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スワンナプーム空港で夜を明かす
靴磨き世界一周アジア編 2日目
お見送りに来てくれた人達と笑顔で別れ、
関空→スワンナプーム空港〔バンコク〕行きの
飛行機に乗り込んだ。
タイ人のスチュワーデスさんがお出迎えしてくれる。
前の席と後ろの席にはインド人がいて、
外国語の音声アナウンスが流れる。
ついに異国に行くのか。
「靴磨き世界一周」
この2年間夢を語ってきたことが、ようやく形になる。
隣の席には誰も座ってなかったので、
機内では横の席に足を伸ばしたり寝転がったり
しながら到着を待った。
スワンナプーム空港に到着したのがタイ時間の15時半。
次のシドニー 行きの出発時刻は次の日の8時30分。
半日以上トランジットに時間があるので、本来なら
一度バンコクの街を模索したいが、今は一度入国して
しまうとPCR検査の証明書や保険などでややこしく
なるので空港で待機することにした。
スワンナプーム空港は世界でも有名な国際空港で、
免税店やレストランは多数ある。
ふらふら模索しているとこんな部屋を見つけた。
「Musulim Prayer Room」
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要約すると、ムスリム系の人達がお祈りする部屋だ。
中を少し覗くと、おそらくインド人であろう
人達が正座をして祈っている。
ヤバい。
入ってみたい。
でも宗教のことはよく分からんし、
冷やかしやと思われたら怒られるかもしらん。
でも次生まれ変わったらムスリムかもしらん。
そういう意味では今世からムスリムに触れて
おくのは悪いことじゃないし、むしろいい事
なんじゃないかと思ってきた。
私は思い切って「Musulim Prayer Room」
に入ってみることにした。
私が部屋に入ると、祈りをしてる人達は3度見した。
「見たら分かるムスリムちゃうやん!」
と顔に書いてあった。
部屋の奥まで行ってみると、真面目に祈ってる
人が半分ほどで、残りは居眠りをしてる人、スマホ
を触ってる人、談笑してる人がいた。
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あんまり長居するのも良くないし、
ある程度見学したし立ち去ろうとしたその時、
ブラックに身を包まれた1人のムスリムが
何か話し始めると集団でお祈りタイムが始まった。
「見たら分かる途中で退出したらあかんやつやん!」
来世はあんな感じで祈るんだなぁと思い、
儀式が終わるのを待って外に出た。
夕食は空港内にあるインド料理屋さん
のようなテイクアウト式のお店でピザを注文した。
「15分くらいかかるけどかまへん?」と
スタッフに聞かれ、時間セレブの私は心地良く
了承した。
しかし30分近く経っても呼ばれることはない。
もしかして「fifteenth minits」〔15分〕と
「fifty minits」〔50分〕を聞き間違えたのかな?
と思いスタッフに確認してみると、
「I ' m so soooooooooory」とすごく申し訳
なさそうにスタッフは私のピザを渡してきた。
「No problem.」
時間セレブの私にとって、30分くらい
どうってことないさ。
ピザを受け取って立ち去ろうとしたら、
「Wait wait」〔待て〕と言われてスタッフは
下の棚から何か取り出して渡してきた。
受け取ってみると、緑色の像のキーホルダーだった。
こ、こ、これはまさか!
「ガネーシャ」ではないのか!
インドの神様、ガネーシャ。
私は「夢を叶えるゾウ」という本が大好きで、
何度も読み直しておりいつか私の前にもその物語
で登場してくるゾウの神様「ガネーシャ」に
会いたいと思っていた。
ガネーシャさんとこんな所で会えるとは。
そのガネーシャのキーホルダーを愛用の
靴磨き鞄につけることにした。
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待たされたけど、なんかラッキーな気分になった。
現地時間の12時も周り、そろそろ今夜泊まるための
"物件"探しに行くことにした。
希望の物件は「コンセント」があって「Wifi」
が繋がって「長椅子」がある所。
しかしこの3つの条件が揃う所には
人が多く、眠るには少し騒がしかった。
メイン通りから少し離れた所には薄暗くなっており、
長椅子に数名横になって眠っていた。
希望の物件としての「wifi」は繋がらなかったが、
そこが一番静かだったので今夜はこの物件で眠る
ことにした。
国が違えば散歩してるだけで"気づき"が
いくつもある。
これもまだ空港という名のトリカゴに
囲まれた場所に過ぎない。
明日からそのトリカゴを出た時にどんな物語が
生まれるのか。
起こること全て楽しんできます。
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