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「ヒッピーの車に乗せてもらったが、、、」

靴磨き世界一周アジア編62日目

気温4度の中、着れるだけの服を着て、
椅子にもたれかかって目を閉じていた。


オーストラリアに来てから6回目の野宿。


過去5回は寒くてほとんど眠れなかった。


でも今日の私はいつもと違う。


なぜならカイロをもっていたからだ。


シドニー で路上靴磨きをしていた時に知り合った
日本人の方がブリスベンまでのヒッチハイクの激励
にカイロをプレゼントしてくれた。


そのカイロ10個を全て使った。


首、お腹、腰、足の裏にそれぞれカイロを
入れると体温が上がり、浅くだが眠ることができた。


朝5時30分になり、昨日23時に追い出された
サービスエリアのフードコートがオープンした。


今日も朝を迎えれたぞ。


今日も息をしている。


体のパーツも順調に全て動く。


少し寝不足ではあるが、何も失ったものはない。


最近は朝起きてから今あるものに感謝を
する習慣ができつつあった。


いつしかの路上靴磨きの時にフィリピン人の
おじさんが教えてくれた習慣を真似している。


幸い、そこのサービスエリアにはシャワーも
無料で使うことができて、熱々のシャワーを
30分ほど浴びて体温回復。


フードコートで仮眠を取ってから、昨日行ききれ
なかったコフズハーバーに向けてヒッチハイクスタート。


とはいえ、ここは高速道路のサービスエリア
だからすぐに拾ってもらえるだろうと考え
ていたが、1時間たっても成功しなかった。


おかしいなぁ、プロヒッチハイカー目線で見ても
ヒッチハイクレベルは13のはずなんやけど。
#ヒッチハイクレベルの基準値を教えろ


すると一台の車が私の前に止まった。


ついに来たか!と思ったら、運転していた
女性にこう言われた。


「あなた、こっちはシドニー 行きの車だよ。
コフズハーバーは反対の道路に行かないと!」


またやってもた!!


このミス何回目だ。


次やったらプロヒッチハイカーの称号剥奪レベルだ。
#そんなプロはない


5分ほど歩いて、反対車線まで向かい、
ヒッチハイクを再スタート。


するとすぐに一台の車が止まってくれた。


コフズハーバーの一つ手前の街に住んでいるので
そこまで乗せてもらえることになった。


ありがたい。


お土産にバナナやみかんなどの果物を
持たせてもらった。


その方が次にヒッチハイクしやすい場所まで
遠回りして送ってくれたので、その次もすんなり
ヒッチハイクに成功した。


この日2台目に乗せてもらった男性は
見るからにヒッピーだった。


車の中が今まで見たことないくらい
散らかっていた。


なぜこんなに靴下が落ちているのだ。


落ちてあるレシートをチラッと見てみると、
「2015年」と書いてあった
#7年間何してんねん


ヒッピーとは自然体に生きており、ヒゲや髪の毛
を剃らなかったり、音楽や植物を愛すというのを
ざっくりと理解しているのだが、、、


ヒッピーと車の汚さは関係ねぇだろう。


きっとこの人がヒッピーになる前から
お掃除が苦手なんだなと思った。


ただ、心は車内と真反対に綺麗な方だった。


過去に5000人以上ヒッチハイカー
を拾っているそうだ。


見つけたら絶対に拾うらしい。


その理由を聞くと、、、


「だって逆の立場だったら乗せてほしいじゃん」


と言っていた。
#車内と真反対に心は綺麗なヒッピーな奴


ヒッピードライバーは特に用事もなかったのに
30分ほど運転してコフズハーバーまで乗せてくれた。


運転中おもっきりビールを飲んでいたが、
普通に大麻も吸っていたが、、、


まぁこっちの方はすごくそういう人が
多いと事前に聞いていたから驚かない。


そのヒッピードライバーとお別れをして、
この日はコフズハーバーのゲストハウスに泊まった。


2日ぶりのベッド。


そこのゲストハウスはパブも併設していた
ので夜中まで爆音の音楽が流れていたが、
どうでも良かった。


ただ布団の上で眠れるだけで幸せだよ。


紆余曲折ありながら、徐々に目的地の
ブリスベンに近づいております。


明日はどんな出会いがあるんだろうか。

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