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Right People, Wrong Place鑑賞
Everything happens for reason
素敵なことばで好きなことばになった。
ずっと思っているけれども、彼はなぜあんなに一般的な青年の感覚を保てるのか?人間性を、人間味を保てるんだろうか?
巨万の富を得て、周りの世界が変わり、関わる人間も変わり、話の内容もどんどん大きくなってこの10年ですごいスピードで世界が変わったはずなのに、彼の発言が変わらない。
悪い人も寄ってくるはず、誘惑も多いだろう。
奢ったり、偉ぶったり、もっとしてもいいぐらいの功績なのに。
その普通さを保つための葛藤がすごそうだ。精神修行だろうなあ。
浮足立ちそうな自分を、必死に食い止める自分もいるんだろうか。
あーナム、将来本書いてね。
「もっと正直になりたい」「正直になれているだろうか?」
彼の揺れ動く気持ちを見ているのも愛おしいなあ。
なんて人間味があるんだろうか。
いつもビシッときめているかっこいいナムも素敵だけど、やっぱり人間味が好きだ。
そんなに何を抱えているのか。
インタビューで言っていたように、彼らの周りではいつもカメラがまわっている。カメラは嫌いだと話していた。
デビューしてから楽屋裏でもカメラがまわり、自分たちの言動が記録されてきたと。「でも自分で選んだ職業だから」とも言っていて。言い聞かせているみたいだったかな。
これは嫌だよなあ。
BTSを見始めた時に「この子達いつ神経オフできんの?」って勝手に心配になったもん。ずーっとカメラについて回られる。宿舎の中も。
いつも緊張し、最善を尽くしてやるべきことをやってきたと話していた。その通りで、与えられた役割とイメージを、文字通り偶像になるべく演じてきてのだと思う。
やっぱり失敗出来ない。
そして周りの人の言動や機微に影響されてきたとも話していた。
わあ、勝手にアタシと重ねる。
演じているとされる彼と、自分で思っている本当の彼とのギャップが大きいのだろうか。ならば葛藤もあるはず。
彼の育ちもまたその資質があったのかもしれない。
不器用だけど勉強が出来て、それが彼が子どもとして社会で認められるものの一つだったと思う。もちろん親にも褒められ期待されるだろう。
その時点からもしかしたら「うまくやろう」と最善を尽くしてきたのかもしれない。
失敗しないように、うまくやろう。
今は力を抜いてやろうと思うと言っていた。
わあ、また勝手に私と重ねる。完遂しようとするのだ。
グループの時はリーダーの役割もあって、あの個性がバラバラで言うことを聞かないマンネをバランスを取りながらまとめなくてはならない。まあ大変(笑)だったね、ナム。そのプレッシャーたるや、想像がつかない。
英語圏に行けば通訳として前面に立つ。
ここでも間違えてはならないし、メンバーの舵を取る必要があった。
英語圏の時のインタビューの彼の気配りはすごかった。
2023年にナムに現れた青年の話。
扉が開いて光の中から青年が出てきた、あれは誰だったんだ?と話している。
それを見ている時にアダルトチルドレンが分かった時に出てきた4歳の自分を思い出した。
もういいね、もう十分慰めたと思う。
もうしがみつかなくて大丈夫だから、歩いて行こう。
0か100かしか無いというナムが、よくぞ7人のバランスを見ながらまとめてきたもんだと本当に思う。
丁度いいって本当のむづかしいのだ。
そしてナムもまた「楽しめない」と言っていた。
いつもうまくやらなきゃと思うんだと思う。
でもそれも自分だと言っている。その通り。
その自分と一緒にこの先も生きていくんだ。
音楽で飯を食うという職業を続けるという不安定さ。
最大の自己表現だけど、ヒットするという保証は無い。
音楽を生業にする人は、一体どこに自信を見つけて維持していくんだろうか?
前にナムが言っていた「ファンが離れるかもしれない」という不安だってある。なんという不安定でギャンブルな仕事なんだろうか。
その代わり当たったら大ヒット、知名度と稼ぎが得られる。ライブをする高揚感とスタジアムが満席になる観客という景色も付いてくる。アドレナリンが出まくるなんてもんじゃないよな。これも依存症に近いものになるんだろうか?でもその背中合わせの不安定さが、その落差がすごい。
そしていつまでその職業で飯が食えるか分からない。
保証が何も無い世界で生きている異常さ。
ああ本当に、どうやって精神状態を保つんだろうか。聞いてみたい。
適応出来なければ薬や酒にハマっていくのも納得だ。
もともと、自分の心情を音楽にしてファンにお送り出来る時点で感受性が豊かじゃないと出来ない職業でもある。わーこの繊細な人がなる職業で、一発当たってもその後の保証の無さたるや、なんてアンバランスでうまくいかないんだろうね。
だから儚さも出るんだろうか。そんな効果も見ている側にもあるのかな。ファン心理というやつ。
彼から教わるのはやっぱり、人間は完璧だとつまらない、普通だとつまらないのだ。
葛藤し、落ち込んだり喜んだりする人間味がたまらない、愛おしい。
あーこれが愛嬌というやつだ。
揺れ動く自分の気持ちを出している。
一緒に音楽制作をしていたプロデューサーの人が「指南するんじゃなくて、一緒に揺れ動く人になったらいいと思った」と言っていた。
指示されたらその通り出来ちゃうから、それもやっぱりナムじゃないし、ナムの人生じゃなくなってしまうんだよな。
揺れ動く気持ちに寄り添いながら、本人が自分で答えを出すまで一緒に揺れる。わあ、なんか相談支援の仕事みたい。
指導はいくらでも出来てしまうけど、その人が自力で考える芽を積んでしまうのだ。療育もそうだった。わーこんなところで繋がるとは。感動。なんなんこの共通性。あ、またいつもの勝手なこじつけ??ハハ。
ナムが言う「正直になりたい」って何を指すんだろうか?
まだ何か言いたいことでもあるのかな?
そんな悟っちゃってもつまんないかもよ?ナム。
あーやっぱりナムと飲んでみたいなあ。
ユンギとも飲んで語ってみたい。
葛藤とか、焦りとか、理想とか、生きるとか。
彼らと同じ時代に産まれていてよかった。