄ってくれている。

覚えてくれている。

ありがとう。

おいしかった。

きっと、今回も。

次回。

うん、次回もまたね。

来て欲しい。

寄って欲しい。

覚えてくれていたら嬉しい。

うつろ舟が欠航しても、おれは空を見あげてしまう。

どの星からだっけ。

あの星からだっけ。

その星からだったような。

な!

な。

な。

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