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ヘドロなりに考えた その2

 聡太くんに新しいおもちゃを買ってきた。いわゆる蹴りぐるみというやつだ。パイナップルの形をしていて接触冷感の布で出来ており、触ると猫の大好きなカサカサした音の鳴るすごいおもちゃだ。
 噛み癖治し作戦に蹴りぐるみが有効、という話を聞いて買ってきたのである。噛まれたらすっと腕とおもちゃを入れ替える。しばらくおもちゃをかじって、「あれ? ぼくはなにをしてるんだ?」となるのを狙う……というやつである。
 しかしきのう、聡太くんはすぐおもちゃの正体を見破ってしまった。そして買い物袋に入っていた薄手のナイロン袋のほうがいい、とそっちで遊び始めた。人間の目論み終了のお知らせである。
 いつだって猫のほうが一枚上手である。人間は猫に勝てないのだ。

 きのう、ふと興味が湧いて、「猫の4ヶ月って人間の何歳だ?」とググってみた。いろいろ誤差はあるようだが、およそ7歳、と出た。
 7歳。人間の子供だったら小学校に通う歳だ。フェイスブックで同級生が「学童落ちた日本●ね」と騒いでいたのは何年前か。
 小学生男児が言うことを聞いてくれないのはツイッターのいろいろなお母様方のツイートでうっすら知っている。そう思えば、「あしたラップの芯学校でつかうー」と言われるよりなら噛まれたり引っ掻かれたりするほうがマシだ。
 猫は人間よりずっと早く歳をとるわけで、それを思うと子猫であるいまはとても貴重だ。
 人間を生み育てることのない人生を送るであろう自分を思うと、この聡太くんを育てるという体験はとても重要なことではないかと思えてくる。
 聡太くんはわたしの人生をいい方向に変えてくれるはずだとわたしは信じている。なにかしなくちゃ、という危機感を持たせてくれたのは、間違いなく聡太くんだからだ。

危機感ゼロのあくびである。


 なにかを作ることがしたくなった。
 しかしミシンは聡太くんがいると危なくて出せたものではないし、そもそも裁縫は得意でない。工作もやりたいことではない。
 そう思ったとき思いついたのが、人形だった。百均でなにを作るわけでもないのに買ってきた石粉粘土がある。これで人形の頭部を作ってみよう。そう思って大昔に買った球体関節人形の製作技法の本を開いたものの、のっけからガチの人体デッサンでくじけてしまった。
 なにかを作ってみたいという気持ちはずっとあった。できれば形のあるものを作りたかった。文章は書いても形のあるものにするのは難しい。
 とりあえず頭だけでも作ってみようと思っているが、どんなものが出来上がるかわからないし、そもそも本当に作るのだろうか。
 材料も器材もぜんぜん足りないし、とにかく勢いで作ってみるしかない感じである。なにかを作ることを楽しいと思えるようになりたい。

子猫・スゴクカワイイ・後頭部。


 いや、やってることがトンチンカンであるというご指摘は甘んじて受けよう。わたしのやるべきことはアルバイト探しであって粘土をこねることではない。
 しかしアルバイトをする勇気はない。すぐ具合を悪くしてなんにもできなくなり迷惑ばっかりかけるだろうと思っているし、事実そうだと思う。
 それに、わたしは中卒だ。高卒ならまだ働く口もあるだろうが、高校を精神病で中退した人間を雇ってくれる会社がどこにあるだろうか。
 さらに、障害年金をもらっているが別に障害者手帳を持っているわけではないし、この間たわむれに「(住んでるところ) 障害者雇用」で検索をかけてみたが、障がいのある人を世話する仕事は出てきたが障害者雇用そのものはまるで出てこなかったし、わずかに出てきてもびっくりするほど時給の安いアルバイトばかりだった。

 仕事がしたい。自分で自信をもってキャットフードを買いたい。障害年金を切り崩さないで聡太くんを獣医さんに連れていきたい。
 それっぽっちのことが、高校を出ていないとか、精神病であるとか、そういうことが理由でできない。
 また3000字を3000円で買ってもらえる仕事がしたい。できることなら10万字を10万円で買ってもらえる仕事がしたい。
 以前「書籍化したい」とツイートしたら、あの将棋の加藤一二三先生から励ましのリプライをいただいたことがある。だからいつか書籍化を叶えたいが、しかし正直なところ小説ガチ勢でいるのに疲れてきた。
 小説を書くのは楽しい。大好きだ。体力が許す限り書き続けたいほどだ。
 しかしそれでは食べていけないのが薄々分かってきている。夢ではお腹は膨らまないしキャットフードを買うこともできない。
 小説エンジョイ勢になりたいと何度も思う。でも、わたしが暮らしていくお金を稼ぐ方法は、どう考えても小説を書く以外思いつかない。
 定時制高校なんて怖くていけないし、中卒の30代を雇ってくれるところでまともに人間3匹猫1匹食べていくお金を稼ぐことはできないと思われる。
 全て統合失調のせいだバカヤローと思ってもなにも解決しないのが腹立たしい。そして自分のことを書いても楽しくない。わたしはフィクションだけを作り続けたいのだ。

 グダグダと変なことを語ってしまった。どうやら電撃一次落ちが相当なダメージとして蓄積されているようだ。
 明日はもうちょっと楽しいことを書きます。

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