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「チャーシュー丼事件。」
靴磨き世界一周アジア編112日目
この日私はジョンさんにブチ切れられた。
私は今シンガポールの靴磨き専門店
Mason & Smithで靴磨きの武者修行中だ。
私の役割は主に2つ。
・預かってる靴を磨くこと。
・みんなの分のランチを買いに行くこと。
Mason & Smithの近くにフードコートがあり、
毎回みんなが食べたい気分のものを、ジョンさん
からお金をもらって私がテイクアウトする。
ジョンさん
「今日はチャーシュー丼食べたい気分だ。
ここのお店のチャーシュー丼を4つ買ってきて。
むっちゃ美味しいんだよ。」
総将
「チャーシュー丼いいっすね!!買ってきます」
私はジョンさんからお金をいただき、
お店を出て行こうとした。
その時、ジョンさんが私を呼んだ。
ジョンさん
「総将!もしかしたら今ピークタイムで人気のお店
だしすごく混んでるかもしれない。
列が並んでたら他のもの適当に買ってきて。」
総将
「分かりました!!」
私はフードコートに到着した。
チャーシュー丼のお店の前に到着した時、
私は崩れ落ちそうになる。
20人くらい並んどる!!
他のお店は2,3人しか並んでいない。
ここのチャーシュー丼はかなり人気らしい。
私は迷った。
確かにジョンさんから列ができてたら他の
食べ物買ってきてと言われている。
でも、悲しいかな。
私はチャーシュー丼の口になっている!!
そして心の中のリトル文昭も言ってる。
「頼まれごとは試されごと」やって。
私はジョンさんの忠告を無視し、チャーシュー丼の
列に並んだ。
だって頼まれてんもん!!
とはいえ、20人並んでても15分くらい
で私の番が来るだろうと思っていた。
15分後。
5人くらいしか進んでいない。
さすがにこれはヤバいかもしれん。
別の食べ物を買いに行くか。
でも、逆に15分も並んだのに途中で列を出たくない。
私は並び続けることにした。
列に並んで30分ほどした時、ジョンさんから
ラインが来た。
「今どこにいる?もしかして並んでる?」
私はこのラインを見た時に、これは怒ってると察した。
どうしよう。
正直に並んでることを伝えるか。
でもそれを伝えたら、怒られる上に別のもの
買ってこいと言われそうだ。
ここまで並んだんだ。
絶対に俺はチャーシュー丼を食べたい。
私はどうしたか。
本日2回目の無視をした。
電波の調子が悪く、ラインを見れなかったことにしよう。
海外ではよくあることだ。
私は並び続けた。
それから10分くらいしてまたジョンさん
からラインが来たが、そのラインも無視をした。
本日3回目の無視だ。
結局私はI時間近く並び、念願のチャーシュー丼
を買うことができた。
ランチ買うだけでI時間もかかった。
私はMason & Smithに小走りで帰った。
お店の前に到着した時、どんな感じで
入っていくかを考えた。
2択やな。
一つは「本当に申し訳ございません」と
反省しながら入室する。
ほとんどの人はこちらを選ぶだろう。
たが、もう一つの選択肢もある。
「いやぁやっちゃいましたわぁ」とテヘペロ
パターンで入室する。
私は迷った結果、後者を選ぶことにした。
#なんでやねん
私は一呼吸置いて、お店に入った。
総将
「いやぁやってしま」
ジョンさん
「お前ランチ買うのに何分かかっとんねん!!
並んだやろうが!?」
総将
「はい、並びました。」
ジョンさん
「なんでライン返さへんねん!?」
多分こっちの件で余計ブチ切れてる。
でも、これはシュミレーション通りだ。
総将
「いやぁなんか電波悪くて見れなかったんです」
ジョンさん
「嘘つくな!なんでお前電波悪いのに
俺のインスタに「いいね」おしてんねん」
マジか!!
確かに私は待ってる間暇すぎてずっとインスタ見てた。
いっつもいいね押してもらってるから、
だいぶ過去の投稿まで遡って出てきた投稿
全てに「いいね」押してた。
多分無意識にジョンさんのインスタの投稿
「いいね」押してたんだろう。
そらジョンさんブチ切れるわ。
ライン無視してるくせにインスタにいいね
押しよる部下いたら完全におちょくっとる。
もう嘘を重ねることはやめよう。
私は正直に言った。
「すみません、俺、チャーシュー丼が食いたかったんです」
#先生バスケがしたいんですと同じテンション
もうね、理由がアホすぎて呆れてたよ。
その後は今後の改善点と、とにかくラインを
無視すんじゃねぇと強くお叱りをいただき、
その事件は終わった。
さすがに落ち込んだ。
靴磨きのことならまだしも、なんで俺は
中学生レベルのことで怒られてるんだと。
もう恥ずかしいわ。
自分の不甲斐なさに落ち込みながら、
私はチャーシュー丼を一口食べた。
うんま!!
そのチャーシュー丼を食べた時、I時間並んで
良かった〜と思った。
シンガポールで起きたチャーシュー丼事件。完