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やれと言われた気がする機材紹介 「しゅわっと」RECを終えて
こんにちは。こんばんは。おはようございます。みなさんお元気ですか?先日車で温泉に向かっていたらキツネの遺体をオーバーキルしそうになったうえにまたガードレールに突っ込みそうになったベイビーモリです。
さて、今回は私の機材紹介をやっていこうと思います。なんでやろうかって思ったかというと、先日明るい赤ちゃんのKey.ベイビーコダマが新曲「しゅわっと」のREC,MIX後記(記事はコチラ!↓)
https://note.com/limegreen_rec/n/n9f223f60fbf3
こちらにてこんな発言を残していたからなんですね。
はい。これです。こう言われるとやっぱり嬉しいよね。自分が悩みに悩んで3年のローンを組んで、毎月全身の毛穴から出血しながら働いてローン返済頑張ってる機材の音褒められたらそりゃ嬉しいよね。
というわけで、私がメインで使用している機材、今回はドラムセットを紹介していこうと思います!(※超マニアックな部分、専門用語多々あります。超真面目解説です。)
Ludwig NeuSonic
私が使用しているのは1909年創業のアメリカの超老舗ドラムメーカーLudwigのNeuSonicシリーズのSkyline Blue というカラーのドラムセットです。しゅわっとのレコーディングはこちらを使用しました。
色が可愛いですね。シェルは10" 12" 16" 22"というイマドキなサイズで、お値段は14万円ちょっとです。ドラムセットの中ではかなり安い方でして、どんなメーカーでもハイエンドモデルを買おうとすると少なくとも30万、オーダーメイドともなると100万円を超えてきます。コワイ。
「安いのに音良いの?笑」
そんな声が聞こえてきた気がするので、こいつの凄さを解説していこうと思います。
シェル(胴体)
材はメイプルとチェリー。どちらとも明瞭なサウンドが特徴で、このシェルはアウターがメイプル3ply、インナーがチェリー3plyの合計5mmのシェルです。
明瞭なのはもちろん、中低域がとても豊かでアタック感抜群のぶっとい音を出してくれます。あと鳴らしやすい。子供とか女の子でもガチムチドラマー顔負けのバカデカな音出せると思う。
現在Ludwigは木材の管理、組立までアメリカのノースカロライナ州モンローにある自社工場で行われています。(昔はシカゴとかだった)このNeuSonicも「ハイエンドモデルが生産されている環境と同じ環境、製法で製造されている」ということなんですね。
ベアリングエッジ
ベアリングエッジはヘッドとシェルが接地するところで、振動が伝わるかなり重要な部分です。NeuSonicは1/16"の丸みを帯びた単一45°のベアリングエッジになっており、幅広いチューニングレンジと豊かなサスティンを併せ持ってます。
シェルの製法
Ludwigの全てのドラムシェルは「RFST(Radio Frequency Shell Technology)」という、シェルに高周波振動を加える技術を使用して製造されています。ludwig独自の成形工程と接着技術により合板の均等圧着が可能となっており、シェルの振動を最大限に引き出すことができています。
R.F.S.T独自の接着システムと特殊な接着剤を組み合わせた1960年代のオリジナルのブラダーモールドを使用したプロセスを使用して、シェルの表面全体で各シェルを均一に硬化させます。このプロセスは、まさに「LudwigSound」の主要な要素です。(公式から引用)
さらに、新素材のCortexをアウター材としてシェルの成型時に合板の一部としてそのまま一体化させて圧着してしまう事で、カバリングという工程を無くしてコストの削減を実現しているんです。だから安いんですね。
パーツ
「パーツ?そんなの音に関係あるの?笑」
そんな声が聞こえてきた気がしますが、関係ありまくりです。軽視しがちなところですがかなり重要です。
・ラグ
NeuSonicはとても小ぶりな「Ludwig Mini Classic Lug」を採用しており、シェルの振動を邪魔せず、鳴りを最大限に引き出すことが可能になっています。
・タムクランプ
最近のドラムセットはバスドラムにタムマウントという受けが付いており、そこにタムを差し込む方式でセッティングすることが多いのですが、NeuSonicはそのタムマウントが存在せず、このタマクランプという別のパーツでシンバルスタンドなどに固定する方式が取られています。
左の棒のようなところにタムを挿し、右の部分を開けてスタンドに装着し、締め付けて固定する感じです。
これの何が良いかというと、シェル同士が直接繋がっている部分が無くなるため、シェルの鳴りが最大限に引き出されることなんです。
そしてこの棒に挿すためのパーツにもこだわりがあります。NeuSonicは「A.T.L.A.S. Tom Mount」を採用しています。
ラグサスペンションシステムというものによって、プラプラとぶら下がっている様な状態でセッティングすることが可能です。これもシェルの鳴りを引き出す大きな要因となっています。
フロアタムのレッグもこのラグサスペンションシステムが採用されており、レッグ自体も細いため、鳴らしやすいフロアタムとなっているわけですね。
ヘッド
さあ、長編機材紹介もいよいよ終盤です。最後はヘッドについて解説していきたいと思います。
私がNeuSonicに使用しているヘッドは、タム類が「REMO Coated Emperor」(打面)と「REMO Clear Ambassador」(裏面)で、バスドラムが「REMO PowerStroke3 Coated」(打面)と「REMO Coated Ambassador」(フロント、穴開)です。それぞれ解説していきます。見た目ほぼ同じなので画像省略。
・REMO Coated Emperor
世界最大のドラムヘッドメーカーREMOのエンペラーシリーズのコーテッドヘッドです。定番のアンバサダーよりも分厚い、フリーフローティング2プライ構造により耐久性が高く、打面用のヘッドとして人気の高いです。アンバサダーより若干サスティンが短く、アタックの効いたサウンドが特徴です。中低域が豊かなNeuSonicにピッタリなヘッドと言えると思います。
・REMO Clear Ambassador
タム系のボトム用ヘッドとして最も使用されているらしいです。確かによく見かける。オープンで明るい鳴りと豊かなサスティンが特徴。
・REMO Power Stroke Coated
バスドラムヘッドのド定番です。2plyフィルムにエッジ部分のリングミュートによりかなりサスティンが減らされており、現代的かつ「ドスッ!」という重たいサウンドを得ることができます。明るい赤ちゃんには欠かせない音圧を手軽に手に入れることができますよ。
・REMO Coated Ambassador
コチラもバスドラフロントヘッドのド定番。本当に普通のヘッドなので解説することもないかもしれない。自然なサスティンの伸びが気持ちいいヘッドです。
こんな感じで、私はヘッドに関してはごくごく普通のものを使用しています。シンプルイズベスト。
最後に
ここまで読んでくださった方、マジでありがとうございます。ドラマーにしかわからないような解説でしたが楽しんでいただけましたか?気が向いたらスネアとシンバルの解説もやってみようと思います。また長編になるなこれ...。
こんな感じのこだわり機材を使用して一音一音丁寧にレコーディングした明るい赤ちゃんの新曲「しゅわっと」を是非聴いてほしい!よろしくお願いします!
それでは次回「ターキッシュシンバルの沼」編でお会いしましょう。