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「路上で揉め事が起き、流れ弾が飛んできた」
靴磨き世界一周アジア編28日目
この日事件は起きた。
メルボルン路上靴磨き3日目。
私は「フランダーズストリート駅」と言って
メルボルンで最も有名な場所で路上靴磨きをしている。
ここでは他にも絵を描いてる人がいたり、
路上ライブをしている方もいる。
名前はヤーといい、おそらくこの場所で
番長的存在の路上シンガーがいる。
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彼は歌を歌うというよりは、おそらく思いつきで
音に乗せて話してるので、シンガーというよりは
ラッパーなのかもしれない。
ヤーの声は低くて、図太くて、色っぽい。
私も路上靴磨きは待ってる時間の方が
長いので、ヤーの歌を聴いて心地良く待っている。
彼は見た目は大柄で、黒い服に身を纏い、
時より強い口調で何かを訴えかけるので、
ちょっと怖い人だと思っていた。
しかしこの日、ヤーが歌と歌の間に私のことを
マイクを通して話してくれた。
「靴磨き2ドル〜100ドルでマイブラザーが
やってんだよ。ここから見てもいつもすごく
ピカピカに磨いてるよ。靴磨きもどうだい?」
私は「Thank you」という意味も
込めてヤーにピースをした。
ヤーは他に路上ミュージシャンがいたら
音が被らないように演奏をやめたり、投げ銭を
しにいったり、時に「一緒にやろうと」と言って
セッションしたりしている。
他のバスカー達をリスペクトしており、
私もその姿勢にカッコいいなぁと思う。
その後もヤーの歌を聴いていると、
途中で音が止まった。
何を話してるのかは聞こえないが、
1人の女性とヤーが口論している。
ヤーには取り巻きのファンや相棒が4人ほどいて、
その人達も強い口調でその女性に言い返している。
しかしその女性は引くこともせず、自分の
意見をかなり強く主張している。
その女性はヤー達の圧力に押されて撤退した。
しかし数分後、複数人の警察を連れて
その女性が返ってきた。
女性は勝ち誇ったかのような顔をして
ヤー達に何かを言っていた。
結局、ヤー達はかなり怒りながら、
その日は撤退することに。
何はともあれ一件落着かと思っていたら、、、
その警察達は私の方に歩いてきた。
これまで何度も警察は私の前を通っているが、
何も言わず素通りしていたので「大丈夫やろぅ」
と思いながらも、かなり高圧的な態度でこちらに
向かってくる。
"むっさ流れ弾やん!!"
女性警官が代表して話しかけてきた。
警官
「これ何しとんや?」
総将
「今靴磨きしながら世界一周してるんです」
警官
「いくらでやってるんだ?」
総将
「お気持ち代っす。」
、、、
、、、
やばい、許可証出せとか言われるのかな。
絶対怒られる雰囲気やん。
おわた。
クラウンタワーメルボルンへの道、おわた。
その女性警官が口を開いた。
「また、タイミング合えばくるわ」
と言って帰っていった。
、、、
耐えた!!!
ゲボ吐きそうなくらい緊張したわ。
その後、ヤーの音楽がなくなり、寂しくなった
フランダーズストリート駅の前で路上靴磨き
を続けた。
この日は3足磨かせていただき、
合計30ドルだった。
3日間の合計ご224ドル。
クラウンタワーメルボルンへの道まで残り576ドル。
明日も地道に積み上げていきます。
何で揉めてたのかは分からないが、また
ヤーの音楽を聴きながら靴磨きをしたいなぁと思う。
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