2乗−2乗が素因数分解に役に立つ!
タイトルの画像にある因数分解の公式…
僕は中学3年生のときに学びました。
a^2 − b^2 = (a+b)(a−b)
(^2 は「2乗」を表しています)
通称:2乗−2乗 (にじょうまいなすにじょう)
とか、「和と差の積」なんて言われていますよね。皆さんは覚えていますか?
数学が嫌いだった方は、
「どうしてこんな公式覚えなきゃいけないんだよ」
と思ったかもしれません。そもそも何の役に立つのか疑問だったのではないでしょうか…?
はっきり言って、日常生活では使うことはないので役に立ちません。
しかし!
素因数分解においては役に立つ場合があるんです!
中学生のころにせっかく習った公式ですので、この際役に立たせましょう…!
今回は2乗−2乗を使った素因数分解法を説明します。
以前、「ファミレス数と呼ぶのはどうでしょう?」という記事の中で
899
という数字を紹介しました。
この数の素因数分解、わかりますか?
知っている方であれば、次のように素因数分解できます。
899=29×31
「知らねーよ!」
とツッコミを食らいそうですが、仕方ありません。
ただ、
この数字の場合は「2乗−2乗」がうまく使えます。
899 は
900 − 1
と表せますよね。
ここで、900が30の2乗、1が1の2乗であることを利用すると、次のように変形できます!
900 − 1
= 30^2 − 1^2
= (30+1)(30−1)
= 31 × 29
1が1の2乗であることはすぐにわかります。あとはもう片方の数字を2乗で表すことができればいいのです!
他にも、以下の例なら2乗−2乗が使えそうです。
練習問題としてやってみましょう。③はちょっと難しい…?
①399
②3599
③221
それぞれ、以下のように素因数分解できます。
合っているか確かめてみましょう。
①399
= 400 − 1
= 20^2 − 1^2
= (20+1)(20−1)
= 21 × 19
= 3 × 7 × 19 ←21をさらに分解することに注意!
②3599
= 3600 − 1
= 60^2 − 1^2
= (60+1)(60−1)
= 61 × 59
③221 (これは15の2乗を知っていればできます)
= 225 − 4
= 15^2 − 2^2
= (15+2)(15−2)
= 17 × 13
できましたか?
とはいえ、必ずしもこの方法が使えるわけではないのでご注意ください。
2乗−2乗の形に変形できないと、素因数分解できないですからね。
使えるときに使いましょう。
また、使う必要がないときは使わなくていいです。
例えば、399は明らかに3の倍数ですから、
399=3×133
と分解してから、133を分解してもいいのです。
使わなきゃいけない、っていうわけではないので、この方法にこだわる必要はありません。
あくまでも、素因数分解をするための一つの手段です。
とはいえ便利なので、覚えておいて損はありません。
いかがでしたか?
「2乗−2乗」の公式が、実は素因数分解で役に立つことがあることをおわかりいただけたでしょうか?
この記事を読んで、少しでも素因数分解に興味を持っていただけたら嬉しいです!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。