【Vol.4】墨田区教育委員会が個人情報を勝手に自治会へ提供した件
(前回のあらすじ)
子供の個人情報が教育委員会から街の自治会(町会)へ無断提供されていたことについて、区の個人情報担当窓口である総務課に問い合わせた。
しかし、総務課の動きは重く、墨田区教育委員会へ本件を伝達してくれる事になったものの、内部調整が必要とのことでいつ伝達してくれるか不明という返事であった。
今回は、ようやく本件が総務課から教育委員会へ共有され、教育委員会からようやく以下のような返信があった。
教育委員会の回答
町会へ個人情報の提供を行った法的根拠と総務課経由でいただきましたご意見について、次のとおり回答いたします。
1 入学祝い品贈呈に係る町会への学務課保有個人情報の提供を行った法的根拠について
入学祝い品贈呈に係る町会への学務課保有個人情報の提供については、個人情報の保護に関する法律第69条第2項第4号(明らかに本人の利益になるとき)に基づき、行いました。
入学祝い品贈呈に係る学務課保有個人情報を町会へ提供する際には「利用目的(入学祝い品贈呈)以外で使用してはならない」こと、「名簿は個人情報のため、第三者に情報を提供してはならない」こと、「名簿の使用が終了したら、学務課に名簿を返却すること」を提供の条件としています。
また、名簿の返却については、期間内に返却されたかを管理し、返却された名簿は学務課の職員がシュレッダーで処分しております。
2 総務課経由でいただきましたご意見について
◯◯様のお子様の入学祝い品贈呈に係る学務課保有個人情報については、今後、町会への提供を行わないよう配慮いたします。
入学祝い品贈呈に係る町会への学務課保有個人情報の提供を始めとする保有個人情報の取扱いについては、引き続き、個人情報の保護に関する法律の規定、「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(行政機関等編)」及び「個人情報の保護に関する法律についての事務対応ガイド(行政機関等向け)」等に従い、厳正に個人情報を取り扱ってまいります。
以上です。
区の対応を信用してはいけない
上記より、教育委員会は、あくまで自分達は「個人情報保護法69条2項4号」に従って行ったとだけだ、と一方的に主張を繰り返すばかり。
その拡大解釈が誤っているという指摘については何も言及してくれない。
「個人情報保護法ガイドライン5−5−2」に記載の命の危険に関わるような場合以上の理由でなければ提供はできない旨の私の指摘についても無視。
これが区のやり方である。
「今後は配慮する」と言っているが、うちだけではなく他の区内全家庭についても同様の対応を取らなければならないはずである。
仮にDV等で離婚した母子家庭において、個人情報が自治会に提供された場合、その自治会にDV旦那がいたとしたら・・・という想定も考えられていない。せっかく離婚し別居したのに元配偶者に住所が知られてしまう可能性が出てくるのである。
自分達が良かれと思っていること、区民にとって利益になるだろうと思うことは全て正しい、という主張は明らかに危険であり間違っている。
現に私は利益よりも不利益の方が大きく上回っていると感じている。自治会にペドフィリアがいたらと思うと、怖くて子供を一人で歩かせることができなくなった。
実際、他の案件として、自衛隊への個人情報の名簿提供についても区民から陳情書が出ている。これも何も対応されていない(むしろ与党の自民党は賛成の立場であった…)。
陳情書「自衛隊への名簿提供中止に関する陳情」https://www.city.sumida.lg.jp/kugikai/kaigi_info/teireikai/2023/r502gian.files/r5c13.pdf
このような態度の区を制止するには、自ら世界へ発信したり、大手メディアの発信による外圧、または議員に頼るくらいしか現実的には有効な手がなさそうである(東京都からは指導できないと言われてしまったので)。
また、個人情報の漏洩は地方公務員法 第34条1項、第60条2号の「地方公務員守秘義務違反罪」に該当すると思料されるので、ゆくゆくは刑事の場で厳罰に処罰を求めていくことになるであろう。
国や役所のやっていることは正しい、と信じてぼーっと過ごしていると、いつか痛い目に遭うので気をつけて欲しい。
(続く)
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