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【問題】1つの内角がちょうど『素数度』になる正多角形は存在するか?

数学で図形を習うとき、内角外角というものを学んだことがあると思います。

外角に関しては、凹んでいない多角形であればすべて360°になりますね。
(星型『★』のようなものは除く)

今回は正多角形の内角について考えていきます。

例えば、正三角形の1つの内角は何度でしょう?

このとき使用する公式は、以下のようなものでしたね。

正三角形の場合、n=3を代入すると

{180×(3−2)}/3 = 60

となり、1つの内角は60°であることがわかります。

正四角形の場合、n=4を代入すると

{180×(4−2)}/4 = 90

よって、1つの内角は90°です。

正五角形なら、

{180×(5−2)}/5 = 108

より、1つの内角は108°ですね。それ以降については、各自で計算してみましょう。


さて、数字大好き人間の筆者は、とある疑問を持ちました。

1つの内角がちょうど『素数度』になるような正多角形は、存在するのだろうか?

計算式は省略しますが、正七角形の1つの内角は、約128.57°ほど。割り切れないので、厳密にはそれ以降も小数点が続きます。

辺がたくさん増えてくると(nが大きくなると)、正多角形の1つの内角は必ずしも整数度にはなりません。

正七角形以降の1つの内角を表にすると、以下の通りです。

辺が増えると当然、1つの内角の角度は少しずつ大きくなっていきます。

表を見ると、内角がちょうど『整数度』になる正多角形はポツポツとありますね。そして、整数度のものを見てみると、偶数度が多いようです。
(整数度→小数点が付かない角度のことを指します)

これだと、ちょうど素数度になるような正多角形は無さそうだろうな…。

そんなことを最初思っていたのですが…。


1つだけ、ありました!

1つの内角が素数度になる正多角形が…!


皆さんも、考えてみてください…!


以下から説明しますので、考えたい方はスクロールしないでください


↓↓↓


↓↓↓


さて、これから解説していきますよ。

まずは正解から発表します。

1つの内角が素数度になる正多角形は…


『正三百六十角形』

です!

漢数字が多いとわかりにくいので、『正360角形』と書くことにしましょう。

内角を計算してみると、

{180×(360−2)}/360
= (180×358)/360
= (180×179)/180 (約分!)
= 179

179は素数です!

つまり、正360角形の1つの内角は179°と『素数度』になることがわかりました。


さて、なぜ筆者がこのことに気がついたかというと…ここからは別の方法で1つの内角を求めてみましょう。

先程ちょろっと書きましたが、正多角形の外角の和は、すべて360°になります。これを利用することで、1つの内角を求めることもできるのです。

例えば、正三角形の場合、

1つの外角の角度は

360/3 = 120°

です。よって、1つの内角は

180−120 = 60° となります。
(内角+外角=180°になることに注意!)

同じように、

360/4 = 90
360/5 = 72
360/6 = 60

とわり算することで、1つの内角は以下のように計算できます。4, 5, 6が、360を割り切っていますね。

正四角形→180−90=90°
正五角形→180−72=108°
正六角形→180−60=120°

こっちの方が、内角を求める計算として簡単でしょうか…?🤔

ポイントとしては、

正n角形のnが360を割り切っている

ということですね。つまり、

nが360の約数であれば、1つの外角、そして1つの内角は整数度になるのです。

さて、

正多角形の1つの内角を素数度にするために、「180」から「360の約数」を引いてみましょう。

180−1=179
180−2=178
180−3=177
180−4=176
180−5=175
180−6=174
180−8=172
180−10=170
180−12=168
180−15=165

(引き算で登場している1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 10, 12, 15は、すべて360の約数です)

これを繰り返すとわかりますが、素数になるケースは、

180−1=179

だけしかありません。つまり、1つの外角が1°になるときですね。

よって、

360/1=360

となるので、正360角形の内角の和が179°になります。

先程の方法を遡ることで、求めることができましたね。


【確認】
正360角形の1つの外角
→ 360/360 = 1°
→ 1つの内角は 180−1 = 179°

今回の考察からわかったことは、

正n角形の1つの内角が整数度になる
⇔ nが360の約数である

360=2^3×3^2×5

と素因数分解できる通り、360にはたくさんの約数があります。そのため、1つの内角が整数度になる正多角形もたくさんあるのです。

個数としては、360の約数が4×3×2=24個。そこから1と2を除いた22が、1つの内角が整数度になる正多角形の個数です。意外とありますね!

(とはいっても、全体の割合的には多くないですけどね…)


ということで、今回は『内角が素数度の正多角形』について考えてみました。

素数に関するnoteを書いていなかったら、筆者もこの発見は思いつきませんでしたね。楽しい考察ができたので、個人的には満足です。

興味がある方は、1つの内角が整数度になる正多角形をすべて求めて見てください!

素数はいつも、あなたのそばに。
Let's enjoy SOSU !

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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