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ZOOMの公募増資希薄化以上に悪い印象

株価が天井を付けてずるずると下落してから50日以上が経った1月12日、Zoomが公募増資を「今更」発表した。追加発行株式数は、オプション分も含めて5,882,353株。これは、発行済み株式の2.06%にあたるので、1月12日終値$356.81から2.06%を引いた349.46ドルが妥当株価になる。新株は340ドルで発行されるので、新しい株主は1株あたり9.46ドル、わずか2.78%のプレミアが付与されることになった。決算前の増資発表は、次の決算が良いことの証、という人がいたが、本当だろうか?株価がずるずると下落しているときに希薄化を意味する公募発表は、投資家的には嫌な顔をしたくなるものだろう。トレンドというものを無視してはいけない気がする。

投資は自己責任で


50日線が下向き&デッドクロス間近。チャート的にはボロボロの状態

カップハンドルなど遠い先の話。バリュエーションがいいから買え、と言う人もいるが、、はたしてどうなのか。チャートは決してそうは言ってないように見える。また、バリュエーションも完ぺきとはいいがたい。ひとつずつまとめていく。

チャート。日足。

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50日線が下向きは、米国株投資では致命的。外人は下向きの50日線は嫌いだ。みんなが見ているチャートで見れば、まずこの事実を認めるべきだ。この下向きは150日線、そして最終防衛ラインとされる200日線をターゲットにしている。デッドクロスが近い。200日線はまだ上昇基調、というのが救いだろうか。

窓は必ず埋まる。8/31の窓325.9はいまだタッチしていない。逆に12月1日に上の窓で460ドルができてしまった。上値メドはここだろうか。

2Q→3Qの成長鈍化は見逃せない、はかわいそすぎだが。。

何個かの海外メディアの記事で、「成長鈍化サインはすでに11月発表の決算で見えていた」と報じているものがあった。2Qのハイパーパフォーマンス、3Qの継続した成長はすばらしいの一言だが、この成長は「コロナ禍」という特殊環境の中で同社の強みが活かされた特殊例であることもまた事実。変異種が猛威を振るい始めているとはいえ、コロナワクチンの接種など人類はひとまずの対策を打ち始めており、コロナ禍は1年のうちに収束に向かっていくだろう。これは私が思うだけではなく、多くの人たちが思うことだ。それを打ち砕くには、2Qから3Qで前期比成長率を200%に維持できていたらなあ、というぜいたくな要望をしてしまう。

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このぜいたくな要望が満たされなかったので、コロナ禍で収束というイメージが優ってしまい、半バリュエーション的要素をもとに株価はずるずると下落しているわけで。そこに株主価値を希薄化させる公募増資発表ってどうなの?と思うわけです。

ショートポジションの話とか出てきている

しかし、レポートはまた、最終的には2021年にその高い台座から株をノックアウトする可能性のある収益成長の潜在的な減速の証拠を私たちに与えました。これらの理由から、弱気の引き金として365ドルレベルの次のブレークを監視しています  (SeekingAlpha 1/16)

決算が悪い(!)ことや、株価がもちなおさずずるずる低下していることなどで、空売りのポジションについて話が出てきている。しかしそれもちょっと「遅くない?」とは思う。

週足を見てみる。

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株価は、直近の安値230を目安にすると、高値588.84から2/3押しを達成している。その前の安値62.02を基準にすると、1/2押しに届いておらず、1/3押しはすでに達成している。230,320、410前後で目安価格が重なっているので、どっちにしろそのあたりまで株価は簡単に動いていくように思える。

ナンピンをしだす人が続出している

ツイッターを見ていると、上げ基調でZMを持っていて利確した人が、再度参入!ということでこのどうしようもない下落波動の銘柄を買っているのを目にする。ARKが買っているから、とか、インフルエンサーが「買え!」と言っているからとか、なんとなく、とか、理由はさまざまだ。

決算の先回り、ということならば、前回決算のときにやればいいし公募増資が出たからと言って強引にいいことのように解釈して買っているというのもなんだかおかしなことだと思える。

機関投資家は上昇基調がはっきりしてから買う、とは、これまたインフルエンサーのお言葉だが、この状況が上昇基調とは、私の目からは逆立ちしてチャートや数字を見ても思えない。窓埋めで325.9ドルを指値したことはあったが、それは株価が反落する以前の話。落ちてきているナイフはつかめない。


https://seekingalpha.com/article/4392933-zoom-is-sending-sell-signals





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