小説『人間きょうふ症』25
「本当に助かりました。」
「ん?何のこと?」
「百合園さんのことです。」
「あぁ、それくらい大丈夫よ。彼女に私たちが何かをすることを知る権利はないからね。」
「にしても、、先生は私に対して優しいですよね。周りといる時は、意外と冷たいのに」
先生はこの一言を聞き、何か話そうとしていたが、何も言わなかった。無言の状況が続き、気まずくなった。
「あ、えっと、あ、まぁ、それはそうと、、今日は大丈夫そうでした。」
「そう。一安心ね。明日も学校行けそう?」
心の底にあるあの不安の塊を抱きながらも、縦に少し頷いた。
「…なんかあったの?」
「……いや、特にないです。明日学校に来ますね!んじゃ!」
先生の顔を見ずにすぐに家へと向かった。先生はきっと察している。きっとでなく、絶対だね。先生には敵わないね。いつか、嫌に感じた時に先生にその思考を読心術で読み取られないようにしないと。先生には申し訳ないけれど、感情とかのせいで心配されたくない。
明日から改めて学校に行くことになる。A花さんの何でも知ろうとしたり、自分の方が知的ですよアピールをしたりするんだろうなぁ。それでも迷惑はかけたくないから、行くんだけど…。
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