FMS TOKYO SUMMIT 2022 に参加して
こんにちは!
10月28日から3日間。
■ FCS セミナー(28日)
■ FMS TOKYO Summit(29日・30日)
に参加して参りました!
サミットを通して、FMS 創始者たちの想いを、彼らから直接お聴きできたことを、心から嬉しく感じました。
個人的に印象的だったことを note としてまとめさせていただきます。
私が感じたコアメッセージ
今回のサミットを通して、私が感じた、FMS 創始者たちからの1番のメッセージは、
ということです。
各講師の講義、また質疑応答の時間でのやり取りを通して、この部分が強調されていることを強く感じました。
この概念は、アスリートだけでなくヘルスケア、ウェルネス業界で大変重要になると思っています。
私自身、SOP:標準操作手順 としての一貫した評価により、一定のアウトカム(成果)を出すことのできる FMS社の評価システムは非常に有用なものだと感じておりました。
だからこそ、これまで疑問に感じてしまっていたことがあります。
実際のFMS講習会では、(これは致し方ないのですが)コレクティブエクササイズがその評価結果の解決策として紹介されますが、
そもそもFMSは、エクササイズプログラミングのための評価ではないこと。
エクササイズでは解決できないこともよく出てくること。
という点が、これらを学ぶ前に押さえておかなければいけない根本的な課題なのではないか?ということです。
私自身、より包括的に FMS というものを捉えていくことで、1人でも多くの方の ヘルス、ウェルネス、パフォーマンスアップに貢献できるのではないかということを、FMS と出会った2020年の9月から、ずっと考えていました。
例えば、FMS の評価結果をみて、
「股関節の可動性がこうだから、Hip Mobility Exercise だ!」
というだけではなく、評価の際にその方がその時どんな感情でいたか? 自律神経の状態はどうだったのか? 緊張していたのか?リラックスしていたのか? などということが考えられても良いと思っていました。
今回のサミットではまさにその核心に迫る内容が網羅されており、Gray や Lee をはじめとした創始者たちが考える Holistic Approach(包括的アプローチ) の概念を、自分達の施設、そして地域で実現させていきたいと強く思うことができました。
本質的な視点を忘れないこと
私もいくつか Q&A タイムでご質問させていただきましたが、弊社での介護予防事業 での FMS の活用(実態)をお伝えし、介入の方法や実例について伺った際には、Gray の口から、
という言葉をいただきました。
例えば、床から立ち上がる動きだったり、(幅は広くてもいいから)ビームの上を歩いてもらったり、、、、
近年注目されている MovNat などに代表されるナチュラルムーブメント(トップダウンなアプローチとしての)とでいいましょうか。
まさに、Mobility, Motor Control Exercise 云々ではなく、
「それらが必要になる環境を整え、そこにタスクを与えなさい。」
という Gray の言葉は、運動学習理論、運動制御理論好きの私としては、メラメラと心の炎が燃え上がるような感覚になったことを忘れません。
「思考の枠」の罠に陥っていないか?
私たちは、「思考の枠」(無意識に持ってしまっている先入観や固定観念)の罠に陥りがちだということをここ最近、毎日のように感じています。
■ こうあるべきだ。
■ こうでなければならない。
■ これはこういうものだ。
しかしながら、そのような「思考の枠」が分厚く強固なものであればあるほど、革新的なプロダクトやサービスは生まれてこないと考えています。
Innovation が生まれないということです。
今回のサミットで、Greg に、スポーツスキルコーチとの連携・コミュニケーションについて質問した際にも、
という言葉をいただき、ハッとさせられました。
■ 私たちが診なければいけない。
■ 私たちがやらなければいけない。
そんな思考の枠にズッポリはまっていた自分に気づくことができました。
本当にチームを良くしたいのであれば、本当に選手の笑顔を見たいのであれば、そんな発想があったっていい。そう思わせてくれた(思考の枠を取っ払ってくれた)Greg に心から感謝しています。
包括的なアプローチの話にしても、コーチとのコミュニケーションの話にしても、
私が頭の中で勝手に思ってしまっていたことをいい意味で取っ払ってくれたとても良い時間となりました。
変化の激しい時代の中で。
我々ヒトは、複雑系生命システムの中で動的に生きていく生き物です。
ある一つの要素だけで、その人のパフォーマンスを決めることはできません。
ある一つの要素だけで、その人のヘルスケアを確立させることはできません。
1つのことに特化して、完璧にサポートできることよりも(もちろんそれも必要ですが)、より包括的・多面的にアプローチできる体制を整えていくことで、1人でも多くの方に “Performance Up” の体験を届けられるのではないかなと感じました。
私たちは動的な生き物であるからこそ、
私たちの動き “Movement” を診ることで、その方が発している何らかのシグナルをキャッチする。
そしてそのシグナルは何によって起きているかを、包括的な視点で見ようとすることで、これまでは考えもつかなかったアプローチ法が見えてくるのではないかなと思いました。
変化の激しい時代を生きる私たちだからこそ、思考の枠のようなものに囚われてはいけない。ある日突然、思いもよらなかった変化が起きるかもしれないのだから。
Linear Process から、 Chaos Process へ。
2日目の終了後には、ご縁ありまして同じ業界でお仕事されている方と夕食の時間をご一緒させていただきました。
お話の中で、“いつ何が起こるかわからない時代” に来ているということを改めて感じました。
もし、仮想現実がノーマルで、現実世界がアブノーマルな時代が来たら?
もし、人々が家から一歩も出なくても幸せに生きていけるようになったら?
私たちが提供できる、”Performance Up” の体験、
“機能や性能だけではなく、感情、情緒の部分がより良い状態になること” を、どのように届けていくのか?
人が感じる “幸せ” とは、一体何なのか?
笑顔と感動で社会を満たすために私たちにできることは?
かなりの “Big Why?” な話になりましたが、そんなことを考えて、この10月末の3日間の幕を閉じたいと思います。
おわりに
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
このような素晴らしいサミットを開催してくださった Functional の上松さん
そしてアメリカから私たちのためにいらしてくださった講師の方々に心から感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。