プラド美術館展 / ベラスケスと絵画の栄光
音声ガイドの及川光博さんの声に導かれながら、楽しく回りましたプラド美術館展。
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スペインの画家と言えばダリやピカソが挙げられますが、国民的画家と言えばディエゴ・ベラスケスの他には存在しません。その重要性から彼の作品の貸出を厳しく制限されている中、今回はそのうちの大作7点が持ち出されている大変貴重な機会でした。
被写体となるモデルが如何なる社会的身分であれど個々の個性と向き合い人間性までをも描いた画家の中の画家。また彼の技法は印象派の先駆けと言われてるのですが、丹念に忠実に描かれている部分とぐしゃぐしゃとラフに描かれている部分があります。しかしそのラフに描かれている部分は離れて見ると1つのしっかりとした模様となっているのです。まるで絵画の魔術師。彼の計算し尽くされた技法に圧巻されました。(ここまでは及川光博さんの特別動画をまとめました。とても面白いので是非ご覧ください♡)あとは光と陰のコントラストであったり、絵画にも計算ってつきものなんですよね。
と、これほどベラスケスについて語りながらも投稿写真はヤン・ブリューゲル(父)の【視覚と嗅覚】
この作品、一目惚れでした。
絵の中に飾られている絵画や無造作に置かれている物品の緻密な描かれ様。視覚と嗅覚というタイトルから様々なことを想像させます。花を香る女性がいますが、これだけの絵画に囲まれていたらきっと油絵の具の香りもするでしょうし、森林やお日さまの香りもするでしょう。また視覚に関しては贅沢すぎる程の絵画に煌びやかなアクセサリー、如何にもブリューゲルが描きそうな花々、そして光の差し込みにより見える陰と陽。
五感を通して想像を巡らせたら今すぐにでも絵の中に入ってしまいたい衝動に駆られるのです。とても華やかな作品でした。ブリューゲル展に行けなかったのがかなり心残りなんですよねぇ(´・_・`)