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問題Ⅱ-2の対策法:建設部門「河川、砂防及び海岸・海洋」~技術士第二次試験~


★ 過去問解答例のお知らせ(有料記事)




技術士第二次試験「選択問題Ⅱ-2」の対策法について、建設部門の「河川、砂防及び海岸・海洋」科目を対象として以下に私見を述べます。

【1】 注意事項

・100点の答えにはなりません
・60点を目指すヒントとして捉えてください
★あくまでも、自力で考えることを忘れないでください。


【2】 問題Ⅱ-2の過去問題

 「日本技術士会」HPに公表されていますので、上記リンクより参照してください。

【3】 過去問題の傾向の整理

3.1 過去問題の「テーマ」(△△△を○○○する or させる)

 過去問題の「テーマ」(△△△を○○○する or させる)は、非常に多岐にわたっている。H25年~R05年の問題Ⅱ-2の各テーマを以下に記載する。なお、R01年の試験制度改正前後で各問題のテーマの整理を区分する。

 3.1.1 H25~H30年(試験制度改正前)

1)H25(2013):Ⅱ-2-1
 
河川、 砂防、 海岸における災害に対応するため 「ハザードマップ」の作成・ 公表が進められている。
 この背景を踏まえ、「あなたが担当者としてハザードマップの作成・普及を進める」。なお、河川、砂防及び海岸・海洋のいずれかの分野を対象とする。

2)H25(2013):Ⅱ-2-2
 
高度経済成長期に集中的に整備されてきた我が国の社会基盤は、今後急速に老朽化が進行すると想定される。
 このような状況において、「防災施設の維持管理を行う」。なお、河川、砂防及び海岸・海洋のいずれかの分野を対象とする。

3)H26(2014):Ⅱ-2-1
 
公共事業として実施する河川、砂防及び海岸・海洋分野における施設整備では、防災安全度の確保のみならず、美しく自然豊かな国土の形成のため自然環境への配慮が求められる。
 そういった状況を考慮し、「施設整備において、影響を受ける自然環境の保全・回復・創出の観点に留意した計画・設計・施工の検討を行う」。なお、河川、砂防及び海岸・海洋のいずれかの分野を対象とする。

4)H26(2014):Ⅱ-2-2
 近年、南海トラフ地震等の巨大地震に備えて、「南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法」等の法整備や、具体的な対策の策定等が進められている。南海トラフ地震等の巨大地震が発生した際には、強い揺れ、液状化・地盤沈下、巨大な津波等の発生による被害が想定される。
 そこで、「南海トラフ地震等の巨大地震の発生により想定される被害を被害を軽減するため、平常時から準備しておくべき対策を検討する」。なお、河川、砂防及び海岸・海洋分野を対象とする。

5)H27(2015):Ⅱ-2-1
 
河川、砂防及び海岸・海洋の分野において、今後、激甚化、多発が懸念される自然災害に対して被害の最小化が求められる。
 このことを踏まえ、「河川、砂防及び海岸・海洋分野における災害現象である洪水、 土砂災害、津波、高潮から1つ取り上げ、その現象に対する警戒避難、応急・緊急対策などの防災活動を円滑に行うため、現在、自治体や管理者、気象官署から提供されている平時及び災害時の防災情報を1つずつ挙げ、さらに、これらの防災情報の作成・提供を行う」。なお、防災情報とは、災害被害を最小化することを目的に提供される情報とする。

6)H27(2015):Ⅱ-2-2
 
河川、砂防及び海岸において災害復旧事業を実施するに当たって、事業者として環境への配慮が求められている。
 そうした状況を考慮し、「河川、砂防、海岸のうちいずれかを選び、 災害復旧事業の実施において、環境へ配慮した設計、及び施工・施工後の管理を検討する」

7)H28(2016):Ⅱ-2-1
 
河川、砂防及び海岸・ 海洋のいずれかの分野において、「インフラ・ストック効果を期待した施設整備を計画する」

8)H28(2016):Ⅱ-2-2
 
我が国では、高度成長期以降に整備したインフラの老朽化が懸念され、今後、計画的に修繕、更新等を行いながらインフラの機能を維持していくことが求められる。
 この背景を踏まえ、「インフラの点検、健全度等評価、施設の修繕・更新等を計画的に行うための長寿命化計画を策定する」。なお、河川、砂防及び海岸・海洋分野を対象とする。

9)H29(2017):Ⅱ-2-1
 
近年、想定を上回る規模の災害の発生も見られる中、ハード対策に加えて被害想定範囲等を示したハザードマップを活用したソフト対策の重要性が増している。
 この背景を踏まえ、「被害想定区域の設定からハザードマップの作成、活用の促進を行う」。なお、河川、砂防及び海岸・海洋分野を対象とする。

10)H29(2017):Ⅱ-2-2
 
河川、砂防及び海岸・海洋の分野において、景観に配慮した防災施設の整備が求められる。
 この背景を踏まえ、 以下の問いに答えよ。「周辺を含めた景観を配慮した防災施設整備の検討を行う。ただし、整備の各段階(調査・計画段階、設計段階、施工段階)において通常検討すべき項目を押さえること」。なお、河川、砂防及び海岸・海洋分野を対象とする。

11)H30(2018):Ⅱ-2-1
 平成29年7月の九州北部豪雨での筑後川右岸流域での被害を受けて、「この豪雨災害の主な特徴と技術的な課題を押さえた対策を検討する」

12)H30(2018):Ⅱ-2-2
 
「総合土砂管理計画を策定する」。

 3.1.2 R01~R05年(試験制度改正後)

1)R01(2019):Ⅱ-2-1
 
近年、激甚な災害が各所で発生し大規模な災害復旧事業が進められているが、環境の保全に配慮しつつ災害に強い社会資本の整備が求められている。この背景を踏まえ、「あなたが環境に配慮した災害復旧工事の検討業務を行う」こととなった。なお、河川、砂防及び海岸・海洋のいずれかの分野を対象とする。

2)R01(2019):Ⅱ-2-2
 近年、大規模広域豪雨による洪水・土砂災害の発生や、大規模地震津波が想定されることを踏まえると、河川、砂防及び海岸 海洋の分野では、防災に配慮した地域づくりを進めていくことが求められる。この背景を踏まえ、「あなたが洪水、土砂災害、津波のいずれかの防災地域づくりの検討業務を行う」こととなった。

3)R02(2020):Ⅱ-2-1
 近年、毎年のように発生する大規模な水害 土砂災害において、 逃げ遅れによる犠牲者が数多く発生している状況を踏まえると、住民の適切な行動を促し避難の実効性を高めることが極めて重要となる。この背景を踏まえ、「あなたが台風襲来時の水害・土砂災害に対する市町村における警戒避難体制の整備にかかる業務を行う」こととなった。なお、河川、砂防及び海岸・海洋のいずれかの分野を対象とする。

4)R02(2020):Ⅱ-2-2
 近年、激甚な災害が各所で発生しているが、被災地の復旧に当たっては再度災害防止の取組が重要となる。この背景を踏まえ、「あなたが水害・土砂災害の被災地における再度災害防止対策に関するプロジェクトを企画・立案する」こととなった。なお、河川、砂防及び海岸 海洋のいずれかの分野を対象とする。

5)R03(2021):Ⅱ-2-1
 我が国のインフラは、その多くが高度経済成長期以降に整備されており、今後、建設から50年以上経過する施設の割合は加速度的に増加する見込みである。このため、国民の安全・安心や社会経済活動の基盤となるインフラの維持管理・更新を計画的に進めていく必要がある。この背景を踏まえ、「 あなたが施設の老朽化(長寿命化)対策に関する計画策定業務を行う」こととなった。なお、河川、砂防及び海岸・海洋のいずれかの分野を対象とする。

6)R03(2021):Ⅱ-2-2
 近年、発生している大規模な水害・土砂災害を踏まえると、そのリスクを関係機関や住民と共有し、 生命・財産を守る取組につなげることが重要である。 このため、洪水、高潮、土砂災害の被害を受ける区域をあらかじめ想定しておくことが不可欠である。この背景を踏まえ、「あなたが気象を要因とする洪水、 高潮、土砂災害の被害想定区域の設定に関する調査・検討業務の成果品活用を促す」こととなった。なお、河川、砂防及び海岸・海洋のいずれかの分野を対象とする。

7)R04(2022):Ⅱ-2-1
 地方のある中核都市を震源とする震度7の巨大地震が発生し(ただし、津波は発生しないものとする。)、広範囲にわたり河川、ダム、砂防又は海岸に関わる複数の防災施設に被害が発生した。この背景を踏まえ、「 あなたが、これらの防災施設の被災状況の把握や、応急措置を行う」こととなった。なお、解答に当たっては、河川、砂防又は海岸・海洋のうち選択した分野を最初に明記すること。

8)R04(2022):Ⅱ-2-2
 近年、集中豪雨や台風などによって激甚な災害が発生していることから、「水害・土砂災害を対象とした避難行動の学習」を目的とした住民講習会が開催されることとなった。 この背景を踏まえ、「あなたがこの講習会で『水害又は土砂災害から避難するための備えと避難の際の留意点』について講演する」こととなった。なお、 解答に当たっては河川、砂防又は海岸・海洋のうち選択した分野を最初に明記すること。

9)R05(2023):Ⅱ-2-1
 我が国では、山地から河川、 海岸に至る土砂移動に関する様々な課題が発生しており、砂防・ダム・河川・海岸の個別領域の問題として対策を行うだけではなく、関係者が連携して、対策に取り組むことが求められている。この背景を踏まえ、 「あなたが関係者が連携する総合的な土砂管理を進めるための計画策定を行う」こととなった。

10)R05(2023):Ⅱ-2-2
 
我が国では、毎年のように、水害や土砂災害等が発生し、甚大な人的被害や経済損失をもたらしている。こうした災害が発生した場合には、地域の1日も早い復興のために災害復旧を迅速に進めることが重要である。また、災害復旧を行う際は自然環境に配慮することが求められている。
 そこで、洪水や土砂災害、高潮によって自治体が管理する施設が被災した際に、河川、砂防、海岸·海洋のいずれかの分野を対象として、「あなたが被災した直後から災害復旧事業の申請・実施までに携わる」こととなった。
 なお、 被災施設は、河川分野では堤防又は護岸、砂防分野では護岸工又は渓流保全工、海岸・海洋分野では堤防又は護岸とし、自然環境に配慮した設計を検討するものとする。

 3.1.3 「テーマ」設定の有効性

 これらの「テーマ」(△△△を○○○する or させる)を参考に、「河川、砂防及び海岸・海洋」科目に関する各受験生の経験業務または最近のトピックを抽出することが、R06年以降の想定問題作成に有効と考える。

3.2 設問(1)の傾向・対策

 R01年以降、設問(1)~(3)の問題文は、部門・科目により違いがあるものの、おおむね統一されている。「河川、砂防及び海岸・海洋」科目のR01年以降の設問(1)では、年度及び問題番号によって多少異なるものの、以下の問題文でほぼ共通である。

★「テーマ」(△△△を○○○する or させる)を進めるに当たって、収集・整理すべき資料や情報について述べよ。併せて、それらの目的や内容について説明せよ。

 R06年以降の設問(1)は、上記問題文をベースとして出題されると考える。

3.3 設問(2)の傾向・対策

 R01以降、「河川、砂防及び海岸・海洋」科目の設問(2)は、年度及び問題番号によって多少異なるものの、以下の問題文でほぼ共通である。

★「テーマ」を進める手順について述べよ。併せて「テーマ」に関し、留意すべき点や工夫を要する点について説明せよ。

 R06年以降の設問(2)は、上記問題文をベースとして出題されると考える。

3.4 設問(3)の傾向・対策

 R01以降、「河川、砂防及び海岸・海洋」科目の設問(3)は、以下の問題文でほぼ共通である。

★「テーマ」をより効果的なものとするための関係者との調整内容について述べよ。

 R06年以降の設問(3)も、上記問題文で出題されると考える。

【4】 問題Ⅱ-2対策

 「河川、砂防及び海岸・海洋」科目の問題Ⅱ-2対策として、前述した内容を踏まえ、以下に示す3つのレベルに対応する想定問題を作成し、その問題への解答論文の作成を提案する。さらに、本対策では既技術士等に添削を受けることで、解答の質を上げられると考える。
 なお、各レベルの課題文{設問(1)より手前の問題文}は、受験生各自で設定してください。

4.1 レベル1

 「テーマ」(△△△を○○○する or させる)として、R01~R05年過去問題の課題文{3.1.2節 参照}のいずれかを選択し、以下の(1)~(3)の各設問に解答せよ。

(1)「テーマ」(△△△を○○○する or させる)を進めるに当たって、収集・整理すべき資料や情報について述べよ。併せて、それらの目的や内容について説明せよ。
(2)「テーマ」を進める手順について述べよ。併せて「テーマ」に関し、留意すべき点や工夫を要する点について説明せよ。
(3)「テーマ」をより効果的なものとするための関係者との調整内容について述べよ。

4.2 レベル2

 「テーマ」(△△△を○○○する or させる)として、H25~H30年過去問題の課題文{3.1.1節 参照}のいずれかを選択し、以下の(1)~(3)の各設問に解答せよ。

(1)「テーマ」(△△△を○○○する or させる)を進めるに当たって、収集・整理すべき資料や情報について述べよ。併せて、それらの目的や内容について説明せよ。
(2)「テーマ」を進める手順について述べよ。併せて「テーマ」に関し、留意すべき点や工夫を要する点について説明せよ。
(3)「テーマ」をより効果的なものとするための関係者との調整内容について述べよ。

4.3 レベル3

 「テーマ」(△△△を○○○する or させる)として、「河川、砂防及び海岸・海洋」科目に関する各受験生の経験業務または最近のトピックを1つ挙げ、以下の(1)~(3)の各設問に解答せよ。

(1)「テーマ」(△△△を○○○する or させる)を進めるに当たって、収集・整理すべき資料や情報について述べよ。併せて、それらの目的や内容について説明せよ。
(2)「テーマ」を進める手順について述べよ。併せて「テーマ」に関し、留意すべき点や工夫を要する点について説明せよ。
(3)「テーマ」をより効果的なものとするための関係者との調整内容について述べよ。

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