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R06【0901建設部門-土質及び基礎】問題Ⅱ-1-4『四人寄れば文殊の知恵』的な記事を書いてみた -技術士第二次試験-


■ 問題文

R06:Ⅱ-1-4
 地山を切土するに当たり、のり面安定上の問題点についてそれぞれ述べよ。また、切土のり面の安定対策工として、地山補強土工法の対策原理を踏まえた工法の概要と適用に際しての技術上の留意点について述べよ。

https://www.engineer.or.jp/c_categories/index02022229.html



■ 回答骨子

  1. 地山の切土におけるのり面安定上の問題点

  2. 地山補強土工法の概要

  3. 地山補強土工法の留意点


1. 地山の切土におけるのり面安定上の問題点

◇ 1人目

  • 切土におけるのり面の安定性に関する問題は、土壌の種類、含水比、地形、切土の深さなどの要因に影響を受ける。

  • これらの要因により、のり面の崩壊や地すべりが発生しやすくなる可能性がある。

  • 特に、粘性土や砂質土では、雨水の浸透による土の強度低下が問題となりやすい。

  • また、切土部における過剰な切削や不適切な排水計画は、のり面の不安定化を引き起こす原因となる。

◇ 2人目

  • 地山の切土における斜面安定上の主な問題点は、①地質構造、②地下水、③風化の影響である。

  • ①地質構造では、層理面や断層などの不連続面が斜面外に傾斜している場合、すべり面となりやすく不安定化する。

  • ②地下水は間隙水圧の上昇により有効応力を低下させ、せん断強度を減少させる。

  • ③風化による強度低下も斜面不安定化の要因となる。

◇ 3人目

 切土のり面の安定性に影響を与える主な問題点として、以下が挙げられる。

  • 地質構造:不連続面(層理面、節理、断層等)の存在や風化度の違いにより、すべり面が形成されやすい。

  • 地下水:間隙水圧の上昇によるせん断強度の低下や、浸透力による土粒子の流出が発生する。

  • 応力解放:掘削に伴う応力解放により、地山の緩みや変形が生じる。

  • 風化・浸食:降雨や凍結融解による表層の劣化が進行する。

◇ 4人目

 地山を切土する際に発生する主なのり面安定上の問題点は、以下の通りである。

  1. 表層崩壊:降雨による浸透水圧の上昇や、乾燥収縮によるひび割れなどが原因となり、表層部が崩壊する。

  2. 深層すべり:地山の弱面や不連続面を境に、深部がすべり移動する。

  3. 落石:風化や地震などにより、岩塊が落下する。

2. 地山補強土工法の概要

◇ 1人目

  • 前述の問題点に対する安定対策として、地山補強土工法が効果的である。

  • この工法の基本原理は、地山の内部に補強材を挿入し、地盤のせん断抵抗力を向上させることである。

  • 具体的には、アンカーや土中のジオグリッドを設置することで、のり面全体の安定性を高める。

  • この際、適切な補強材の選定と設置位置が重要であり、補強材が地盤に対して十分な摩擦力を発揮できるかを考慮する必要がある。

◇ 2人目

  • 地山補強土工法は、前述の問題に対処する効果的な安定対策工法である。

  • この工法は、地山内に補強材を挿入し、地山と一体化させることで斜面全体の安定性を向上させる原理に基づいている。

  • 具体的には、鋼管やFRP棒などの補強材を地山に打設し、グラウト注入により地山と密着させる。

  • これにより、地山内にせん断抵抗力が付加され、すべり面の形成が抑制される。

◇ 3人目

 地山補強土工法は、のり面内部に補強材を打設し、地山と一体化させることで全体的な安定性を向上させる工法である。

【対策原理】

  • 補強材による引張り補強効果

  • 地山と補強材の摩擦による一体化

  • のり面表層の保護・安定化

【工法の概要】

  • 補強材(鋼材やFRP等)を地山に打設

  • グラウト注入による補強材と地山の一体化

  • 表面処理(吹付けコンクリート等)による保護

◇ 4人目

 地山補強土工法は、地山中に補強材を挿入し、地山全体を一体化することで、のり面の支持力を増大させ、安定性を高める工法である。

対策原理

補強材は、引張力に対して非常に強く、地山がすべり動こうとする力を分散させ、抵抗力を増大させる。これにより、のり面の安定性を確保する。

工法の概要

  • 地山補強材の選定:地山の強度や補強に必要な引張力に応じて、鋼板、ジオグリッド、ジオテキスタイルなどの補強材を選定する。

  • 補強材の配置:設計に基づき、補強材を地山中に所定の間隔で配置する。

  • 背面土の造成:補強材の背面に土を充填し、補強材と地山を一体化する。

3. 地山補強土工法の留意点

◇ 1人目

  • 技術的な留意点として、地質調査に基づいた詳細な設計が不可欠である

  • また、施工時には補強材の適切な緊張や、雨水の排水対策を同時に実施することで、長期的な安定性を確保できる。

◇ 2人目

  • 適用に際しての技術上の留意点として、以下が挙げらる。

  • まず、「地質条件の適切な把握」が不可欠である。ボーリング調査や物理探査により、地層構造や地下水位を正確に把握し、最適な補強材の配置を決定する必要がある。

  • 次に、「施工時の品質管理」が重要です。補強材の挿入角度や長さ、グラウトの充填状況を確実に管理し、設計通りの効果が得られるようにする。

  • また、「長期的な耐久性の確保」も重要な留意点である。補強材の腐食対策や、定期的な維持管理計画の立案が必要である。

  • さらに、「周辺環境への影響」を最小限に抑えるため、低振動・低騒音の施工機械の選定や、排水処理にも注意を払う必要がある。

  • これらの点に留意しつつ適切に設計・施工することで、地山補強土工法は切土斜面の安定性向上に大きく寄与し、安全で経済的な切土工事の実現に貢献する。

◇ 3人目

【適用時の技術的留意点】

  • 地質条件の適切な評価:ボーリング調査等による地質構造の把握

  • 補強材の適切な配置設計:すべり面を考慮した長さと間隔の決定

  • 排水対策の実施:地下水位低下のための水抜きボーリング等の併用

  • 施工品質の確保:確実な削孔・グラウト注入による一体化の実現

  • モニタリングの実施:変位計測による効果確認と追加対策の検討

 地山補強土工法は、従来の抑止工に比べ環境への影響が小さく、経済的にも優れているが、適切な設計・施工管理が不可欠である。

◇ 4人目

〇技術上の留意点

  • 地山調査:地山の強度、透水性、せん断強度などを詳細に調査し、設計に反映させる。

  • 補強材の設計:補強材の強度、長さ、間隔などを適切に設計する。

  • 施工管理:施工中の品質管理を徹底し、設計図書どおりに施工を行う。

  • 長期安定性評価:長期的な安定性を評価し、必要な維持管理計画を策定する。

〇適用に際しての留意点

  • 地山補強土工法は、地山の状態やのり面の形状、周辺環境などに応じて、適切な設計と施工を行う必要がある。

  • 特に、地震時の安定性や環境への影響については、十分に検討する必要がある。

以上


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