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「アボリジニ〔原住民〕の聖地へ



靴磨き世界一周アジア編14日目

「今回は長い距離のブッシュウォーキング
〔ハイキング〕行きますか?」


シドニー 市街から電車で1時間ほど離れた
Berowraという街に2日前から滞在しており、
そこでお世話になってる由恵さんに聞かれた。


できれば好んで歩きたくない。


2秒後に「絶対嘘や」て言われることを言うが、


私はインドア派だ。


#絶対嘘や


ブッシュウォーキングするなら、
家で本を読んでおきたい。


しかも昨日よりも長い距離を歩くと
言うではないか。


ただ歩くだけかぁ。


まぁ歩きながら由恵さんと話せばいいかと思い、
ブッシュウォーキングに行くことにした。


しかし、むちゃくちゃ面白かったし、
行って良かったなって思う。


この日は由恵さんのパートナーのデイビッドさん
も一緒に来てくれて、由恵さん1人では行かない
スペシャルなコースを歩くことにした。



「オフトラック」とは、整備されていない道
を歩くと言う意味で、茂みや枝をかき分け、
時に手をついて岩を降ったり登ったりする。


今回のブッシュウォーキングはあえて
「オフトラック」の道を行くことにした。



アドベンチャーだ。


1人では絶対に迷子になってしまう道も、
デイビッドさんはこの山で生まれ育ち、60年以上
住まれているので、庭みたいなものだ。


元々山の上にデイビッドさんの家があるので、
下に下に降っていく。


進むごとに道はどんどん険しくなってきて、
一歩先に進むのも足場は崩れないか、枝が
顔に刺さらないか確認しながら慎重に進む。


歩き始めて30分くらいすると、洞窟のような
場所に到着した。


その中にはカンガルーや魚の絵が描かれてあり、
オーストラリアの原住民、アボリジニが住んでいた
痕跡になるそうだ。


確かに、この洞窟なら住めそうだ。


天然の屋根先にはポタポタと水滴が落ちてきて、
木と木の間から太陽の日差しが差し込む。


もうこの物件はアボリジニの中でも村長クラス
の人が住んでただろうと思うほど、見晴らしの
いい場所だった。


その場所であぐらを組んで目を閉じて
ゆっくり呼吸をする。


水滴がおちる音。


鳥のさえずり。


洞窟のこもったような湿ったような
じんわりとした香り。




決められたツアーに参加するのもいいとこ取りで
楽しいけど、地元の人しか知らないような場所に
連れてきてもらえる方が特別感もあって楽しい。



由恵さんはオーストラリアで仕事をする前は
添乗員の仕事を10年近くしており、世界中の
観光スポットをお客さんを連れて案内した。


ツアーで来るお客さんの会話であるあるなのが、
今まさに外国に観光してるのに、「次回はあの国
のあの場所に行こう」と来年行く場所の話を
している。


また過去にどこのツアーに行ったのかを話し合って
いて、まるで行った場所の"スタンプラリー"をして
満足している。


別にそれが悪いわけではないけれど、
せっかく来たんだから"今この瞬間の非日常"
を楽しむほうがいいんじゃないかなっていう
話をしていた。


私はこのブッシュウォーキングを「どこまで降るん
だ?」と思ったり、「こんな所に滝があるのか」と
驚いたり、まさに今この瞬間最高のツアーをしてく
れていると感じた。


あえて「オフトラック」の道を選んだのも良かった。


整備された道を安全に歩くよりも、
道なき道を自分で切り開いて進む方が
いくつも"気づき"を与えてくれる。


時に転んで時に水に足を濡らして、「次からは
ここは気をつけないと」って自分の体感として
学習を得ることができる。


おかげで私の革靴「アース」はドロドロになった
けど、世界ではこんなアドベンチャーもするだろう
と予測していたので、事前に「ビブラムソール」と
いって登山靴のソールにも使われてるものに変えている。


おかげで険しい山道も信用して一歩一歩
踏み出すことができる。


私のアースにもアボリジニが歩いたかもしれない
場所に"足跡"を残すことができた。


由恵さん、デイビッドさん、素敵な場所へ
案内してくれて、ありがとうございました。


Berowraはまた帰りたい場所になりました。

夕日
デイビッドさん

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