『Respect』感想備忘録

感情を動かそうと思って前から観たかった映画を観に行った。 ジェニファー・ハドソン主演。これだけで観る価値あるよなぁ。 アレサの人生は町山さんの「アメしる」で見ていたが。 かなりハードな人生。父親を含め周りの男に翻弄されながら生きてきた。 幼いころに両親は離婚、大好きな母親とは10歳の時に死別している。 10代で二度妊娠出産。 父と共に教会で歌ってきたが、束縛がすごい。 家族とは何か?支えでもあるし、呪いでもある。 言う事をきかなくなる度に父親が「悪い虫が出てきた」と呪文のように言われ植えつけられる思考。 地獄だ。 家族から離れるとは、本当に難しい。干渉が強い程。私にも重なる。 スターとしての過程はよくある栄光に群がる大人たちとの駆け引き。 そこに夫である男がいて、マネジメントされながらも暴力を受けている。 親しい人との関係性がうまくいかず、酒におぼれてしまう。 彼女が書く歌詞は旦那への文句だ。それがウケてヒットする。 デビューしたての彼女はとにかく「ヒット曲が欲しい」と。 しかし、「自分のVOICEで歌ってないからヒットが出ないのよ」とベテランシンガーに言われる。 依存し、されながら自己表現を見つけていく過程が心に刺さりまくる。 最後はゴスペルに戻ってきて教会で歌う事に。 その前に弱気になる彼女に幼いころからの知人が「君に悪い虫は最初からいない」と。 そこで呪縛が解けるのだ。 信仰とは、みんな安心したいからなのだ。 正月に会った友だちが言っていた。「前科のある人も最後信仰して死んでいく。安心したいから」と。 人間の一番の安心は信仰なのかもしれない。 誰も見たことが無い神にそこまで心酔出来るのを不思議に聞いてきたけど、 人間は目に見えない付加価値に価値を見出すんだろうと思う。 その方が誰にも裏切られない。 一番怖いのは人間だとも言うし。 とにかく歌が本当に良かった。 ジェニファー最高。やはり黒人のシンガーが大好きだ。 声のこもりぐあい、トーン、なんだろう?骨格なのかな? Israel Hounton, Gospel もそうだけど、TLCに始まり、Laurin Hill・Beyonce・Lizzo 今はMegan thee Stallion とにかくかっこいい。 そしてやっぱり歌いたい。音楽は身を救う。

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