KAJITSU×KUNIMI SPECIAL MATCHを終えて
10月4日(日) KAJITSU×KUNIMI SPECIAL MATCHが終了しました。
この企画は、コロナウイルスの影響により試合の機会が減少した選手にアピールの機会を創出し、試合観戦が思うようにできない選手の親御様や、サッカーファンの方へ観戦機会を作ることを目的として、鹿児島実業高校と国見高校のスペシャルマッチをYouTubeにてライブ配信を行いました。
また、コロナウイルスの感染拡大で元気の無い世の中に、高校生がひた向きにプレーする姿で多くの方にパワーを与えたい、サッカーファンが見たいと思うカードを実現することで明るい話題を届けたい、という想いも込めております。
様々な方のご支援や応援を頂き、ライブ配信では同時間での最高視聴者数は2,200名を超え、再生回数も5万回を超えました。
この企画がどのようにして進んできたか、どのような想いを持って作ってきたか、主催者として全てを経験した自分用の記録も兼ねて書いてみたいと思います。
■試合映像
企画準備
この企画を考え始めたのは、コロナウイルスの感染拡大により、日常からスポーツが無くなり、インターハイや甲子園の中止、オリンピックの延期などのニュースが続いていた時期です。
頑張っている人達の目標とするものが、どんどんと無くなっていく状況に無念さを感じていて、能力も経験も無い自分ですが、何かスポーツで明るいニュースを発信できないかと考えていました。
最初は、鹿児島実業高校と国見高校の試合は、サッカーファンであれば見たいのではないか、という単純な考えでしたが、実施の可能性を探る中で、両校が初めて高校サッカー選手権の全国大会決勝で対戦してから、30年の節目の年であることや、数年前まで両校が毎年本気の練習試合を恒例としていたことを知り、これはやるべき企画なのではと思い始めました。
そして両校に共通していたのが、親元を離れて入寮しチャレンジをしている選手が多いことです。
覚悟を決めて親元を離れて進学した選手達が、コロナウイルスの影響でプレー機会が減っていること、親御様やファンの方々が自由に応援できない状況にあることが非常に辛く感じ、何か想い出に残るようなことができないかと考えていた時には、必ず実現させるという気持ちになっていました。
ただ、個人的な想いだけでは自己満足になってしまうので、
チーム=更なるブランディング
選手=プレーをなるべく多くの人に見てもらえる
親御様、サッカーファン=この状況下でも応援ができる
このメリットを提供できるような内容を考えた結果、、
話題性を作り、ライブ配信の視聴者数が増えることが最も重要で、そのためにはひとりでも多くの方に企画に関わって頂くことが必要と考え、クラウドファンディングでの資金調達を選択しました。
そして、クラウドファンディングは多くの方が実施している時期でもあったため、少しでも新鮮な内容となるように、特別ユニフォームを制作し、ご支援に対してのリターンに決めました。
選手にも当日着用して頂くようにすれば、モチベーションアップにも繋がりますし、反響があればプロでは無くても『ユニフォームが売れるチーム』という更なるブランディングに繋げることができます。
ご支援頂いた方にとっても、選手と同じユニフォームが受け取れる付加価値に加え、デザインが格好良ければ、欲しいと思ってもらえるのではと考えました。
両校には、ここまでの内容を企画書に纏めて提案を行いました。
このような状況下での提案であったため受け入れて頂けるかの不安はありましたが、、
両校は快く承諾して頂き、逆にこのような状況だからこそ、感染対策をしっかりした上で実施しようと言って頂くことができ、とても嬉しかったのと、身が引き締まる想いになったことを覚えています。
クラウドファンディング
そして実施したクラウドファンディングは、
結果的に、2,589,000円のご支援を頂きました。
特別ユニフォームを100点限定でリターンとしていたのですが、4日目で両校とも完売。
(入金のタイムラグがあったため、サイト上の完売は6日目)
勿論、OBの方々や保護者の方のご支援も多くありましたが、両校のブランド力の高さを証明することができました。
※ユニフォームは完売後も問い合わせが多かったため、10月4日〜10月31日までの限定受注販売も行っております
そして、何よりクラウドファンディングにご支援頂いた方から寄せられた温かいメッセージに本当に感動しました。
このような誰もが苦しい状況のなかで、両校のスタッフ、選手の皆様も、ご支援を頂いた方の優しさ、愛情、期待、様々な想いを感じられたと思います。
■一部抜粋して使用したライブ配信のエンドロールです(全てのメッセージはクラウドファンディングサイトから確認できます)
ライブ配信に向けた準備
クラウドファンディングの目標金額を達成することができたため、次はライブ配信の視聴者数を増やすためのプロモーションです。
試合10日前からは特設サイトにて監督、選手のインタビュー動画配信を実施
3日前からは試合に向けたプロモーション動画も配信を行いました。
プロの方に依頼をしたのですが、要望通りの仕上がりで非常に格好良く作って頂いております。
(中内 章裕 制作)
しかし、自分達が行うプロモーションでは届く人数に限界があったなかで、ライブ配信の1週間前あたりから、多くの方々にこの企画の発信に協力して頂きました。
ここから一気に認知度が高まったと感じております。
ライブ配信当日
ライブ配信は株式会社グリーンカードへ依頼し、YouTubeチャンネルもお借りしました。
他にも多くの高校サッカーの試合を配信されているチャンネルであるため、多くの方に見て頂ける、ひとつの要素になったと思います。
個人的にはその中で勝負してなるべく早く1番の再生回数を達成したかったのですが、現時点では2番目です。
是非まだ見られていない方はご覧ください。
スタメン発表も、特別感を出すために実施して頂きました。
試合中の撮影はカメラマン達に任せる形にはなるため、ライブ配信で個人的に一番拘ったのは、入場シーンから試合開始までです。
ちなみに、試合前に選手がメッセージを掲げましたが、これは鹿児島実業高校の森下監督からのアイデアです。
『俺たちは負けない』
というメッセージには、ライブ配信を見ている方への決意表明だけではなく、同じように苦しい状況を乗り越えようとしている高校生へ、共に頑張ろうという想いも込められています。
試合に関しては、両校は気持ちの入ったプレーをして頂き、非常に見ごたえのある良いゲームになりました。
公式戦でもない中ではありますが、企画の意図をご理解頂き、全力でプレーして頂いた選手、スタッフの皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。
(写真提供 KOICHI-PHOTO)
実は、ライブ配信では伝わらなかったと思いますが、当日の運営スタッフ、ボールボーイも選手とは色違いカラーのユニフォームを着用して、現地で世界観を作っていたんです。
そして、審判団も選手のユニフォームに合わせ、全身NIKEで揃えており、
会場には両校の横断幕やフラッグも設置していました。
試合後
ライブ配信は無事終了し、この試合を複数のメディアに取り上げて頂くことができております。
なかなか全国大会に出場する以外は全国ネットのニュースで試合映像が流れることは無いため、両校の更なるブランディングにも繋がり、選手にとってのアピールにもなったのではないかと思います。
ただ、両校で無ければ同じ内容でも、取材を受けることは無かったかもしれません。
改めて、両校が伝統ある素晴らしい学校であると感じました。
そして、勿論メディア露出は個人的にとても嬉しかったのですが、それ以上に嬉しかったのが、試合後に親御様より頂いた、
『県外から応援に行けないなか、我が子の試合をライブ配信で見ることができ、嬉しかった。普段試合を見れない祖父、祖母、親戚まで試合が見れた』
という一通の御礼メールでした。
このような状況下で企画を実施することは決して賛成の方ばかりでは無いと思っていたなかで、このメールを頂けたことで本当にやって良かったと思うことができました。
最後に
初めてのチャレンジでもあり大変なこともありましたが、準備から当日の運営、終了後の業務まで、全てを実施させて頂いたことは、今後に繋げていきたいと思います。
主催者として力不足な部分もあったかと思いますが、ご協力頂いた関係者の皆様にはこの場をお借りし、心より御礼を伝えたいと思います。
今回の企画で、頑張っている人が温かく応援してもらえる瞬間を、沢山見ることができました。
自分自身も有難いことに、多くの方に応援して頂きました。
頑張っている人が正当に応援され、それを見て刺激を受け、頑張る人がまた増えていくようになれば、素晴らしいことだと思います。
自分もまだまだ頑張っていこうと思います。
『俺たちは負けない』