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日本語学科の不人気

*中国の話です。

今は中国の大学院入試出願の直前です。中国では高学歴というのは大学のレベルだけでなく、大学院進学がスタンダードなので、院試を受ける人がたくさんいます。そして院進学するときはある程度専攻を変えていいので、他の専攻から日本語へ、そして日本語からほかの専攻へ進学する人は珍しくないです。

コロナ前は日本語が結構人気があり、院進学の受験だけでも結構のマーケットがあります。だけど2022年あたりから就職難が始まり、日本語学科の卒業生、修了生が就職しにくに、または不安定な仕事しかないという状況が現れ、日本語学科がだんだん不人気になってきています。

学部段階は随分厳しくなっていますが、文系受験生(大学入試で物理、化学やってない学生)が余儀なくされて日本語学科に入ることは多いと見られます。理系専攻を選択不可のため、文系に行くしかないわけです。

だが大学に入ったら、1年生のとき専攻を変えられる大学が多いため、多くの学生は頑張って専攻を変えようとしているという。

院進学の方では、日本語学科は基本学術修士と専門修士という2つに分けられ、学術修士は日本の修士と似ていて、論文を課す。専門修士はMTI(翻訳通訳修士)のみとなり、つまり日本語の専門修士=翻訳通訳修士で、プロを養成する目的で、修論ではなく実践レポートを課す。

なお、学術修士の受験は英語が必須で、専門修士は英語なしです。それは専門修士の人気の一因です。

どちらも昔は人気だったが、今はどっちも人気がなく、受けるなら「985・211」志向が高いです。それは「985・211」出身という資格を取って、公務員などへ就職しやすくなると見られている。

故に、今年、中堅大学の学生募集は厳しいではないかと推測しますが、中国の院試システムからすれば、定員割れは発生しないでしょう。「调剂」(入試調整、強いて言えばドラフト会議みたいなもの)があるので、結構の不本意入学が発生するはずです。

問題は彼らが3年後就職するとき、果たして今年よりは楽観的か、それとももっと厳しいのか、ある意味では賭けでもあります。

では、ここまで。

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