ついに事故った。
靴磨き日本一周39日目。
その日は雨だった。
大雨警報が出るほど強い雨で、その中で自転車で移動するのはかなり危険な状況だった。
しかし"大雨ごとき"で止まるほどオールジャクソン号もやわじゃない。
私は意を決して朝から20キロ先の目的地まで進むことにした。
お風呂でシャワーを浴びてるかというほどの強い雨が全身に刺さる。
カッパの中に水は浸透し、服も靴もビチャビチャだ。
長崎の佐世保。
1車線の歩道のない道のりを走っていた。
すると後ろから「ドンッ！！」と何かがタックルしてきた。
その衝撃でオールジャクソン号は転倒し、私は空中でトリプルアクセルをした。
しかし私は体幹モンスターなので、綺麗に着地した。
「え、なにこの状況？」
私は急な出来事に最初は理解できなかった。
自転車は横に倒れ、荷物もあちこちに散らばっている。
「そうか、今、事故ったんだ！」
数秒経ってからその状況を理解した。
どんな奴が出てくるんだ！
体幹モンスターの私だったからあの衝撃でも耐えれたが、普通の人なら大事故になってるぞ。
「ガツン」と言ってやろう！と思って、運転手が出てくるのを待っていた。
すると「ごめんなあ〜」と言って80歳くらいのおばあちゃんが出てきた。
ジブリ映画に出てきそうな優しいそうなおばあちゃん。
「ガツン」と言ってやろうと最初思っていたが、「絶対この人わざとじゃないしなぁ」と少し話して感じていた。
するとそのジブリおばあちゃんは提案してきた。
「あの、財布の中に、一万円あるから、その一万円でクリーニングとか、ご飯とか食べてぇ」
、、、
、、、
おばあちゃんの方から示談持ちかけてきた！！
けどそれでいいと思った。
私は無傷だし、自転車も幸いどこも壊れていない。
（後にスポークが数本折れてることが発覚）
私も次に予定があっあし、こんな天気の日に走る自分にも非があるはずだ。
「お互い次は気をつけていきましょう。そして、最後に記念撮影をしましょう」
と言ってパシャリ。
こんなおばあちゃんが悪い人のはずがない。
そして目的地について、先程いただいたお金を確認した。
7000円しかなかった！
まさかの示談金3000円値切られてた！
まぁいいか、無事で何より。
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