分割版｜R03【0904建設部門-河川、砂防及び海岸・海洋】選択問題Ⅱ-2-2海岸・海洋『解答論文例』- 技術士第二次試験 -

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🔶R03_II-2-2｜過去問題

　近年、発生している大規模な水害・土砂災害を踏まえると、そのリスクを関係機関や住民と共有し、生命・財産を守る取組につなげることが重要である。このため、洪水、高潮、土砂災害の被害を受ける区域をあらかじめ想定しておくことが不可欠である。あなたが、気象を要因とする洪水、高潮、土砂災害の被害想定区域の設定に関する調査・検討の業務を担当することとなった場合、河川、砂防及び海岸・海洋のいずれかの分野を対象として、以下の問いに答えよ。
（１）業務着手に当たって収集・整理すべき資料や情報について述べよ。併せて、それらの目的や内容を説明せよ。
（２）業務を進める手順について述べよ。併せて、それらに関し、留意すべき点や工夫を要する点について説明せよ。
（３）業務の成果が効率的・効果的に活用されるための関係者との調整内容について述べよ。

「日本技術士会」HP

🔶R03_II-2-2｜骨子案３（海岸・海洋）

（１）高潮被害想定に必要な資料及び情報
　1. 過去の高潮被害記録
　　・目的：過去の被災状況の把握
　　・内容：浸水範囲や被害規模
　2. 気象・海象データ
　　・目的：高潮の外力条件の設定
　　・内容：潮位、波浪、気圧、風速等の観測記録
　3. 地形・地盤データ
　　・目的：浸水シミュレーションの精度向上
　　・内容：海底地形、海岸線形状、地盤高等
　4. 海岸保全施設の諸元
　　・目的は現状の防護能力の把握
　　・内容は堤防・護岸等の位置、構造、高さ等
　5. 土地利用・人口統計
　　・目的：被害想定の詳細化
　　・内容：建物用途、人口分布、地下空間情報等
　6. 関連計画・法規制
　　・目的：上位計画との整合性確保
　　・内容：海岸保全基本計画、都市計画等
（２）高潮被害想定業務の実施手順及び留意点・工夫点
　〇実施手順
　　1. 想定する台風の設定
　　2. 高潮浸水シミュレーション
　　3. 被害想定の実施
　　4. 想定結果の検証
　　5. 被害想定区域の設定
　〇留意点
　　・気候変動の影響を考慮し、将来的な海面上昇や台風の強大化を反映
　〇工夫点
　　・不確実性を考慮した複数のシナリオ設定や地域特性を反映した
　　　詳細な被害想定
（３）関係者との効率的・効果的な調整内容
　　1. 地方自治体
　　　・浸水想定区域図の作成・公表や、
　　　　地域防災計画への反映方法について協議
　　2. 住民・企業
　　　・説明会等を通じて、
　　　　被害想定の内容や避難の重要性について理解を促進
　　3. 防災関係機関
　　　・警察、消防、自衛隊等と連携し、災害時の対応計画の策定・改善
　　4. ライフライン事業者
　　　・電力、通信、水道等の関連施設の防護対策について検討
　　5. 学識経験者
　　　・被害想定の妥当性や活用方法について、
　　　　専門的見地からの助言を取得

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🔶R03_II-2-2「解答論文例３（海岸・海洋）」【有料】