【階乗×素数】素数階乗素数を知ろう
昨日、階乗素数について書きました。
今回は、階乗素数の上にさらに「素数」がついた「素数階乗素数」について書きます。
なんで「素数」「階乗」「素数」なんだ…?
と思うかもしれませんが、正確な分け方は「素数階乗」「素数」。つまり、素数階乗を用いた素数なのです。
そこでまずは「素数階乗」について紹介しましょう。
pを2以上の整数としたとき、pの「素数階乗」は
p#
と表します。「#」は「ナンバー」という記号です。♯(シャープ)とは少し違いますね。
話を戻して、これから意味を説明していきます。
pの素数階乗とは
p以下のすべての素数のかけ算のこと
(ただしpは2以上の整数)
具体例を挙げます。
4の素数階乗は何かというと、4以下で素数になる数は2, 3があるため、
4# = 3×2 = 6
です。5の素数階乗は、5以下の素数が「2, 3, 5」なので、
5# = 5×3×2 = 30
となります。最初の方の素数階乗を列挙しておきます。具体例を通して理解してみてください。
2# = 2
3# = 3×2 = 6
4# = 3×2 = 6
5# = 5×3×2 = 30
6# = 5×3×2 = 30
7# = 7×5×3×2 = 210
8# = 7×5×3×2 = 210
9# = 7×5×3×2 = 210
10# = 7×5×3×2 = 210
11# = 11×7×5×3×2 = 2310
普通の「階乗」と違って、違う数の素数階乗同士が同じ数になることがあります。素数が飛び飛びで存在しているためです。
さて、ここまで素数階乗について説明したので、ここからは本題の「素数階乗素数」について説明していきます。階乗素数と形は似ていますね。
素数階乗素数とは
p# ± 1
と表される素数のこと
(ただしpは2以上の整数)
こちらも±の両方があるので、一つずつ具体例を見ていきます。尚、それぞれの数には特有の名前もあるので、そちらも合わせてご紹介します。
p# + 1
素数に限らず、この形の数のことをユークリッド数(Euclid number)と言います。素数が無数に存在することの証明に使用したことから、このような名前になっているそうです。
具体例はこちら。
3 = 2# + 1 = 2 + 1
7 = 3# + 1 = 6 + 1
31 = 5# + 1 = 30 + 1
211 = 7# + 1 = 210 + 1
2311 = 11# + 1 = 2310 + 1
p# − 1
素数に限らず、この形の数のことをクンマー数(Kummer number)と言います。クンマーがユークリッドの定理(素数が無数に存在することを「ユークリッドの定理」と呼ぶらしい)を証明するのに用いたという由来があるそうです。第二ユークリッド数とも呼ばれています。
具体例はこちら。
5 = 3# − 1 = 6 − 1
29 = 5# − 1 = 30 − 1
2309 = 11# − 1 = 2310 − 1
30029 = 13# − 1 = 30030 − 1
階乗素数と同様、小さい素数階乗素数はそんなに多くありません。これで素数が作れるというのが面白いなと思いますね。
ちなみに、素数階乗素数が無数にあるのかはわかっていません。
いかがでしたか?
「素数階乗素数」について普段考える方は少ないと思います。せめて、小さい数だけでも覚えて帰ってください。
【p# + 1型】
3 = 2# + 1 = 2 + 1
7 = 3# + 1 = 6 + 1
31 = 5# + 1 = 30 + 1
211 = 7# + 1 = 210 + 1
2311 = 11# + 1 = 2310 + 1
【p# − 1型】
5 = 3# − 1 = 6 − 1
29 = 5# − 1 = 30 − 1
2309 = 11# − 1 = 2310 − 1
3, 5, 7は、「階乗素数」でありかつ「素数階乗素数」でもあるんですね。一桁の素数には、たくさんの「〇〇素数」という名前があるようです。
階乗素数については、こちらの記事で解説しています↓↓↓
階乗素数を知ろう
この記事を通して、「階乗」と「素数」について興味を持ってくださる方が増えてくれたら嬉しいです。
素数はいつも、あなたのそばに。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。