小説『人間きょうふ症』12

 気持ちがかなり昂っていたのか、その感情を抑えることは難しかった。私らしくなかった。だから、自分の部屋の布団の中に篭ってそのくすぐったい感覚を抑えようとした。
 数十分経ってもその感性は直らなかった。もしかしたら、久しぶりに趣味に専念すればなんとかなるかもしれない。そう考えて、ミニコラージュをし始めた。数年前から女子の中で流行っているのをインターネットで見て、その凄さに感銘し、一時期ハマっていた記憶が蘇ってくる。
 「当時は何かに縛られることもないで想像を活かせたよね…」
 そう言いながら一品完成させる。しかし、頭の中でなにか物足りなさを感じた。空虚な気分がずっと続いた。この穴を埋めなきゃ。方法は思いつかない。でも、なにかおかしい。下手したら、さっき先生が言った通り熱なのかも。多分それで、体内に熱があるからそれが興奮してるせいなのかもしれない。
 「先生…。先生…。あ、メールしなきゃじゃん!忘れてた。」
 瞬時にスマートフォンを開き、メールを打ち始めた。
 "K先生、こんにちは。メール遅くなってすみません。1時間くらい前に帰宅しました。体調の方は学校にいた時と同じで熱っぽいみたいでした。でも一時的なものだと思うので、明日治れば学校来ます。"
 「おっけー。」
 そして、あの変な感覚の感情を持ったままお風呂入ってすぐ寝た。明日は早起きするんです。

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