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「ドブ川の上に住む親子」
靴磨き世界一周アジア編87日目
私が滞在している宿は「パサイ」という街にあり、
マニラの中でもプチスラム街の場所にある。
家はボロボロで、強い嵐が来たら壊れてしまう
のではないかというような家が立ち並んでいる。
私の肌感覚では全体の9割くらいがそれらの家に
住んでおり、後の1割は外で寝ている。
昨日は日中に近くをプラプラしていると、
歯の抜けたおばさんが私がカメラを回してるの
を見てピースしていた。
歯の抜けたおばさんと立ち話をしていた。
彼女は「ジェージェー」という名前で、
ジェージェーはホームレスだが洗濯をして
生活費を稼いでいるらしい。
ジェージェーがご飯食べてないと言ったので、
セブイレでお弁当を買って渡した。
キリがないことは分かっている。
全員にお金もあげれないし、ご飯も渡すことはできない。
でもたまたま巡り合って立ち話した人くらいには、
食べ物くらいは私はご馳走しようと思う。
#これまで数えきれないくらいご馳走なってきた
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その夜、私は市内から帰ってきた時に、ジェージェー
が橋の上で子どもと座って話してるのを見た。
「よー」と挨拶すると、ジェージェーが
「うちの娘だ」と言って紹介してくれた。
ジェージェーには10歳の娘、「ジュナ」がいた。
2人は橋の上に自分達で作ったベッドで
毎晩寝ており、ジュナはここから学校に行く。
日本では聞いたことがないよね。
路上で寝泊まりして学校に通ってる子ども。
ジェージェーの話によると、パサイにもそんな
子ども達はたくさんいるそうだ。
ジェージェーの旦那はどうなったんだろう?
少し聞きにくいけど、やっぱり気になったので
質問をした。
「旦那はどこにいるの?」
恐る恐る質問をした。
「旦那とは、、、」
やっぱり言いにくいこと聞いてしまったかな。
「旦那とは、、、ちょっとソリが合わなくて、
今は別のところに住んでいる。」
そうか。
言いにくいことを聞いてしまって申し訳ないなぁ
と思っていると、娘のジュナが言った。
「あそこにいるのお父さんだよ」と道路渡って
道端で寝そべってるおじさんを指差した。
"どんな別居の仕方やねん!"
前までは一緒に寝てたらしいけど、最近は旦那は
道路挟んで反対側の路地で眠るようになったらしい。
これがホームレスの別居の仕方なんだ。
やっぱり、私の人生の初期設定はかなり恵まれている。
生まれて25歳になるまでは毎日建物の中で、
そしてフカフカの布団の上で眠らせてもらってた。
ジェージェーやジュナが寝てる場所は下にどぶ川が
あって蚊や害虫も多いなかで毎日寝泊まりしている。
雨が降った時に体を流すそうだ。
トイレとかはどこでしてるのだろう?
大雨が降った時はどうするの?
そんなことまでは聞いてないけど、
どうにかしてるんだろうなぁと思う。
私がそこで寝ろって言われたら、ちょっと、
いや、かなり嫌だな。
でも、もし生まれた場所がここなんだったら、
普通にジュナのように寝てるんだろうなぁ。
今日はジュナが親友を紹介してくれた。
何もできんけど、アイスくらいはおじさん奢ろう。
ジュナは、それでも楽しそうに生きていた。
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