【商と剰余】わりざんの基本
この記事では、わりざんの基本的な内容をざっくりと紹介します。
内容はあまり面白くないかもしれません。ただ、今後の記事を投稿する上で紹介しておかないといけないので、今回取り上げます。
紹介したい内容は次の通りです。
わりざんで登場する商と剰余(=余りのこと)が一意的に存在する。
つまり、わりざんをしたときに、商や余りが2通りになったりはしないということです。必ず存在し、必ず一通りに決まるのです。
7÷2というわり算であれば、以下のように表すことができます。
7 = 3×2 + 1
太字の3が商、1が剰余となります。
一意性が意味することとしては、これが
商が2、剰余が3
みたいな他のケースは絶対存在しないということです。そもそも、余りが3だと上の定義の「0≦r<b」を満たしませんね。
(0≦3<2となってしまうから)
まあ、当たり前といえば当たり前な内容なんですが、この事実はしっかり押さえておきたいところです。証明は省略します。
基本的な内容は以上です。今回紹介したa, b, q, rによる式は、今後紹介予定のユークリッドの互除法にたくさん登場しますので、覚えていただけたらと思います。
それ以外の内容については、以下の★補足★をご覧ください。とても大事というわけでもないので、興味のある方のみ読んでいただければと思います。
素数はいつも、あなたのそばに。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
★補足★
わりざんは普通、正の数同士で行うことが多いですね。しかし、負の数が登場する場合もあるので、少しだけ取り上げておきます。
★−29÷5の場合
商と剰余はいくつでしょうか?
正の数の場合に吊られて、
−29 = (−5)×5 − 4
と表し、『商は−5、剰余は−4』としてはいけません。これだと、0≦−4<5となって不等号が成り立っていません。
正しくは、以下のように表します。
−29 = (−6)×5 + 1
このとき、商は−6、剰余は1となります。
(これなら、0≦1<5となって不等号が成り立っています)
また、割る数(定義で言うとbのこと)が負の数になる場合もあります。その場合は、以下のようなq, rを考えます。
rの条件で、bの絶対値を取っているところが今までと違う点ですね。
★125÷(−7)の場合
125 = (−17)×(−7) + 6 (0≦6<|−7|)
商は−17、剰余は6
★(−37)÷(−6)の場合
−37 = 7 × (−6) + 5 (0≦5<|−6|)
商は7、剰余は5
さらに
今まで剰余の範囲を「0≦r<b」としていましたが、以下のような範囲に設定することもあるようです。
このときの剰余rを絶対値最小剰余(絶対最小剰余)と言います。剰余の範囲を、絶対値が小さくなるように変更しているのです。
まあここで書いた内容は知らなきゃいけないというわけでもないので、「こんなものがあるんだ〜」程度で大丈夫です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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