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お気に入りのデニムとベストな関係を築くのがむずかしい

すこし前に買って、ちょっとずつ馴染んできたと思っていたお気に入りの、ちょっとだぼっとしたデニムがある。

買ったときのウェストサイズで、着用時にぎりぎり地面を引きずらないくらいの超ベストな丈感だったのだけど、今日履いたらいつもよりウェストがぶかぶかしていて、頻繁に引きずるようになってしまっていて、なんだかすごく歩きづらくなっていた。

そんな。つい先日も履いたばかりなのにどうして。

もしかして、私が劇的に痩せたのか?そんな感じは全然してないけど?と思いながら、でもちょっとときめきながら意気揚々と体重計にのってみたら、むしろ体重がけっこう増えていて、普通にしょんぼりしただけだった。痩せたい。ジムに行かなきゃ。

痩せたいとは思いつつ、今はデニムの話だ。
私のウェストが劇的変化をしたわけじゃないのなら、デニムが突然変異したに違いない。なぜデニムは突然変異してしまったのだろう?私の履き方が悪かったのかしら。保管方法がよくなかったのかしら。それか、私の脚の長さが縮んだのかも‥‥(!)

そういえば、前回履いたときは長時間あぐらをかいた姿勢でいた。あの時のあぐらが元凶だったのか?だとしたら、もうあのデニムであぐらをかかないよう誓う。だからカムバック、ウェストのベストポジション。

ベルトすればいいじゃんって思うかもしれないけど、単純にわたしはあんまりベルトが好きじゃない。だって、ちょっと面倒じゃない‥‥?あと、我がお気に入りデニムは絶妙にベルトが似合わなそうなつくりをしている。だからナシ判定なのだ。

丈をつめればいいじゃんとも思ったけれど、今のデニムのサイズで、未来永劫の私のウェストサイズをカバーしつづけられるのかわからない。今の私の体型でベストな状態にデニムを作り替えたら、私の体型のわがままボディ化が進んだときに取り返しがつかなくなってしまうかもしれない。それは悲しい。

そうなると、やっぱり私とデニムで絶妙なウェストのベスポジを狙っていくしかない。これはふたりの共同作業なのだ。

とりあえず洗濯しようと思う。セーターとかは、洗うと縮むっていうし。縮んでくれたら、また私たちはベストな関係になれるかもしれない。

完全に洗濯機に他力本願をお願いする方針に決定したけれど、あいにく今週は台風が来ている。いつ晴れるかわからない。私とデニムとの関係が修復できるかできないかは、サンサンと呼ばれているらしい台風10号と洗濯機にかかっている。

とはいえ。もしもそれでもだめなら、それはもう、心を決めてこのまえ別のデニムのときに丈をつめるのでお世話になった「お洋服のリフォーム屋さん」のおばあちゃんに泣き寝入りするしかない。

生まれてからこれまで「お洋服のリフォーム屋さん」に駆け込むことのない人生だったけれど、この1年くらいで3回くらい駆け込んでいる。しかも、全部デニム関連。そろそろデニムの子だと思われる可能性は‥‥まだないか。

「お洋服のリフォーム屋さん」のおばあちゃんたちは、神の手をしている。まるでもともとその形をしていたかのような、新品みたいなデニムにリフォームしてくれる。私は家庭科の授業は、5段階中で常に2だったような生徒なので、針仕事ができる尊さをつよく感じる。

この年齢になるまで「お洋服のリフォーム屋さん」の価値を低く見積もっていた私に言ってやりたい。衣類の困りごとは、あの手練たちに相談すれば一発で解決するよって。

そんなわけで脱線したけど、台風サンサンが過ぎたら、デニムを洗濯する。洗濯しても関係が改善しなかったら、そのときはおばあちゃんたちに助けを求めよう。

どんなときでも第二、第三と複数の選択肢があると、すこし不安じゃなくなる気がする。

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