
海外移住バンザイ派の終幕
日本からカンボジアに来たのは、7月のこと。
今はもう9月になって、私は、2022年のひと夏をカンボジアで過ごした。
コロナの脅威が世界を襲ってから、約3年ぶりに母国日本を離れた。
改めて生まれ育った国を俯瞰してみてみたら、今回は個人的にすごく大きな変化があったので、今日はそれを書きたいと思う。
海外移住バンザイ派の終幕
今回の2ヶ月滞在をするまで、私は海外移住バンザイ派だった。
なんなら、オットに2ヶ月海外で過ごしてもらって、「海外サイコー!」って思ってもらえないものだろうかと密かに期待したりしなかったりしていたくらいだ。
だけど、想像以上に私自身が「やっぱ海外サイコー!」ってならなかった。
なぜかって??
たぶん1番は、円安の影響だと思う。
カンボジアに到着した翌日、以前から為替レートの良かった両替所で円をドルに両替した。最近の中でも、特に円安が酷かった時期だった。
1ドル=141円(くらい)
20万円を両替したら、1400ドルちょいになった。
前回の渡航時は1ドル=105円前後くらいだったから、換金しても1900ドルくらいで、「為替レートによって持ち金が大幅に減った感覚」は無かったけれど、今回はすごく痛手に感じた。
物価は安い?高い?
じゃあ実際、物価はどうなの?物価が安ければそれでもOKでしょ!と思うけれど、円安だと物凄い安いとはあまり感じない。
一部、確かにビールはお店で飲んでも$0.75だったり、フルーツや野菜は「そんなに入って!?」という量が$1以下で買えたりする。
屋台のご飯1品も$1~$2(140円~280円)くらいで買えるものも多いから、私たちにとっては安いといえば安い。
(でも、マックや牛丼チェーン、サイゼに思いを馳せると、??とも思う)
そんなわけで、自炊をあまりせずに栄養バランスを考えた食事をしようとしたり、バリエーションが欲しいと思ったりするとプラスで食費が掛かる。

あと、家賃自体は高くないものの、電気代は日本と同じかそれ以上に高いし、消耗品類は日本と同じくらいの値段のものが殆ど。
結果的に、住むとすると意外と物価は日本と変わらないように感じた。
お得な国になった日本
そう。
相対的にみて、今、日本はかなりお得な国になっているのだと身をもって感じた。
日本はカンボジアとは段違いにインフラが整っている。
何より、安心・安全・綺麗・快適な環境。
犯罪件数も低く、接客だって諸外国に比べて丁寧。
なのに、物価がカンボジアとほぼ変わらない。
円で給与をもらう以上は、今この時点において、最もコスパ良く生きられるのは「日本」なのだとわかってしまった。
変わらない日本の給与水準
カンボジアでは、この2-3年のうちに、平均給与ベースが月20%くらい上昇したとカンボジア人の友人に聞いた。
とはいえ、収入額は日本の方が全然高いけれど、数年で20%上昇するのだとすれば、この先どんどん給与水準は上がるだろうし、それに伴って人件費も上がって、物価も上がっていくだろう。
でも、日本は30年間、給与水準がほぼ横ばいだと聞く。
そりゃあ世界全体から見てみれば、相対的に日本の物価はどんどん安くなるよね。
幸か不幸か、わからないけど。
そして、もしこの先、本当に移住を考えるのであれば、日本人としては悲しいことだけれど、ドルを含めた外貨で給与をもらえる仕事に就く必要があるだろう。
でも、果たして私はそこまでして移住したいのだろうか?と思うと、今はYESとは思えなかった。
海外移住は結局どうする?
今回の実験結果、私の結論は、「一旦、日本で生きてみるか」でした。
幸運なことに、私が勤めている会社のマーケティング部は外資のカルチャーが強く、人間関係についてマジでストレスフリーに生きられている。
私が海外でワーケーションしたいと言えば、「いいよ!」と上司も役員も社長も応援してくれる。新しい取り組みに挑戦したいと言えば、「いいね!」とサポートしてくれる。
朝早く起きるのが苦手でも、スーパーフレックスでちょっと遅くから始業しても誰も咎めない。中抜けや有給も自由に利用できる。
そんな良い職場で働いていて、家も買って、友達もいる。
なんだ、意外とサイコーでは??
海外じゃなきゃ、「この自由な感じや解放された感じは実現できない」と思っていたけど、それこそ私の中の「日本じゃできないバイアス」だったのだと良い意味で気づいた。
日本じゃできないバイアスを超えていく
日本は生きづらいと感じることもあった。
他人のミスに厳しく、監視し合うかのような雰囲気。
夢を語る人や真剣な人が寒いと言われ笑われること。
出る杭は打たれるからと、易きに流れる文化。
相手のためと怒らず、我慢し、陰口で発散する風潮。
でも、今はそれも緩やかに変わってきていると感じる。
そして、世界中に日本の様な文化が全くないわけじゃない。
むしろ人種差別や露骨ないじめをする国だって沢山ある。
だからこそ、もう一度、私は日本に向き合ってみようと思う。
ご清聴、ありがとうございました。
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