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「スラム街で靴磨き」

靴磨き世界一周アジア編89日目

小学生の頃、その辺に外国人が歩いていたら
「うわ、外人や」て口に出すほど珍しいかった。


それと同じで、マニラの中でも観光客が訪れにくい
パサイというエリアで私とすれ違った子ども達は
じっと私のことを珍しいそうに見ていた。


「うわ、外人や」とタガログ語で言っているのだろう。


そんなパサイも4日間も滞在していると、
何人かの子ども達と顔見知りになった。


私が散歩していると、アピヤという
10歳くらいの女の子が追いかけてきた。


「SoshoLANDどこいくの?」
#YouTubeチャンネル名で覚えられる


「この辺散歩してんねん。アピヤについてくわ!
どっか連れてってや?」と私は彼女に言った。


アピヤはメイン通りから外れた道を指差して、
「こっちに行こう」と誘導してくれた。


そこにディディックという10歳くらいの男の子が
いて、私がカメラを回してるのを見てニヤニヤ
しながら質問してきた。


「これはYouTube?」


「せやで。ディディックの家見せてや」

#急にヨネスケみたいなこと言うやつ


私はダメモトで言ってみたら、「こっちやで」
と言ってディディックは家の中に連れて行ってくれた。


マジか。


まさかお家に入れるなんて!!


ディディックの家は壁と壁の間にも隙間があって、
地震が来たら一発で崩れてしまいそうなお家だった。


私は恐る恐る中に入った。


むっし暑い。


クーラーは付いてないのだろう。


ディディックはお母さんに「YouTuber来たで」
と言うと、お母さんはベッドから飛び起きた。


「あかんあかん、、、本間に汚いねん。
うち撮影しても何もおもろないよ」
と言って部屋の撮影許可が降りなかった。


きっと後でディディックはおかんに怒られるだろう。


ごめんディディック。俺のせいや。


ディディックの家をチラ見したせいで、
俄然パサイの人達がどんな生活をしてる
のか気になった。


よし、今日はパサイのお家に入れてもらおう。



アピヤとディディックを引き連れてると、
私の周りにどんどん子どもが増えていった。


「日本人」と「YouTuber」と「男前」
という3点セットで人気者になっていたのだ。
#パサイ観光庁調べ


玄関が開けっぱなしの家を見つけて、「この中
入ってもいい?」と聞くと、子ども達が中に誘導してくれた。



今度こそパサイのお家大公開!


キッチンやリビングは外にあって、
部屋の中は寝室になっていた。


この部屋で眠るのはキツいぞ〜。


暑すぎるし虫も多い。。。


部屋と部屋を移動するには一度外に出ないといけない。


やっぱりクーラーはなくて、部屋の中はかなり
暑く、子ども達はみんな外に出ていた。


誰が誰の子どもなのか全く分からない。


庭の中に20人くらい子どもがいた。
#野良犬もいた


街の子ども達は親戚や兄弟のように
出入りしながら遊んでる。


「お礼にパサイで靴磨きしたいです」と伝えると、
部屋の奥から一足の靴を出してもらった。


普段はみんな裸足かサンダル。


パサイで靴を履いてる人なんて全体の1割もいない。


靴なんて数年に一度履くかどうか。


だからこの靴は必要な時に貸し借りしてる
この街の貴重な一足だった。


私にとってワンピースだ。


こういう物語のある靴を磨かせてもらえるなんて。


外で靴磨きをすると、私を囲むようにして
子ども達は靴磨きを見ていた。


靴磨きの鞄を開ける時、靴磨きのユニフォームを
着る時、ブラシをかける時など一つ一つの動作に
喜んでくれる。


靴なんて磨いたこともないだろうし、
磨くものじゃないと思っている。


でも、綺麗になった靴を見て拍手をしてくれた。


4日間このパサイで靴を探し回っていた。


「靴磨きしながら世界一周してて、」と何人にも
靴磨きできないかお願いしたけど、「靴ないよ」と
言われていた。


本当にないんだと思う。


やっぱりこういう街では無理なのかなと諦めていた。


でも、ようやく見つけた。


4日間でたった一足。


でも、すごく貴重な一足。


靴磨きトラベラーとしてこんな貴重な
一足を磨けたことを誇りに思う。


パサイから一旦離れてマニラの中心地に行くけど、
フィリピンにいる間にもう一度あそこに戻ろう。


また帰りたい街が一つ増えた。


そして、私が思うにあいつらまだ靴を隠し持っている。


私には20人のSoshoLAND一派(パサイのキッズ)
がいるのだ。


あいつらを引き連れてパサイの「靴磨き狩り」に出よう。

フィリピン2足目

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