きょうの聡太くん 2024/11/29
聡太くんは最近、朝とか夜とかに、茶の間の窓にかけられたカーテンの向こうに行きたがる。カーテンのめくれるところから入っていって、しばらく外を(見えるのかわからないが)見ている。なんでそんなことをするのかは完全に謎である。
外に素敵なカノジョとか喧嘩を売ってくるライバルとかおいしそうな小鳥とかがいるとしたら「ウナァ〜」とか「フーッ!!」とか「ヒャンヒャン……」などと騒ぐはずなので、なにも言わずに外を見ているということはなにもいないのだ。なにもいないのに外を見ている、猫はいつでもミステリーである。
窓際は寒かろうと、よかれと思ってカーテンを持ち上げると「はあ?」という顔をなさるところを見ると、なにかを見ているのだと思われるのだが、なにを見ているのかさっぱりわからない。猫は暗くても見えるがど近眼であると聞いたことがある。いったい何を見ているのか、探検隊はその謎を解き明かすため密林の奥地へと向かわない。ちょっと謎なくらいが面白いのだ、猫というものは。
どうも最近わたしは「面倒なオカン」になっている気がする。聡太くんのご飯を用意すれば確実にカリカリを残すので、毎日毎食「カリカリ食べなさい」と声をかけているのだが、さすがにそれが自分でもうるさい。
食べなくてもほっとけばなんだかんだ食べるのだが、残しているのを見ると「カリカリ食べなさい」と声をかけてしまう。聡太くんは面倒そうな顔でこちらを見て「……またやってる」というような反応をする。
だって食べてくれないと心配ではないか。どこか痛いのかなあと心配するではないか。
昨日の夜は人間が「魔改造の夜」に興奮している間にカリカリを平らげた。早めにおやつのササミを与えて食べたい気分にさせ、ササミをカリカリに混ぜてやると食べてくれる。「あんがいおいしいねもぐもぐ」という顔だ。
しかし「カリカリ食べなさい」と聡太くんを叱っているわたしは、きっと嫌いなおかずが出て嫌な顔をしている子供に「ピーマンもにんじんも食べなさい」と言っているお母さんみたいな感じなのではなかろうか。まあ動物病院で「お母さん」呼ばわりされているのだから仕方がない。
最近聡太くんのお腹の調子が復活してきた。毎朝ぷりっと健康なUNKOを出しているらしい。らしい、というのは一番乗りで起きてくるのがだいたい母氏で、母氏が片付けてしまうからだ。
とにかくお腹の調子が無事ならそれでいいのだ、キャットフードを切り替えはじめたときにお腹の調子がよくなかったのは、慣れないものを食べてお腹がビックリしたとかそういうことなのだろうか。とにかくキャットフードが原因でなくてよかった。
健康第一である。「ぼく、ちょーげんき!」という感じで毎日生きている。今朝もぷりっといい感じのUNKOを出したらしい。
お腹ゆる太郎では栄養不足になって痩せてしまう。ちゃんと食べてちゃんと出すのがいい。
しかし「生まれついての飼い猫くんだからきっと健康に問題はまったくないはず」ともらってきたらお腹繊細くんだった、というのは予想外だった。生まれついての飼い猫でもお腹が繊細な子はいるのだ。
最近聡太くんはよくソファの背もたれでくつろいでいる。物を置いたとき安定しないので目の前にカリカリの食器を差し出される心配がないからではないかと踏んでいる。
そして背もたれでくつろいでいるとソファの後ろの洗濯物が写り込んでしまうので写真が撮れない。いままでさんざんテーブルの上の生活感を気にしないでUPしてきたが、散らかったテーブルと干してある洗濯物では恥ずかしさのレベルが違う。いや散らかったテーブルもどうかと思うが。
聡太くんが「かりかりいらない」をしているとき、食器を顔の前に持っていくと「あんがいおいしいねもぐもぐ」と食べてくれるのだが、しかしそれで釣って移動させるのは難しい。なのでソファの真ん中にカリカリの食器を置くと、ときどき気まぐれに降りてきてちりぽり食べたりする。面白いひとだ。