第1回ソトノバ・オープンゼミ 【ゼミ記録】
2018/06/25
第1回ソトノバ・オープンゼミ記録 @東大先端研4号館
〇ソトノバ・オープンゼミについて
*ソトノバ告知ページ
本ゼミはソトノバの学生ライター熊澤の発案のもとで企画され、ソトノバのサポートのもとで展開されています。
パブリックシーン / 誰もが立ち入ることができ、各々が自由に振る舞えることで、多様なアクティビティに溢れているような状況を、計画として構築する手法を広く追求していくことが目的です。学年や所属大学、建築/都市計画/ランドスケープなど分野の垣根を超えて、社会人も含めて広く参加者を募り、毎度議論のテーマを決めた上で、定期的に開催していきます。
ゼミの進行は
ソトノバ学生ライター 熊澤
ソトノバ学生ライター 松本 です。
(アドバイザー 泉山塁威、石田祐也)
*ゼミで使用したスライド(ゼミ概要やソトノバについて書かれているのでご覧ください。)
〇ソトノバとは?「ソトを居場所に、イイバショに!」
〇オープンゼミとは?
あらゆる分野・年齢の垣根を越えて、ゼミを行う。最終的には冊子にします!
〇アーカイブ公開
議事録・コメントスレッドをもちいて、ドライブ上で共有。
終了後、「note」にてのち程公開!
〇ゼミの進め方
【初回】パブリックシーンの定義を探すために、キーワード・テーマを抽出。
【初回以降】テーマごとに小ゼミを結成。それぞれのテーマごとのゼミに分かれて参加。
もちろん、どのテーマの小ゼミにも参加可能です!(途中回からの参加も可能です!)
Q:「note」や議事録の個人情報ついて
A:note公開前には、公開前に3日間の確認期間を設ける。その期間中、個人情報を公開したくない方は、担当者までご連絡いただき、匿名にて公開します。
〇第1回内容
【それぞれがおもうパブリックシーンとは?】
今回は一人ずつ自分が思うパブリックシーンを示す写真を一枚用意してきてもらいました。スクリーンに写真の写った人は、コメントをお願いします。また、発表者以外の方は思ったことなどをコメントスレッドに書き込んで行きます。
*ここからは以下リンクのコメントスレッドと合わせて、ゼミの議論をお楽しみください。
*表記
>コメント
>>本人
〇熊澤・早稲田建築M2
「メキシコの広場」
パブリックシーンを構成するのは、ひとりひとりの自由な行動。教会のの塀に人が座っていたりそういう使いこなしに興味がある。それぞれが構成するのは、それぞれの思い思いの行動。体が反応するのは、カタチがもたらす。脱構築主義、メディア、などに興味があり。
〇松本・東大建築4年
「55HIROBA」公開空地
予想されて、置かれたファーニチャー。予想はされていない空間の使い方も。
性別、年齢、集まっている人数が共存しあっている空間。
設計において、そこで行われているアクティビティを予想した場合、とそうじゃない場合がある。
〇船越・東大都市工4年
「工学部前広場」
お花見をしよう。工学部前広場に行こう!となって使った。東大のソトの人も多く利用。多くの人は、この場を四季を感じる空間として利用。たくさんのベンチ。敷地の中だから使えることが大切。
>身近な場所を候補にあげることはすごい。ただ通りすぎる場所であることも大切だと感じる。
>>敷地内だから、嫌だという人もいる
>近所のおばちゃんだったり、来ている姿を見る。メンバーシップとルールの話はキーワード。仕事用のシェア空間が多い。質を担保する。
〇片山・早稲田建築M2
「ニューヨークブロードウェイ」
個人の行動がいい。ある2人は、観光バスのキャッチ。自由の女神の人は、カメラで撮ったらお金を取られる。植物やファニチャーを境に、空間をゾーニング。ゾーニングが個人の行動を誘引している。
>時間帯で人通りは変わる?
>>夜は、ダンスバトルが始まったり。
>もとは、道路?交差点?
>>もとは、道路。実験的に止めたら、良くて、広場化したのでは?意図せず。
>道路をふさぐには?
>>タクシーのGPSを図って、
>渋谷のスクランブル交差点でもできるのか?今回のワールドカップで交差がなくなり、残念。
〇宮園・東大前期教養2年
「インドの朝日を待つ瞬間の写真」岬
まちを歩くっというものを企画。国民にとっての観光地。海で沐浴、海水浴。
夜はすごく人が集まる。土産物市。
>時間帯によって、人の集まり方や空間の使われ方がちがう
〇横山
「駅から二子玉川公園へむかう道(屋上)」
もともとは、ただの屋上を使った通路だが、人を集める目的でこのような利用がスタート。東急がやっている。
道路の利活用はもちろん進めて行くとして、公開空地などの空間をどう利活用するか、それを活用してもらうためにどうやって計画するか、何を仕掛けていくかを考えないといけないフェーズ。
大規模な開発やまちづくりは20年後まで見据えて何を仕掛けるか、それを考えながらしなければいけない。
>これはイベント??
>>イベントです。でも民地なので、社会実験とかではない。単に人を集めたい、集客したいというもの。
>こうやって公開空地とか、屋上とかの空間に人を招き入れて、こんなに賑わいを生めるということを示すことで今後の展開には意味がある。
>はじめはストリートマーケットからスタート。のちに写真のように建物がたつように発展。
>三井の55HIROBAは作りこまれている。あえてだだっ広いイベント用の空間を設計しているのか??
>>鴨川の広場は新しい発想。広い道は、何も考えず設計?まったくもともと用途が決まらず?
>地面になにか打ったり、建てたりということはできない?
>>屋上なのでそれはできない。ただ、電気は引っ張ってこれるようになってるようだ。
>二子玉はシャレ街条例の後の計画、、設計の段階からイベントとかオープンカフェとかが行われることを前提としてる。一方、55HIROBAは、過去にできたもの(時代がちがうから、、、)イベントを行う際の現場での、問題はいろいろありそう
>>消防法とか、、、
〇三栗野・千葉大建築M1
友人の意見ですが、、、パブリックシーンはSNSだと思う。人とつながれる。
>>ツイッターの人は公共空間として認識
>>ツイッターは公共空間だと思って使っている。ツイッターは、名前をせて発言。現実でも名札とはないものだし。匿名性。渋谷のスクランブル交差点でも、だれがだれかはわからない。それと同じじゃん?
>>知らない人に文句言われる。ツイッターも怒られる。現実世界でも怒られる。
>>SNSがわるいことが、昨日起こっていた。SNSで悪い発言をしていた人が、発言を受けていた人がリアルで殺傷事件を起こす。ある意味で公共空間。SNSとリアルは分かれることができない関係でもある。
〇桑田・法政大学大学院政策創造研究科M1
空間の話じゃないんですが、、
「文京区社会福祉協議会」が運営している『フミコム』
ヒトの交流も公共の場としたい。社会の仕組みを作っていく。
50歳代、シニアの人びとにもっと社会に出て働いてほしいという思い。
文京区には19の大学や企業もたくさん。横のつながりを欲しているが、なかなかつながれてない。
>>去年のソトノバアワードを取ったsotokawadaは、その街に住む人たちの特技が役立って、盛り上がっていった。
〇山本・株式会社Sirube
東北大の建築出身
IT
位置情報系のアプリで都市デザインとの関係性を模索中。
もともとは公共空間に興味。
本屋さん兼カフェをPPPでつくる。屋台
>>ITとパブリックスペースのマッチアップ
>>ウィキトピアと近い感じ?経済圏づくり
>>IT技術が小さい活動に貢献しているのはすごい。
>場の作り方に関与してる
>ツイッターに戻る。ミクシィ―は村といわれている。
>>SNSでも同じ関心の人が集まっちゃう。でも、誰でもいい、というより、誰かという制限をつくることは大事。
>>空間をITでデザインする。その際、ITがどのように関連?マップ上に、ここでこういうのやってるよっていう情報を可視化。街で起こっている状況をリアルタイムで可視化したい。
〇河畑
大学は建築出身
「プレーパーク」
公園の一部。禁止事項が増えている、遊び場が禁止が多くなった。子供の遊び場をつくった。子供のためという空間に作ったにも関わらず、大人が自由に過ごしているシーンはいい。
仕組みによってこの状況は達成されている。でも、仕組みではなくて、ここに何を作り出したらこういう状況が生み出せるのかというところに興味がある。
>>実際この場所に遊んでいた。子供たちが泥だらけになれるところ。焼き芋やいたり、落ち葉集めたり、自然を身近に感じられる場所として大事。「自然」というのはキーワード。
木に登れる、(でもそれは危ないとかの指摘につながるのが現状)
〇川村・工学院大建築4年
「阿佐ヶ谷の高架下」
ヒトの入る場所ではないところで、ロープをくぐり、自由に使っていることが衝撃。
自分で都市の中で居場所をつくるとはこういうことなのか。
>>喫煙所も同じようなパターン?行動が繰り返されて使われていたら、ほかの人も徐々に使い始める
>広場でダンスの練習したい、、でも禁止と怒られる。自分で好きな振る舞いができない地域だと思っていたのに、ふるまい始める。自分の居場所として見つける。
>>自発性とかをどう生み出す?
>>なんで禁止?
>両側は駐車場。以前は、駐輪場だった。
>>途上国のインフォーマルセクターを連想。屋台とかの商売。月一で警察が来る時だけは、避けるけど、その他は利用。警察も黙認してるみたいな状況。日本は商業関係の規制はとても厳しい。道路上、線路上、、、
”暫定空地”とでも言うべきか?
>>ここは、JRが私有地。
〇高橋・日本工営
「ニース」
タダで入れる。誰でも入れる。シームレス。周りと地続き。何となく、みんな入ってくる。だれでもなんとなくはいってしまう。たまたま来ても、たのしそうでみんな入っちゃう。
たとえば、入場料があったらパブリックじゃないよね??
自然に、老若男女問わず集まる。
>>メンバーシップの話とシームレスはしっくりきた。計画の念頭に置いておくべき?
>>水はコンテンツにもなる。水遊び、、水はみんな好き。噴水とか
コンテンツであり、景観でもある。植物もそう。
〇濱・横国建築3年
「横浜美術館の広場」
子供が交流を生んでいる。水遊びができる。みなとみらいは人が多く、通り過ぎていく人が多い。子供、水遊びが要因となって、交流を生んでいる。
>>隣が子供をターゲットにしている商業施設。(マークリーズ)その連携が子供たちが遊ぶきっかけに?
>>子供をパブリックシーンに絡ませると、大人になったときに覚えてる。これが後々、、、初期投資的な考え方もおもしろい。
>>子供を遊ばせているときに、お母さんはスマホ見てるだとか、そういう部分はほかの関わり方がある。
>>イベントのときの集客も同じだが、男性は一人行動をする、女性は二人行動をする。どこを狙っていくか。
〇中村・早稲田建築4年
「武蔵野プレイス」と駅の間の公園
弁当を友第同士で食べてるたり、と普段ではしないような空間が生まれている?公共建築(図書館)と道の間。建物内は、禁止事項があり、それのない間の空間だと、パブリックがあふれ出す?建物ではやっちゃいけないアクテビティが公園にあふれ出ている。
>>道も同じような空間といえる。でも、この公園のようにはなっていない。なんでだろう。
>>座れる場所って結構大事。タダで座れる場所はすくない。ツイッターでただで座れるというサイトを見たことがある
>>エッジエフェクト、禁止事項がにじみだしてる
〇柴戸・東大都市工M2
「東大のキャンパス内、並木道」
東大の門には関係者立ち入り禁止看板が。それでも、多くの人が校内を利用。特に秋になると、銀杏並木になり、印象的。子連れ、おじいちゃんおばあちゃん。外の風景を描きに来ている。SNSで情報を載せて発信できるようになったことは、日常がたのしくなるきっかけをつくっている。太陽光の下で、、、日本人だからか、四季がコンテンツ?強い引力があるのでは?
>>銀杏並木は、絨毯になる予定ではないのに植えられた。
>シンボリックにつくられたもの。奥にある広場よりも秋にはここにあつまる。
>>ディズニーランド、イッツアスモールワールドも工事中の策の絵が写真映えスポットに。
〇鎌賀
タダですよ、看板。車の上に緑をつんでくる。子供たちがのる。移動するパブリックスペース。日曜日だけできる空間。常設じゃないところが雰囲気が出るところ
>>リヤカーは、駐車料をはらわなくてもいい!
>>9/3にパーキングデイをソトノバでも行う。
〇佐伯・旭富士株式会社
地元。多世代の交流スペースにしたい。来月から、オープンカフェにする。カフェと駅前をつなぐ空間をつくりたい。離職後の居場所。
〇稲毛・早稲田建築M2
ワールドカップのシーン。サッカー観戦という目的のために、それぞれが分かち合える空間はいい。ここに行くと何かあると思わせる空間。サッカーを終わるころに、行こうと思える場所。設計者の意図の超えるような使い方。渋谷は、大きなスクリーンを持っていたり、そんな人の行動を誘発するような空間が増えればいい。
〇須田・東京大学大学院総合文化研究科 文化人類学コースM2
小豆島の中心地で行われている「フレトピアフェア」というイベント。地元の商店のテントやキッチンカーが出展。小豆島は観光地としても有名だが、このイベントは観光客が少なく、地元の方々がお祭り感覚で楽しんでいる。現在の制度では、路上で価値を提供し対価としてお金を受け取るということができない。設計者の意図を超えた使われ方、テントや車をおけることは、何でも使えるという幅を持たせる。
〇田邊・明治大学大学院IAUD M2
台湾の台北駅。床にたくさん座り、ご飯を食べていて、衝撃的だった。ヨーロッパで1階部分のパブリックスペースをかっこいいつくりに憧れ。日本ではまずない。日本におけるパブリック空間は何かを研究したい。
【キーワード抽出】小ゼミのテーマの候補出し。21:00から21:15まで。議論したいテーマ。
*参加者のパブリックシーンについての発表とそれに伴う議論から、次回以降のオープンゼミ(小ゼミ)のテーマを挙げていきます。3、4人ずつのA~Fグループに分かれて話し合ってテーマにしたい内容を挙げてもらいました。
【各グループの議論で出たワード】
A
>レベル差
>音(音楽、自然の音(sound scape))・光・水
>アクセス権
>設計を超えた意図
>意図されすぎたパブリックシーン
>IT系
>地下
>シェルターとしての機能(日陰・雨宿り・防災)
>人々の集まり方、にぎわい方の平日と休日の差
B
>駅と図書館の間。規制されていたものの間にある空間に自由なふるまいがあふれだす。
>ものを食べることときの感覚の違い。
>規制と行動
C
>どうお金周りを含め、継続させていくか
D
>パブリックシーンをつくるためのコンテンツとは。何がいいのか。
E
>メンバーシップを設けたうえで、どのように偶発性を生まれるのか
>水場。入っていいのか、入ってはいけないのか。それは見ただけではわからない。視覚・聴覚に刺激するものがあってもいいのでは。
>季節性、自然をコンテンツにする。みんなが同じ行動をするきっかけに
>人の住む場所がそれぞれ。シームレスに
F
>座る、公共空間の場に自分のスペースをつくれる。
【小ゼミでやりたいテーマ】
*各グループによって挙げられたテーマ候補について、全体で議論し、小ゼミのテーマを絞りました。(以下項目)
①経済・収益・稼げる公共→ 7/30
②IT・SNS・メディア
③限定:メンバーシップ
④関係性:ユーザーでありながら価値の提供者でもあることができるような空間
⑤身体性:座る、誘発性、自発性
⑥環境:水、光、音
⑦設計手法:【設計を超えた意図・意図されすぎたパブリックシーン・意図しない状況を設計からどう意図できるか】
⑧コンテンツ:イベント、自然、共感覚、季節性
*今後の小ゼミ開催順は番号には関係ありません。毎回ゼミの最後に次回の内容をきめていく予定です。
【さいごに】
・7/30に第2回ゼミ開催
・該当小ゼミ担当者はスライドをつくる(デジタル共有)