井上尚弥に乗れないマイノリティ格闘技ファン
井上尚弥という稀代の逸材がいる。プロ全勝 パウンドフォーパウンドランキング1位 4階級制覇 4団体統一王者 軽量級ではあり得ないファイトマネー獲得
プロボクサーとして大成功した。彼に並ぶ日本人ボクサーは今後現れないだろうとまで言われている。
筆者は凄いとは思うものの、心から乗れてない。乗ってるやつがおかしいとかではなく、おかしいのは筆者の方だろう。
1.軽すぎる階級からスタート
これは井上尚弥に限らないのだが、複数階級制覇を前提にプロキャリアを考えていたり、可能な限り体重を落としてキャリアをスタートさせるというのが通例である。誰が言い出したか「俺より弱い奴に会いに行く」と揶揄されるやつだ。
井上尚弥はプロテストをスーパーバンタム(55kg)級で受けたが、プロデビューはそれよりだいぶ下のライトフライ(49kg)級で行っている。減量苦でフライ級を飛ばしてスーパーフライ級 バンタム級 スーパーバンタム級と駆け上がっていったのだが、スーパーバンタム級で敵なし(下手するとフェザー、Sフェザーも楽勝)の状態となった今を思えば勿体無さを感じる。
2.層の問題
これも井上尚弥に限った話ではないのだが、激戦区と言われる階級がある。ボクシングで言うとウェルター(66kg)級 ライト(61kg)級 スーパーライト(63kg)級に人が集まっている。一応ライトフライ級 スーパーフライ級 バンタム級 スーパーバンタム級を足せば激戦区よりも競技人数が多くはなるのだが、それはそれで何か違うのではと思う。
調べた限りフェザー級で防衛成功した例というのが日本人だと50年前らしい。スーパーフェザーだと内山高志を筆頭に名を残したファイターは多くいるみたいだが。ライト級からとなると別世界となっている。
3.ボクシングという競技が根本的に好きじゃない
筆者的に5Rすら長く感じるのに12Rとなるとダレる。そしてボクシングは12R前提で戦うので明らかに抜くラウンドがある。勝つためなので戦略・戦術は大事なのでそれは仕方ないのだが、筆者的には退屈に感じる。3分3Rで出し切ってくれるくらいがちょうど良いと思う。
あとベルト幅の広いトランクスをめいいっぱい上にあげて穿くことでボディの有効範囲を減らしてローブローを訴えるの サッカーのファウルの演技みたいにとてもみっともない。
4.ドキドキ・ワクワクがない
井上尚弥がどう勝つか 井上尚弥が勝つ姿が見たい 井上尚弥の活躍が見たい と井上尚弥の勝ちありきにしてるのがどうにもモニョモニョする。水戸黄門や暴れん坊将軍的コンテンツとして楽しまれているのだろうか。そう考えると大谷翔平は自身が活躍しなかったり、活躍してもチームが負けたりする分見世物としてはバランスとれてるんだな・・・(?)
5.そのた
往年のガオグライ・ゲーンノラシンvsチェ・ホンマンみたいな階級差マッチは見栄えとしてナンセンスなのはわかるものの、49 51 52 53 55 57 59 61 63はさすがに刻みすぎだと思う。そのほうが稼げてしまうボクシング興行のあり方の問題だというのはわかるのだが。
筆者90年代00年代のK-1・PRIDEで過ごしたのもあってヘビー級信仰がわりと強く、軽量級(66kg以下)を軽んじていた事がある。
どのくらい軽量級に関心がなかったのかというと、2016年当時に武尊天心が無理なら天心木村ミノル(木村もベネットの来日が困難になって相手がいなかった)で良いんじゃねって発言するくらいには軽量級に関心がなかった。というか当時は旧K-1MAXであった63kg級が格闘技としての最軽量だと思っていたので男子で50kg代の階級が存在してることすら想定してなかったと思う。