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関門トンネル封鎖事件
2021年4月18日
暗黒史に歴史を刻むことになる。
この事件について、自ら書くことに迷いもあった。
あえて晒す必要はあるのかと。
しかし、私が自らの失態を公に晒すことで、
"助かる命はあるのではないか"と思い、ここに
残すことにした。
誰かが同じ過ちを繰り返さぬように。
山口県下関市から福岡県北九州市に入るには
車では「関門トンネル」か「関門海峡大橋」
を渡らなければならない。
自転車や歩行者は「人道トンネル」という
別ルートから入らなければならない。
私はこの知識は事前に知っていた。
いつものようにGoogleマップを頼りに
下関市から北九州を目指していると、
気づけば目の前にでかいトンネルがあった。
車の量が多いのに、トンネルについてる歩道
が見当たらない。
「どうやっていけばええねん!!」
私はトンネルの入り口付近で考えていた。
するとデカいトラックが私に向けてクラクション
を鳴らしてきた。
「プーーーーー」
私はこの時、「なんやあいつ!」と言いながら、
そのクラクションがある意味"スタートの合図"に
感じてオールジャクソン号を押しながらトンネル
の中に入ることにした。
そのトンネルは一車線である。
私は「車が誤って私に突っ込んでこないか」を
後ろを振り向き確認しながら前に進んだ。
トンネルに入って5分ほどし、急に車が
通らなくなった。
"今がチャンスや!!"
私は押してた自転車にまたがり、ここぞとばかり
に全力で漕いだ。
思ったよりも長いな。
私は後ろから車が来るまでとにかく漕ぎ続け
ようと思った。
また2分ほど漕いだ。
そして違和感に気づく。
「それにしても車が急に来なくなった」
そして私はピーンと来た!
"何か事件があったぞ!!"
今、トンネルの外で何か事件か事故があって
封鎖されてるから車が入ってこれないんだ。
とにかく早くここから出た方がいい。
私は立ち漕ぎで前に進み続けた。
すると後ろからパトカーのサイレンの音が聞こえた。
「やっぱり事件や!!」
心配して迎えに来てくれたんだと思った。
山口県警と書かれたパトカーから警察官が
鬼の形相で出てきた。
「お前どっからはいったんや!!
今全部トンネル止めとるけ、とにかく
早く出ろ!話は後で聞くけ」
、、、
、、、
「事件起こしてたの俺か!!」
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↑関門トンネル内
私は持ってる力を全て使ってオールジャクソン号
を漕いだ!!
クソ、坂道になってる。
しんどい。
歩きたい。
いつもなら歩いてるレベルの坂道だ。
でも歩けない。
なぜなら山口県警が思っクソ煽ってきてるからだ!
そうだよな。
警察も今トンネルの出入り口で封鎖してて、
ドライバーの人達から怒号を浴びせられてるよな。
かなりキツイが、とにかく今は少しでも
前に進んで早くこのトンネルを出よう。
しかしなかなか出口が見えねぇ。
すると前からまたパトカーのサイレンが鳴った。
そしてパトカーが私の前で止まり、警察官が出てきた。
「止まれーーー!!」
、、、
、、、
「なんでやねん!!」
いや、自分が関門トンネル封鎖しといて言える
立場じゃないけど、今私が止まればその分封鎖時間
は長くなるぞ。
でも、私がそんなこと言えるわけがない。
とにかく前の警察官の指示に従い、私は
オールジャクソン号を止めた。
すると次は後ろの警察官が前の警察官に
向かって叫ぶ。
「ちょっと待って!今トンネル封鎖して大渋滞
かかっとるから、とにかく先に出そう!!
話は外で聞こう!」
全然連携が取れてないやん!
「なんでだろう」と思って前のパトカーを見てみると、
「福岡県警」と書かれてた!
山口県警と福岡県警の合従軍やん!
両県の警察に挟まれながら、私はなんとか
関門トンネルを抜けることができた。
ようやく光を浴びて、前を見てみると、
"ディズニーランドのゴールデンウィークか!"
というほど車が並んでいた。
「あれ全部お前のせいで渋滞しとる!」
私は警察官10人に囲まれながらゲホ吐きそう
なるほどブチ切れられた。
私はもうどんな罪でも受け入れる気持ちでいた。
JRを止めたら数百万、いや、数千万円の罰金
があると聞いたことがある。
私もそれに匹敵するくらい多くの人達の交通
を妨げた。
しかし幸運なことに、私は警告書だけで済んだ。
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わざとじゃないということと、初犯ということを
考慮してのことだろう。
とにかく、助かった。
私はこの「関門トンネル封鎖事件」のことを、
正直にInstagramのストーリーで共有した。
それを見た友達からラインがきた。
「Twitterで関門トンネルって調べてみて」
え、なんか嫌やな。
いや、まさかな。
確かに大事件だが、まさかね。
俺やで。
ほぼホームレスやで。
でも、一応調べてみるか。
「関門トンネル」と検索すると、、、
「こいつのせいで関門トンネル封鎖された」
「チャリンコ乗ってるカス=チャリカスが
関門トンネル激走したらしい」
「こいつ探し出して死刑にしよう」
なんじゃこりゃ!
まとめると、"死ね"て100件くらい書かれとる。
これまでの旅で「オールジャクソン号に希望乗せて」
とか言ってたのに、"チャリカス"て呼ばれてますやん!
これが私の暗黒史、「関門トンネル封鎖事件」である。
しかし、関門トンネルはハッピーエンドになるのである。
続く↓