「保有」の強さ
シェリングエコノミー、サブスクリプションなど、物があふれる時代に台頭する概念とは逆行するような考え方ですが、あらゆることにおいて「持つ」ことは源であり強さです。しがないサラリーマンをやっていてつくづくそう感じます。
無いなら買ってくればいい、借りてくればいいのですが、持たざる者としては「買う」という行為一つとっても、これは大変なことだと思い知らされます。
ビジネスを始めたいが何もない。なければ調達しなければいけない。では何を?そもそも何が必要かさえわからない。アイデアはあれど、果たしてそれに見合うアイテムが見つかるか。はたまた見つかったとしても取引はしてもらえるのだろうか。コストは。信頼性は・・・など、一概に「買って来ればよい」とはいうものの、相当の労力がかかります。そして無いものだらけのなか、自身の知恵と勇気だけで道を切り開くのは本当に不安がいっぱいで、こんなときにつくづくメーカーに身を置いていた時の自分は、環境に恵まれていたことを実感します。
その時は(会社が)プロダクトなり確固たるテクノロジーを持っていた。少ないながらも実物があって、コントロールできるものがある。その当時、恩恵は感じませんでしたが、コントロールできるものを中心にプロジェクトを組み立てられることは、安定であり心の支えとなり、強いのです。
マネジメントが主体事業の会社に移ってからは、本当に何もないところから計画を立てるような仕事が増えました。いろんな人たちに助けを求めながらなんとかやりくりしています。「有難い」とはよくできた言葉で、無いことの方が当たり前、有ることの素晴らしさを日々実感しています。