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#5 株式会社東京流通センター様 物流ビルA棟

倉庫シェアリングサービスを提供するsoucoが、全国の倉庫や倉庫会社様を取材し、その魅力をお伝えします!
今回取材させていただいたのは、東京都大田区平和島にある東京流通センター様(以下:TRC)です。
現在建替え中でこの夏に竣工予定の物流ビルA棟の魅力に迫ります。

取材に対応いただいた営業部 植村様(中)、稲岡様(右)、松田様(左)

―まずは御社の事業内容を教えてください。
当社は、4万6千坪(約15万㎡)の敷地にて、物流施設・オフィスビル・イベントホールの運営・管理を行っています。2016年からは三菱地所グループになり、これまでの物流施設運営のノウハウを活かし、外部の物流施設の管理PM業務も受託しています。

建替え中の物流ビルA棟が2023年夏竣工予定

左:物流ビルB棟、右:建替え中の物流ビルA棟

souco:建替え前のTRCは小売店の仕分けやメーカー物流の拠点として多く使われている印象がありますが、建替え後はどんなテナントを想定されていますか?

従前からテナント様の想定は変わりませんが、大田市場が近く、冷凍冷蔵倉庫のニーズが高いため、1階は冷凍冷蔵倉庫の入居を想定し設計しています。
そのため、冷凍冷蔵設備造作時における断熱層の厚みを考慮し、バースの高さを通常は1.0mのところ、0.8mに設定しました。

souco:他にはどんなテナントを想定されていますか?

都心に立地する為、
事務所やショールーム、メンテナンス場といった、倉庫プラスαの用途を求められる事が多く、物流ビルA棟でも同様の利用を想定しています。
例えば現在の物流ビルB棟でいうと、アパレルの写真撮影、家電のパーツセンター兼修理場や、レンタル機械を扱うテナント様がレンタル品の洗浄やメンテナンスをする作業場としても使われています。
そのため当社ではあらかじめ電気容量を豊富に設定していることに加え、物流ビルA棟では専用部への給排水設備の対応が可能となるような設計としています。

モデルルーム(1区画約430坪) 様々な利用用途の事例も紹介

souco:他に建替え前と比べて変更点はありますか?

建替前は50年以上前の建物でしたので、車両の高さ制限も3.4mまでと、大型車の乗入れができなかったのに対し、物流ビルA・B棟では、大型車の乗り入れが上層階まで出来るようになりました。更に、今回物流ビルA棟では屋上に駐車場を配し、大型貨物車76台、中型・小型・乗用車合わせて442台と、都心物流施設の駐車場としては最大級のキャパシティを備えています。


TRCのおすすめポイント

①立地
souco:TRCといえば、やはり『立地』が魅力的ですよね。

そうですね、まず「電車」での交通利便性は抜群と言えます。
最寄り駅の流通センター駅までは品川駅から電車で約15分、浜松町駅からは約10分。流通センター駅を降りるとすぐにTRCの敷地となります。

東京モノレール 流通センター駅ホームから見えるTRC

そして「車」。TRCであれば平和島ICまで約5分、環状七号線が至近ですので、都心への配送の立地としては、都内でも屈指の利便性を誇っています

たとえば精密機器などは配送先が都内に集中しており、緊急配送のニーズも高いため、物流拠点を都内に構える必要があります。
倉庫が郊外にある場合には1日1往復しかできないところ、平和島では複数回にわたってピストンでの配送が可能です。
大型トラックで郊外から平和島に運び、あとは小型車でドライバーさんが何度か往復するという使い方ができます。これは2024年問題にも寄与するかもしれませんね。

もうひとつ言えるのは「空」羽田空港が近いこともポイントです。地方への空輸での緊急輸送といったこともカバーできます。

『メディカル村』とも言われるように、薬や手術キットの保管を平和島でされる企業様が多くいらっしゃいます。これは都内への配送はもちろん、羽田空港から地方への緊急輸送がスムーズにできるためです。1日の出荷の期限でみても、新木場など他エリアと比べ平和島の方がより遅くまで可能です。

他には、流通業務団地に指定されているため、物流優先の地域で住宅などがなく、夜間帯に物流作業を行っても騒音などの苦情はないですし、そこは非常に利便性があると思います。

②最小区画144坪

souco:最小区画が144坪からあるというのも特徴かと思いますが、小区画の要望は多いですか?

そうですね。このエリアの荷主様の配送センターとしてのご要望が多い大きさとして430坪を標準としていますが、最小区画は144坪からご用意しています。

実はデベロッパー側からすると、144坪と小さく倉庫を区切ると防災設備や電気系統の関係でコスト増にはなるのですが、前述の立地的な特性を踏まえ小さな区画のニーズは根強いため、TRCならではの物流施設としてご提供しています。また、小区画でありながらバースの奥行が13mあり、大型車も接車できるような倉庫は稀な物件だと思います。

souco:二ーズに合わせて柔軟にご対応されてきたのですね。


物流TECHへの取組み

オシャレなデザインの「TRC LODGE」

souco:物流TECHを集めたショール―ム『TRC LODGE』がありますよね。お取組みについて教えてください。

このショールームでは保管から配送までの効率化、人手不足、省エネ、SDGsやBCP対策など、物流業界の抱える様々な課題の解決方法を提案する約20社の企業に出展いただき、パネル展示を行っています。

様々な製品・サービスが紹介されています

souco: 実際にテナント様に導入されている製品・サービスもありますか?

はい、例えばダンボールを生成する機械ですね。3辺が可変で、商品に合わせて現場で箱を生成できます。無駄に大きい段ボール箱を使う事を避けられるので、輸送効率も良くなりますし、お客様にとっては配送料が安くなるメリットもあります。

souco:他に人気があるものはありますか?

AIを使った配車システムは注目される方が多いですね。
その他だとBCPの観点で災害時にフォークリフトの電源をパソコンやスマートフォンに繋げられるインバーターなどもあります。

souco:思いもよらなかったソリューションに出会うきっかけにもなりますね。

そうですね。テナント様だけを対象としているのではなく、TRC・三菱地所グループとしての知名度を活かし多くの物流事業者様への認知度向上にお役立ていただき、物流業界の課題解決に貢献したいという思いでショールームを運営しています。

『TRC LODGE』のショールーム。窓から物流ビルB棟と建替え中の物流ビルA棟が見えます

souco:物流ビルA棟以降の建替えなど、今後の計画があれば教えてください。

TRCの再開発プロジェクトとしては物流ビルA棟以降の計画はまだ立っていませんが、ゆくゆくはオフィス棟や他の施設も築年数が経っているので再開発をしていくことになるかと思います。

50年以上にわたりお客様から当社にいただいてきた様々な要望を形にしてきました。
例えば倉庫の奥行き(33m)や電気容量もそうで、物流ビルA棟でもこれからの50年を考え設計をしています。

souco:テナント様から期待されているものが大きそうですね。どういった点でやりがいを感じますか。

TRCは「ここでしかできないこと、ここだからやれるんだ」ということで皆さんに期待していただいています。営業としてはテナント様からそういったプレッシャーはありながらも、一緒に取り組んでいく事ができるところに面白みがありますね。

souco:ありがとうございます。物流ビルA棟の完成、そして次の50年も楽しみにしています。

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「物流業界の丸の内」とも呼ばれる平和島で、TRCはひとつの「街」というコンセプトで運営されています。敷地内にはカフェやコンビニエンスストアはもちろん、郵便局や診療所などサービス施設も充実しており、取材でも倉庫のほかにオフィス棟など、敷地全体を案内いただきました。
都市型物流施設として独自の発展をされてきたTRCならではの魅力が満載で書ききれないほどでした。
「『人 × 街 × 物流』 新たな価値 創造の場」を理念に掲げるTRCが、この地で根を張りつつも、さらに発展されていく事が楽しみです。TRC様、ありがとうございました。



【おまけ】

TRCの子会社で運営されているレストラン『TRCクラブ アーコレード』アルコールの提供や個室もあり、お客様との会食も敷地内で可能

取材後、敷地内のレストラン『TRCクラブ アーコレード』でランチをいただきました。メニューも豊富で美味しかったです。ごちそうさまでした。



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