「瞳を閉じればどこもマリオット」
靴磨き世界一周ヨーロッパ編95日目
朝日と共に目を覚ますと、私は1人では
有り余るほどの大きなフカフカのベッドにいた。
そうか、昨夜はシュトゥットガルトに住む
家族と夕飯に行った後に、市内のマリオット
ホテルに泊まらせてもらったのだ。
朝食付きということで、朝からマリオット
ホテルのイカついバイキングをいただいた。
こんな豪華なブレックファーストは次
いつ食べれるか分からない。
私は2週間分の朝ごはんを食べようと
決意して、とにかく腹一杯食べた。
昼から2時間ほどシュトゥットガルトの
駅前で路上靴磨きをした。
途中小雨が降ってきたというのに
なんと8足も磨かせてもらった。
ドイツ、やはり靴磨きはやりやすい国
かもしれない。
本当はもっと長い時間路上靴磨きを
したかったのだが、今日のメインイベントは
これからだ。
明日がフランクフルトで本田健さんの講演会
なので、今日中にはシュトゥットガルト
からフランクフルトへ移動しないといけない。
シュトゥットガルトからフランクフルト
までの距離は約200キロ。
時間だと2時間半くらいだ。
ヒッチハイクだと、うまく行って4時間くらいかな。
私は夕方からある程度目星をつけて
おいたヒッチハイクポイントまで徒歩で
1時間くらいかけて移動した。
が、その場所はおそらく有料道路の中だった。
思ってた場所と違う！
絶対ここはやっちゃダメな気がする！
でも、またここから歩いて別の場所を探す
というのはかなりキツい。
幸い左右に道があり、私の目の前には
20メートルほど駐車スペースがあり、
車は止まれないことはない。
よし、ここでやろう！
#やるな
私はとんでもない場所でヒッチハイクボードを掲げた。
しかし、開始して10分ほどで恐れて
いたことが起きた。
"パトカーた"
そして目の前で止まった。
いかにも、厳格そうな男性警察官と、
気の強そうな女性警官。
男性警官は言った。
「ここでヒッチハイクしてはダメだ。
身分証明書を見せろ。」
私はパスポートを渡し、その後警察官は
ボディチェックをした。
「カバンの中に武器は入ってないか？」
「ぶ、武器！？
持ってないです。」
「そうか、じゃあ乗れ。」
うわぁ警察に連行されるやん！
これに関しては100%私が悪い。
しかし、連行かぁ。
キツいなぁ。
警察官は車を走らせると、これまでの旅の経路や
今後の予定を聞いてきた。
事情聴取だ。
しばらく質問に受け答えしていると、
窓からでっかい夕日が沈むのを見えた。
あぁ、もしかしたらこの夕日がシャバで
見る最後の夕日かもしれない。
一生忘れないように目に焼き付けておこう。
悲しみに暮れていると、警察官は脇道に
入ってパトカーを駐車した。
「ここからなら、フランクフルトに行く人も
止まるだろうし、日が暮れたら歩いて街に出て
ホテルに泊まることもできる。
気をつけろよ。」
まさかのヒッチハイクをよりやりやすい場所
まで送ってくれたのか！！
そして帰り際に
「これしかないけど、腹の足しには
なるだろう」
と言って菓子パンをくれた。
むちゃくちゃツンデレや！
生まれ変わったらこんな警察官になりたい。
目的地のフランクフルトまで残り2時間の距離。
夕日も沈み、外は暗くなったけど
私はヒッチハイクを再開した。
今日中に、フランクフルトに行きたい！
1時間くらいその場所にいると、
1台の車が止まった。
日も落ちてかなり暗い場所でヒッチハイク
していたから、しばらく走って灯りのある
ガソリンスタンドまで乗せて行ってくれた。
別れ際に、
「これを旅の足しにしなさい」
と言って50ユーロ手渡してきた。
なんてお方だ！！
ここまで乗せてくれただけでも本当に
ありがたいのに、お金までいただいた。
その後ガソリンスタンドの前でも
飲み物を差し入れしてくれたり、
着ている物を差し出して
「寒いからこれ着なよ」と言って
パーカーを渡そうとしてくれたりした。
#上着は別に持ってたので断った
本当にドイツ人は優しいなぁ。
それからしばらくガソリンスタンドの前で
ヒッチハイクを粘ったが、深夜12時を超えた
ところでガソスタの営業が終了した。
今日はここまでか。
仕方がない、野宿する物件を探しに行こう。
私はしばらくバックパックを背負って辺りを
散策し、人通りの少ないが、街灯がある場所を
見つけた。
今日はここに寝袋を敷いて眠ろう。
昨日はマリオットホテルに泊まったのに、
今日は地面カチカチの上に野宿か。
しかし彼は眠り際に言った。
「瞳を閉じればとこもマリオットだ」
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靴磨き世界一周ヨーロッパ編中間報告会
日時:8月25日【金】20時〜
視聴方法:zoom
参加費:3,300円
↓詳細、申込はこちらから