真夏の深夜に起きた心霊現象(その2)
すると再び、車内灯がほんの一瞬だが、2回連続で点灯したのです。
「マジか?!」
先ほどまで
「確信が持てない」
なんて言っていましたが、実は前回の点灯で内心ではとっくに確信していたのです。怖いから、勘違いだと思い込む事で自分を誤魔化そうとしていましたがまるで
「そんな浅はかな作戦通用すわけないじゃん」
と嘲笑うかの様に、車内灯は点灯しました。ここまできたら仕方ないので、僕は運転中の相方に話しかけました。
私「今、点きましたよね?」
相方「ん?何がですって?まだまだ会社には着きませんよ」
私「いやいやそっちの着くじゃなくて、点灯の方です。さっきから車内のランプが何度か一瞬点灯してるじゃないですか」
相方「え、そうですか?私は気がつかなかったけど、もし光ったならそれはきっとただの霊ですよ」
私「・・・霊?それって車の後ろに寝ているご遺体のですか?」
相方「まぁ、それはわからないですけど、たまにあるんですよ。霊のいたずらって事ですね」
私「なーんだ!そうですか霊ですか?よかった!僕はてっきり車が半ドアなのかと思ってビビっちゃいましたよ」
相方「イヤだな〜、脅かさないで下さいよ!もし半ドアでドアが開いちゃったらヤバイじゃないですか!」
僕「ですよね〜。僕もさっきから気が気じゃなかったんですよ」
僕「ただの霊でよかったぁ。よかった、よかった……」
その時また、車内灯がうなずく様に2回点灯しました。
細い道を抜け国道に出る頃には、暗かった夜空はその漆黒を徐々に開放しつつありました。
皆さんくれぐれも、「半ドア」には気をつけてくださいね。
終わり