傷つくことを恐れすぎて傷つく


夢を見た。悪夢だ。


わたしには中高時代の親友がひとりいる。というかひとりしかいない。
いつ何時も激マブ卍って感じではないけれど、とても良い距離感で仲良くしてきた。
彼女はわたしのこと大体知っているし、わたしも信頼しかしていない。
そんな大切な友人なのだが、彼女に彼氏(仮)をとられる(と言う表現が正しいかはわからないが)夢だった。

すごくショックだった。
彼女と彼はわたしの想いを分かった上で、互いに互いを選んだ。
そしてふたりの知らない顔を、見せつけてきた。
夢の中のふたりは嫌ってくらい甘々だった。吐き気がした。

いや、全部夢の話なんだ。分かっているんだよ。
そもそも彼女はそういうことを見せつけてくるタイプではないし。
それでも没入型のわたしはほぼリアルにソレを体験してしまったわけで、起きたら泣いていた。


怖かった。
大切な存在が、友情と愛が、同時に失われていくことが。

どっちもわたしにとってはかけがえのない存在で、失いたくない数少ないもので。

わたしは昔から傷つくことが怖かった。
失うことが怖くて、大切なものができないように生きてきた。
特別幸せなことも不幸せなことも起こらない日々を、感情がフラットに保てる毎日を、自らコントロールして作り上げてきた。

でも、さすがに二十余年生きてしまうと、少なからず大切なものは増えてしまう。それでも厳選することで、失うリスクや傷つくリスクを最小限にしてきたつもりだった。
他人とはどんなに気があっても程よいところ一線引くような付き合い方をしてきたし、誰のことも本気で好きにならないようにしていたら、どうやって好きになるのかわからなくなってしまうほど。
そんな計算ずくめの人生の中で、初めてコントロールできなくなっている。
心をゆるしすぎてしまったかもしれない。

親友の存在は”厳選した大切なもの”なので、もう10年以上失いたくない存在なのだが、そこに異性が入ってきたのは初めて。
まあ(仮)でお察しだろうが、依然曖昧な関係性だしそれでいいと思ってたけど、こうなると話が変わってくる。これが独占欲か…。困ったなあ。

傷つくリスクはあるけど、リスク避けして夢の中で傷ついてるの普通に意味がわからない。
未だに趣味もセンスも価値観も違う彼を本当に好きなのか、どこを好きなのかなんて分かっちゃいない。
でも、失いたくないと思っている自分がいるので、もうそれが答えだと思う。


今日1日、起きてもいないことに傷ついて生きてた。
冷静に考えるとちょっとおもろい。誰も悪くない最上級の被害妄想。

ホルモンバランスのせいにして寝ます。


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