自転車パクられた！？
靴磨き日本一周55日目in広島
「もう少し寝たい」
インターネットカフェの薄暗い個室で周りの人のイビキが漏れるなか、眠ったり起きたりを繰り返して朝を迎えた。
お店から出て、オールジャクソン号の方へ向かった。
しかし理解できない光景を見ることになる。
「オールジャクソン号が、、、ない。」
きっと寝ぼけてるだけだ。
目を閉じて、昨日の夜のことを思い出した。
深夜にお店の前に到着し、必要な着替えと靴磨きセットを自転車のカゴから取り出して、お店の前にオールジャクソン号を止めた。
しかしあるはずの場所にオールジャクソン号はいない。
それからもあちこち探したよ。
向かいのホーム。路地裏の窓。
こんな所にいるはずもないのに！！
完全にパクられた。
この先の旅をどうしようかと露頭に迷いかけその時！
自転車を止めていた所にシールが貼られていることに気づいた。
「5月30日 自転車撤去」と書かれていた。
「オールジャクソン号撤去されてますやん！」
言葉が漏れてしまった。
パクられたわけではなく、撤去なのでオールジャクソン号の無事を知れて一安心。
保管されてる場所までバスを乗り継いで向かった。
「ちょっと怒られるんじゃないか」と心配したが、実際は保管所にいたおじさん達はとても優しかった。
日本一周してることを知ったおじさん達は自転車の空気を入れるためにわざわざ空気入れを持ってきてくれた。
帰り際には「この水持っていき」と自分達用に買っていたドリンクを差し出してきた。
暑い日差しを浴びながらもしばらく立ち話していた。
帰り際に「また戻ってきますねぇ」と言ったら「おいおい、それはまた自転車を撤去されるという意味かい？」と言われてゲラゲラ笑いあった。
自転車がないと知った時は絶望感しかなかったが、結果的に楽しい思い出ができた。
"ハプニングは思い出"
たまには自転車を撤去されるのも悪くない。
そんな1日だった。
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