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David Bowie-All the young dudes-和訳独自解説

1974年2月に『ローリング・ストーン』誌に掲載されたウィリアム・バロウズとの対談において、デヴィッド・ボウイは『ジギー・スターダスト』について詳細に自己解説している。
この対談では、40のシーンからなる演劇的パフォーマンスの構想が語られ、地球の終焉が迫る中で、ロックンロール・バンドのメンバーであるジギーが宇宙の「無限者たち」からのメッセージを受け取る様子が描かれている。
ジギーはスターマンの到来を歌うよう命じられ、無限者たちは彼を引き裂くことで自らの存在を具現化しようとする。この中で、無限者たちがジギーに「ニュースを集めて歌え」と命じる点が特に注目される。ボウイは「All the young dudes-すべての若き野郎ども」との歌がこのニュースに関わり、若さの賛美ではなく、むしろ逆の意味を持つことを強調している。


Lyrics-歌詞(日本語訳)

Billy rapped all night 'bout his suicide
How he'd kick it in the head when he was 25
Don't wanna stay alive when you're 25

ビリーは一晩中 自殺のことばかり話してた
25歳でどうやってくたばってやるかと
生きていたくはないさ 25 にもなれば

Wendy's stealing clothes from unlocked cars
Freddy's got spots from ripping off stars from his face
Funky little boat race

ウェンディは鍵のかかってない車から
 服を盗む
フレディの顔は星を引っぱがして
 アザだらけ
ステキに無様なツラさ

The television man is crazy
Saying we're juvenile delinquent wrecks
Man I need a TV when I've got T. Rex
Hey brother you guessed
I'm a dude

テレビの男は頭がおかしいぜ
オレたちが非行に走る
 荒んだ若者だとかなんとか
畜生 Tレックス見るにはテレビが要るしなあ
なあ ブラザー わかるだろう
オレも仲間さ

All the young dudes
Carry the news
Boogaloo dudes
Carry the news

すべての若き野郎ども
ニュースはなんだい
ブーガルー野郎たち
ニュースを伝えろ

Now Jimmy looking sweet
though he dresses like a queen
He can kick like a mule
It's a real mean team
We can love
Oh we can love

ジミーはイカして見えたよ
クイーンみたいにめかしてたけど
タチの悪いラバみたいに蹴りを飛ばして
全く手に負えない連中ども
オレたちには愛がある
オレたちには愛があるんだ

And my brother's back at home
With his Beatles and his Stones
We never got it off on that revolution stuff
What a drag
Too many snags

兄貴が家に帰ってきた
ビートルズとストーンズに入れ込んでてき
オレたち そんな革命モノはまっぴら御免
まったく退屈なんだよ
うざったいことばかり

Well I drunk a lot of wine
And I'm feeling fine
Gonna race some cat to bedIs this concrete all around
Or is it in my head
Oh brother you guessed
I'm a dude

さあ しこたまワインを飲んで
気分も良くなった
どいつが捕まえてベッドへしけ込むか
これって一体 現実なのかい
それともオレの頭が変なのか
なあ ブラザー わかるだろう
オレも仲間さ

All the young dudes
Carry the news
Boogaloo dudes
Carry the news

すべての若き野郎ども
ニュースはなんだい
ブーガルー野郎たち
ニュースを伝えろ

解説

「すべての若き野郎ども」はボウイがファンだったバンド「モット・ザ・フープル」のために書かれた曲であり、そのコーラスは「ニュースを伝えろ」と歌っている。このニュースは地球の終わりや”スターマン”の到来を告げるものであり、ボウイはこの曲を通じて若者に新たなメッセージを伝えようとしている。曲の冒頭では自殺について語られ、若者の苦悩が表現されており、これは年齢や世代の違いを意識させるものである。ボウイ自身の解説によれば、ジギーが伝えるべきニュースとは、彼自身の経験に基づくものであり、『ジギー・スターダスト』というアルバムの出現を広めるためのアジテーションだったのではないかと示唆されている。 ボウイは、モット・ザ・フープルのイアン・ハンターを巧みに操り、このメッセージを「すべての若き野郎ども」へと伝えさせることで、ジギー・スターダストの存在を効果的に宣伝する戦略を取った。ボウイのこのアプローチは、ただの若さの賛美ではなく、若者たちに新しい何かを伝えることに重きを置いている。このように、ボウイの作品は世代間の対比や幻滅感を反映しつつ、若者たちに変化を促すメッセージを込めている。

「cat」という表現は「Starman」や「Ziggy Stardust」にも登場し、ストリート用語として「男」や「奴」を指すことがある。この曲には、ゲイ賛歌の要素が強く含まれており、「We can love」の部分と合わせてそのニュアンスが強調されている。さらに、「伝えろ」とされている「ニュース」は「Five Years」に登場する地球滅亡のニュースを指し、実はこの曲は「ジギー」コンセプトに沿ったものであり、若者賛歌として意図されたわけではないという意外な事実が73年にボウイから語られている。モット・ザ・フープルのカバーは72年に録音され、シングルとして全3位を記録したが、ボウイ自身のバージョンは「ALADDIN SANE」セッション時に録音されたものの、95年まで未発表のままであった。

最後にYoutubeに
[和訳]All the young dude-David Bowie+Mick Ronson+Queen+Ian Hunter
こんなものをアップしてみたのでぜひみてください。

BamBron Sota
バンブロン・ソータ
Instagram:@bambron_ch_ch_changes


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