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「盲目のインド人二人と変な日本人の大冒険」

靴磨き世界一周アジア編241日目

今日はニューデリー駅に数日後に向かうジャイプール
行きのチケットを購入しに行った。


案外空いており、10分ほどで目的のチケット
を購入することができた。
#いつもは1時間以上かかる


すると私の隣に盲目のインド人男性が私の前の列に
並んでる男性にチケットを購入するための助けを求めていた。


その男性は快く盲目のインド人男性のチケット購入の手助けをし、少し手こずりながらもチケットを手に入れることができた。



インドは交通量もかなり多いし、日本よりも
バリアフリーは整っていないので、盲目の方が
1人でどこかに行くなんて本当に大変だと思う。



私の妹も生まれながらの盲目だ。


妹は少し知的遅れがあるとはいえ、日本ですら
1人で外に出歩くなんて兄として考えられない。



だから私はその盲目の男性がこの後駅のホーム
まで誰か手助けしてくれる人がいるのか気にな
っていた。



誰もいなければ私が行こう。


そう思っていた。



そしたらその盲目の男性の横に座っていた男性が
立ち上がり、2人で出口の方に向かった。


なんだ、付き添いの人がいたのか。


だったらなぜその付き添いの人がチケットの購入
を手助けしなかったのだろうかと思った。


その理由はすぐに分かった。


その横にいた男性も盲目だったのだ!


え、2人でここまで来たの!?



ニューデリー駅のチケット売り場は駅から300
メートルほど離れた別の建物にあって、その道中
は交通量が多く、歩道なんてないからかなり危ない。



私は小走りでその盲目の2人の男性を追いかけて、
「May I help you?
I am Japanease.Only English is OK?」
と質問すると、


1人の盲目の男性が少し英語が話せるようで、
「Oh,Thank you, Please help us.
Go to Platform No,1」と答えた。


プラットフォーム1番だね。


ここから乗り場まで300メートル。


それから盲目のインド人2人と変な日本人の
大冒険が始まった。



私は1人の男性と手を繋ぎ、もう1人の男性は
前の男性の肘を持って一列になって進んだ。


チケット売り場から出ると、トゥクトゥクドライバーが私を見て鬼の営業をかけてくる。

「コンニチワ〜どこ行くの〜」


と発した後に後ろにインド人の盲目の男性が2人いる
のを見つけて、"これどういう状況!!"というかなり
驚いた顔をして営業するのをやめた。



駅に行くまでの間、客引きやドライバーは
一瞬私に営業しようとしてくるが、状況を
知った彼らは道を開ける。


かなり気をつけながら10分ほど歩き、
なんとかプラットフォーム1番に到着した。


しかし盲目の男性は「ここじゃない」と言った。


え、ここプラットフォーム1番だよ!


しかし盲目の男性は地名を言って私に説明してくれ
てるのだが、インドの地名が難しくて発音が聞き取れない。


私は周りのインド人に聞こうと思って、
「ちょっといいですか?
盲目の男性が少し困っていて、私がチケット売り場
からここまで連れてきたんですが、彼らの目的地が
聞き取れなくて、ちょっと会話してもらってもいいですか?」
 

私は今の状況を優しそうなインド人に 
英語で説明した。


自分でも何を言ってるのか分からない。


ただとにかく今の状況を説明した。


その優しそうなインド人は、、、逃げた!



なんでやねん!と一瞬思ったが、
逃げる気持ちは分からんこともない。



これ、なんか分からんけど新手の
詐欺に見える!!笑


状況が意味不明すぎるのよ!


盲目の男性2人とインドでもあまり見かけない
日本人が3人で行動していて、「困ってるから力を
貸してくれ」って言われても、


何か売りつけられるんじゃねぇか?
って聞かれた方は思うだろう。
#逆にインドでこんなことされたら絶対警戒する



それから4人目くらいに聞いた後に、優しいインド人
が盲目の男性と会話してくれて、どこに行きたいのかわかった。



プラットフォーム1番というのは、地上の列車では
なく、地下鉄のプラットフォーム1番だったのだ。



ここから地下鉄の乗り場までまた
500メートル先だ。


まだ私たちの冒険は終わっていない。


とにかく私達は人混みのニューデリー駅をかき分け
ながら、周りから変な目で見られながら、地下鉄の
プラットフォーム1番に到着した。


これで私のミッションは成功だ。


到着してから1人の盲目の男性がずっと
スマホに何か文字を打ち込んでいた。


家族と連絡取り合ってるのかと思った。


「じゃあ行くね」って伝えると、
「待って」と言ってスマホの画面を見せてきた。


そこにはこう書いてあった。


「I am sorry that you have  helped us 
considering it as your own but we are not 
able to speak anything to you , so I want to 
apologize to you and thank you that you 
have helped us from the ticket counter to the metro.」
〔せっかく助けてくれたのに、私達はうまく
説明できなくて、たくさん迷惑かけました。
本当にすみませんでした。
そしてチケット売り場から地下鉄まで私達を
連れてきてくれてありがとうございました〕


なんかその文章読んだ時に、泣きそうになった。


気持ちの入ったお礼と謝罪はこんなにも
人の心を打つんだね。


2人がどうやって日常を過ごしてるのか分からない
けど、2人の日常にレアな登場人物として参加させて
もらったことに私は誇りに思う。


私にとって世界一周は大冒険。


しかし彼らにとってチケット売り場から
プラットフォーム1番に行くまで命をかけた
大冒険だ。



彼らは毎日こんな大冒険をしてるのだろう。


しかし彼らは全く焦ってるようにも見えなかったし、むしろその状況も少し楽しんでるように見えた。



勇気もらったわ。



お互いそれぞれの冒険を楽しもう。





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「靴磨き世界一周アジア編報告会」
1月22日(日)愛知県半田市
2月5日(日)高知県
2月18日(土)愛媛県
2月23日(木)福島県
2月26日(日)宮城県石巻市
3月4日(土)東京都 
3月11日(土)北海道札幌市
3月21日(火)岡山県
3月24日(金)青森県
4月8日(土)大阪府茨木市
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