ハーブ屋さんを始めたわけ(2)
(上のつづき)
そうこうするうち、意思決定の期限が近づいてきました。
残すか壊すか、気持ちは半々。
でも、壊すほうがやや強い。
そんな気持ちでいたところに、知人から電話がかかってきました。
「もしあの家を壊すなら、素材を欲しいという人がいるんだけど、譲ってもらえないか」
そう言われたとたん、脳裏にばらばらになった家が浮かび、次の瞬間、
「いや、残そうかと考えているので、少し待ってもらえませんか」
と勝手に口が言っていました。
なんだと。
電話を切ってから、自分で自分にびっくりしましたが、なんだかもうその時は、残すと決めていたように思います。
そうと決めて、兄弟にも了解を得たものの、建築のことは何もわかりません。
知人が曳舞屋さんを紹介してくれましたが、建築士さんを探してくれと言われました。
誰に頼めばいいんだろう。
ふと脳裏に浮かんだのは、その数年前に山で会ったひとでした。(続く)
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