上勝の農泊施設 4/椎茸小屋をホテルに改修 真剣にゴミで建築をつくってみる
上勝杉の端材ブロック
上勝は元々林業が盛んだったこともあり、急斜面の杉の山林が広がっています。「凄い景色だなぁ」と感激する横で、地元の木こりの方が「何も採れない放置林や」と、溜息のように呟いたのが印象的でした。
もし林業が豊かに成り立っていれば美しく見える風景かもしれないし、「美」の概念なんて案外そんな単純なことで左右されるのかもしれないと感じました。
「ぜひとも地域の木材を使いたい」という話になったのですが、当然費用も上がります。陳さんからの「節がある端材では、美しいものは作れないんですか?」という素直な質問に、何とかして答えたいと感じ、角材を積み上げて、隙間から様々な古着がのぞいているデザインを考えました。
工務店の明徳さんに、近くの現場で余ったプレカット端材を何か月もかけて集めてもらうことにしました。
前例がなく、図面通りに進みにくい計画は、通常施工者さんにとても迷惑をかけてしまいます。しかし、幸運なことに、最後まで面白がって付き合ってもらえました。
他の現場で手に入りやすい三寸・三五角サイズに寸法を調整したり、近所の方々から沢山の着物の帯を頂いたことで、仕上を変えたりもしました。だんだん現場から、「こうした方が面白い」とか「こうしたら子供が喜ぶ」という提案が出てきて、狙っていないものが出来上がっていくことに皆で夢中になりました。
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