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キャリアウーマン

ある日、肺がんで余命幾ばくもないキャリアウーマンがやってきた。
最期の時を家族の近くで過ごすために地元に戻ってこられたのだ。

出会ったときの彼女


彼女はアラフィフ。
出版社で管理職を任されるほどに頑張ってきた方。
都会で何十年も働いてきて、マンションも購入していた。
独身の友達同士で老後の予定も立てていた。
話の内容と言葉の端々で「面倒見の良い、姉御肌の方だったんだろうな」と思った。

イメージした働いていた頃の彼女

私は人として女性として、とても尊敬した。
「男社会で凄い!凄い!」「でも、だからこそ病気は無念・・・だよね」

彼女は貧血や脳転移のせいでふらつきがあるので入浴には付き添っていた。
湯船につかってもらい雑談をしていた時、彼女が突然泣いた。
子どもをつくれば良かった、女としての幸せを築けば良かったと泣いた。

尊敬する人生の先輩が・・・泣いている。自分の人生を悔いている・・・。
当時の私は結婚をしていて、子どもも望める年齢だった。
そんな私に何が言えるだろう・・・?いや!何も言えない!
ということが一瞬のうちに頭を駆け巡り・・・

抱きしめる

私はびしょびしょになりながら抱きしめることしかできなかった。
ー「深夜のコーヒー(キャリアウーマン2)に続くー

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