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「死ぬまでに読むと決めていた本を読もうと思う」
靴磨き世界一周アジア編55日目
シドニー 市街から少し外れた場所に年季の入った
レンガのビルがある。
そのビルの2回に「ほんだらけ」という主に
日本語の本を取り扱った古本屋さんがある。
#英語もあるよ
1か月ぶりに「ほんだらけ」へ行くと、店主の
トモコさんが「よく帰ってきたねぇ〜」と迎えてくれた。
私がメルボルンから帰ってくるのを
待ってくれており、トモコさんの大切な
靴を店内で磨かせていただくことになった。
私の場合は"畳一畳分"あれば世界中どこでも
靴を磨くことができる。
いつものように路上の騒がしい所でする時もあれば、
本に囲まれた空間で、心地いいBGMを聴きながら
大切な方の靴を磨かせてもらうこともある。
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トモコさんに「18年間シドニー で古本屋さんを
経営に携わってきて、楽しい時ってどんな時ですか?」
と質問した。
「答えになってるか分からないけど、仕事中は
ずっと楽しいよ。
毎日今日はどんな出会いがあるんだろうって
ワクワクしながら過ごしている。」
と言っていた。
やっぱり"楽しい"と思える仕事をしている
人が一番成功するんだろうなぁと思う。
いや、"楽しい"と思える仕事でご飯を
食べているのならもうそれは成功してるのだろう。
トモコさんのインスタを見てたら、
毎日入荷した本をアップしている。
「今日はこんなビジネス書入りましたぜ!」
「今日は最新のジャンプがあります」
「これはこんな人に読んでほしい!」
八百屋さんが主婦の方にイキの良い魚を
おすすめするように、トモコさんはイキの
いい本を必要な方に届けようとしている。
靴磨きをしてる間に常連の日本人のおじさんが
「○○さんの本入ってない?」と聞きに来てて、
「代わりにこの方が書いた本はいかがですか?」
と紹介したり、
一緒にほんだらけに行ったユウキさんには
「この本経営の真髄が描かれていて、ユウキくん
にとってもおすすめだよ」と話していたりする
やりとりを聞いていた。
一冊一冊その方にあった本をラブレターのように
思いを込めて届けていた。
靴磨きが終わった後、この日購入する本を探していた。
バックパックは既にパンパンなので、
"これだ"というのを一冊だけ買おうと思っていた。
でもすぐに読めてしまう本はダメだ。
次いつ日本語の本に出会えるか分からない。
いつもなら気になった本はすぐに買うが、
今回は慎重に今日の一冊を選んでいた。
そして目に入った瞬間、"これだ"という本を見つけた。
「壬生義士伝」〔みぶぎしでん〕
〜〜〜〜〜〜〜〜
あらすじ
"人斬り貫一"と恐れられた新選組の吉村貫一郎
だが、妻子の仕送りのため守銭奴と言われても
飢えた者には握り飯を施す男。
日本人の"義"とは何か。
〜〜〜〜〜〜〜〜
大学の時に尊敬していた先生がゴリ押し
されて一度読んでみるが挫折。
その後作家の喜多川泰さんが「上京物語」という
本の最後のページでおすすめしていたので再挑戦
するが挫折。
「壬生義士伝」を最後まで読みきれなかった
理由は2つある。
一つは歴史小説なので昔の言葉が連なり
内容が理解しづらかったこと。
二つ目は日本にいると簡単に本を手に入れられる
ので読みにくい歴史小説を置いて新たに購入した
読みやすい本を読んでいたこと。
海外ではなかなか日本の本は手に入らない
ので、今回は読み切れるかもしれない。
尊敬する2人がおすすめしてるんだから、
内容は間違いないはずだ。
3回目の壬生義士伝に挑戦。
今が本当に必要な時なのではないかなぁ
と本棚に並んでいるその本を見て感じた。
あらすじに書いてあるような「日本人の義」
というのを学び今後の旅に活かしていこうと思う。
でも、3回目の挫折したらすんません。
ぜひ、シドニー に行かれた際は「ほんだらけ」へ。
"これだ"という本にシドニー で出会えるかもしれません。
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