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図星を言ってくれる人がいる
年齢を重ねるとどんどん図星を言ってくれる人がいなくなる。
それと叱られたり褒められたりもしなくなっていく。
人から影響を受けるものと、価値観のようにもう強固になって影響されないものが出てくる。
そうやって人格がより固くなっていくのか、何かを吸収して柔らかく丸くなっていくのか、人によるんだろうなぁ。
こないだ、20年来の付き合いがある人と飲みに行った。
ある企画に参加するというきっかけだった。
彼女と飲んだのは3回目とかかな?
今までも仕事の話とか、家族の話とかいろいろしている。
どんな話の流れだったか忘れたけど、ここ3〜4年でやりたいことをやっていて、自分を取り戻している、自分は変わってきたという話をしたら、彼女が「ぜーんぜん変わってないじゃん!20年前とぜーんぜん変わらないよ」と言ってきた。
言われた時は「えー!!こう言った人は初めてだ!」と思った。
ここんとこやりたいことをやっている話をすると「すごいね」と言ってくれる人がほとんどだったこともあり、言われて正直ショック…というか、変わったということを自負していたのもあり「えーそんな」と感じた。
でも、自分の図星だったんだと思う、悔しさもあった。
というのもつくづく人は「三つ子の魂百まで」なんだ、根っこの部分はそんなに変わらない、マフィア梶田くんが言っていた「社会に出た時に自分の根っこをごまかしながら生きる技術が身に付くだけ」ということばが心に刺さっていたから。
自分の本当のところって自分にしか分からない、でも客観視が難しいから他人から見た自分というのも分からない。
他人は自分を映す鏡なのだ。
彼女から見ると今接客や旅行関連の仕事に就きたいと思っている事については「あんた何やってんの?」「ふーんそうやってあがいてみるんだ」「留学行った話もふーんと思ったよ」と。
「留学だってあんたが変わったから行ったんじゃない。もともと行きたかった事をやっただけじゃん、変わったとは言わない」
「あんたどーせ考えることが好きだし、人と接するのが好きなんだからどーせ福祉に戻るんでしょ?なら何バイトしてんのよ。あんたにしか出来ない仕事があるでしょ!」と言っていた。
なんかそれって、アタシのことを分かってくれていると感じたこともあり、悔しい思いと嬉しい思いが交差して泣いた。
泣いていると「あんたほんとに弱いねぇ」と言われ、それにムカッと来たので「弱いよ!!」と言うと、「ああ、そこは分かってるのね」だって。
なんか、アメとムチ。さすが管理職。
「やりたいことやってる最中」とカッコつけて言っていたアタシが見透かされていたんだと思うと照れちゃうけど同時に嬉しい。
正直福祉に疲れていたという思いもある。バイト生活をして大きな責任が無い仕事をしたかった。お気楽バイト生活をしてみたかった。
「責任を取る覚悟をしなよ」とも言っていた。
長く務まらないのは「仕事に飽きる」という大義名分を言っていたけど、やりきる力が無いのかもしれないな。
福祉に就いていた時に気付いた自分の生育歴や、仕事においても「慰める人を探し続けていたんじゃないか」と気付いた時の自己嫌悪とか、「自分みたいな子を2度と出したくないからどうしても力が入っちゃう」という話をすると彼女は
「それだって自分が育った環境の所為にしてるだけじゃん。自分みたいな子を二度と出さないようにするんじゃなくて、子どもが生まれ落ちる環境は変えられないんだから、自分と似た境遇の子がいるんなら、その境遇においてもこの先『こういう生き方や考え方があるよ』という選択肢を出せる人になったらいいんじゃない?」と言われ、本当に頭の鐘が鳴った。
本当にその通り。助けが必要な子を引き取って養子縁組するぐらいの勢いじゃないとその子の境遇は救えないのだ。
でも、その子のその先の未来を見た時の選択肢や使えるもの、生き方を一緒に考える人になるといいんだ。
わあーすげえ視点、すごい話。
なんか頭に大きな鐘が鳴った感じ。
帰り道、歩いて帰りながら悔しい思いやら嬉しい思いやら、彼女の言った「この後どうやって、何をして生きるか、なんじゃないの?」ということばも反芻していた。
まさに今の自分に発破をかけてくれたんだと思う。
付き合いは長いけど、ここまでの話はしたことがなかったし、こんなに自分を分かってくれる人がいるなんて嬉しい。わあああ。
耳障りのいいことを言ってくれる人は多い。
自分の話し方が相手にそう言わせているところもあると思う。
けどこの、自分が気づけていない自分の図星とか客観的な意見を言ってくれる人の貴重さよ。
最初は「そんなんじゃないやい!」と拒絶したくなる意見かもしれない。
でも的を得ているから心に引っかかるんだと思う。
結局いつも踏み出す勇気が無くて、考えすぎてしまって何も出来ていない自分がいるんだ。本当にやりたい事。
ぬるっと始める、出来ることから。
あああ、この先何をするだろうか。