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「ゴミでできた山、スモーキーマウンテン」

靴磨き世界一周アジア編91日目

マニラ中のゴミが集められた場所が
トンドというエリアにある。


そこにはゴミを燃やす焼却場がなかったので、
何年もの間集められたゴミは放置されていた。


そのゴミはやがて山のように重なり合い、
自然発火してゴミから煙が出ていた。


その光景から「スモーキーマウンテン」という
名前が付けられた。


スモーキーマウンテンには仕事のない人が集まり、
ゴミの中からまだ使える物を取り出して、それを
売買してわずかな稼ぎにしている人達がいた。


かつてフィリピン最大のスラム街と言われた場所、
それが「スモーキーマウンテン」だ。


ワンピースが好きな人はご存知かもしれないが、ルフィと
サボとエースが育ったゴミ山、「グレイターミナル」は
「スモーキーマウンテン」がモデルになっていると言われている。



ネットの情報によると、スモーキーマウンテンは
現在封鎖されたと書いてあった。



スモーキーマウンテンの跡地?になるかもしれない
が、せっかく来たので見に行くことにした。


この日はフィリピン人のモモちゃんと
一緒にスモーキーマウンテンに行った。


ジプニーを2回乗り換えてから徒歩で10分
ほど歩いた場所にスモーキーマウンテン跡地があった。
#絶対1人では辿り着けない場所だった
#ありがとうモモちゃん


そのエリアはマーケットで賑わっていたが、
周りにはホームレスや孤児があちこちにいた。


俗に言う、スラム街だ。


「あれがスモーキーマウンテンだそうよ」と
モモちゃんが教えてくれた先には、緑に生い茂る
小さな山が見えた。


その山の登口に到着すると、足場を見て驚いた。


階段がゴミでできている。

スモーキーマウンテンの入り口



⁡遠くで見ると自然の山に見えるが、近くで見ると
ゴミが重なってできたことが分かる。


匂いは少しゴミの匂いがするが、
そこまで酷い匂いではなかった。


登れば登るほど、山は自然になっていき
畑もあって作物が育てられていた。

スモーキーマウンテンの頂上




人もたくさん住んでいる。


住民情報によると、何年もかけてこのエリア
は改善されてきて、今は野菜を育ててマーケット
で販売されるほどになったそうだ。


私がカメラで撮影していると、住民達は手を
振ったりポーズを決めてくれたりする。


「家入っていいっすか?」と旅人界のヨネスケは
ズカズカとスモーキーマウンテンに住む人達の家に
上がり込んだ。

#日本でやったら通報案件


中に上がり込むとみんな笑顔で迎え入れてくれた。


自然に生えてる木や枝を支えにして、
その上にブルーシートや布を覆い被せて
住居にしていた。



セキュリティはゼロだ。


でもそんなこと心配する必要はないのだろう。


ここに住む人達はみんなが親戚みたいに接して、
子ども達も兄弟のように遊んでいる。



そして子どもの数が以上に多い。


日本は少子高齢化と言われているが、フィリピンは
多子若齢化といい若い世代が莫大に増加している。


ある家の人が教会にいく時に履く靴を持っており、
その靴を磨かせてもらうことになった。

スモーキーマウンテンで靴磨き



畳一畳分あればどこでもできるのが靴磨き。


会社のオフィスで靴を磨くこともあれば、
レストランの中で靴を磨くこともある。


そしてゴミが重なりあって作られた
スモーキーマウンテンの中でも靴を磨くこともある。
#世界初
#スモーキーマウンテンで靴磨き


スラム街であろうが、絶対に靴は探せば出てくる。


「ここぞ」という時に履かれる靴なので、
思い入れもあって貴重な一足だ。


「靴磨き」とは、自分を表現するための道具だなと思う。


この日も20人くらいの子ども達に囲まれながら
靴を磨いたけど、「あぁこのイケメンの兄ちゃんは
靴を綺麗にしながら世界のあちこち旅してるんだな」

ってまだ英語が話せない子達にも表現することができる。
#世界を股にかけるナルシスト


スモーキーマウンテンは行く前は危険なイメージだった。

衛生的に大丈夫かなぁとか。

窃盗のターゲットにされないかなぁとか。


でも想像とは全く違った。


今は野菜が育つほど改善されて、そして次の世代
のエネルギーが充満している活気のある場所だった。


そこに住む人達は私のような部外者にも
家に招きいれてくれて、コーヒーを出してくれて、
優しさが溢れ出てる人達だった。


スモーキーマウンテンには、未来を担う
子ども達が住んでいた。

子どもが多い
ここに30年くらい住む家族

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