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沖縄靴磨きの誤算。天国から地獄へ

沖縄県沖縄市にある街の映画館。

シアタードーナツの前で靴磨きをさせて
もらうことになった。

暖かい風を感じながら、お日様の下で靴磨き。

太陽が雲で隠れて暗くなったり、
また雲がいなくなって明るくなったりを繰り返す。

何も考えたくないし、考える必要もない。

ただ雲の動きを見ながらシアタードーナツの前
を通る車の音を聞く。


車すらゆっくり走っていた気がする。


時間なんてほとんど確認してない。


ただボーとすること、それが最も優先順位の高い
ことだと感じていた。


、、、


、、、


1日が終わった。


え、終わった!?


俺は今日1日何をしていた?

ただボーっと雲を眺めていたのか?

俺は何しにここに来た?

靴一足も磨いてねぇ!!

ボーッとしながらも気づいたことは一つ。

"沖縄人革靴履いてねぇ"

脅威のサンダル率。

シアタードーナツの宮島さんに「明日もお願いします」
ということをお伝えし、お店を後にした。

コンビニで腹ごしらえをした後、
残ったお金は2,000円ほど。


ホームレス界のローランドは言った。

「野宿か、野宿以外か」

今の優先順位は「住」よりも「食」だ。

宿代を節約して、後4日は靴磨き0でも
生きていけるようにしよう。

私は沖縄市にあるデカい駐車場の端っこの方で
野宿用に持ってきていた椅子を広げて一夜を過ごす
ことにした。

今回テントや寝袋はあえて持ってこなかった。

これから世界一周を控えるホームレス界のローランド
は世界で横になって眠るなんて想像できない。

いつ誰が襲ってきてもいいように、座りながら
眠る癖を日本一周中の時からつけておこうと。


いわば世界に出るための訓練だ。

この1か月間で座りスタイルの野宿は何度も
経験していたので、今更特別なことではなかった。


一つだけ気にかかることがあった。

沖縄県沖縄市。

沖縄のアウトローが夜な夜な集会を始めたり、
事件のニュースを見ると沖縄市ということを
よく目にしていた。

治安があまり良くない街だ。

"ヤバい奴"が多いって沖縄の友達も言ってたな。

でも明日も沖縄市にあるシアタードーナツ
の前で靴磨きをさせてもらうので、ここで
野宿するのが最善だと思った。

深く眠る必要はない。

目を瞑りながらも耳は澄ませる。
脳よりも体を今日は休ませよう。


風が吹いて草や木が擦り合わさった音が聞こえる。


一通りはほとんどない。

たまに通るトラックの音で一瞬目を開ける
くらいで、ほとんど静かな状態だった。

寝れる。

このまま完全に脳も眠らせてあげよう。

。。。

。。。

「ギュインギュインギュイン」

何の音だ!?

私は飛び起きた。

その音がだんだんデカくなっていく。

何かが近づいてくる。

原因がわかった。

ヤン車(ヤンキーの改造車)が近づいてくる。

どっかいけ。うるせぇ。

と思っていたら、、、


なんとそのヤン車が私が眠っていた駐車場
の中に入ってきた。

おわた。

急に脳がピンっと起きて、目が冴えてきた。

ヤン車は駐車場の真ん中あたりに止まった。

車の中から長身の男が1人降りてきた。

「カタ、カタ、カタ、」

そいつがこっちに歩いてきてる。

やるしかねぇのか!

和解という選択肢はねぇのか。

いや、ない。

だってヤン車に降りてから躊躇わずこちらに
向かって歩いてくる。

私は奴がこっちに歩いてくるまでの30秒間
で約20,000通りのシュミレーションをした。

いくしかねぇ、いくしかねぇ、いくしかねぇ、

私は意を決して、立ち上がってその男の顔を見た。

、、、

、、、

「うわぁ!」と言いながらその男はこちらを見ながら
小走りで逃げていった。

どういうこと?

俺、覇王色の覇気でも使った?

冷静に考えて見ると、沖縄の5月といえど
野宿するには寒く、ニット帽を目元まで被り、
ネックフォーマを目下まで覆い、真っ黒の服
を上下で着ていた私。


結論、向こうからすれば私がヤバい奴だった。 


沖縄市のヤバい奴認定をされてしまった私。

とにかくヤンキーはそのままどこかにいったので、
引き続き眠ることにした沖縄の5月の夜。

↑見たら分かるヤバい奴やん


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