ミューズのアラベール(232.5g)を使ってみた
前置き
以前の記事で、私は「コピックを使って絵を描く」と描いたが、実は紙に悩まされることがある。どの紙を使えば、発色がいいのか。グラデーションなど色を混ぜる時、ムラなど気にならないか。滲まないか――悩みはつきものだ。
私自身、絵を描くにあたり、上記の悩みという壁にぶつかることがある。これまで、絵を描くだけでいいと思っていたが、紙を変えればなにか変わるのだろうかと、考えを改めたことがあった。
整理もかねて、現在、持っている紙を使って、検証した。
ミューズ アラベールってどんな紙?
サイトによれば、以下のように説明されている。
なるほど、確かにラフな手触り感がいい。紙もホワイトとナチュラル、どちらか選べるのは嬉しい。雰囲気に合わせて、コピックでガシガシ塗るのはいいかもしれないーーそう思い、過去の私は手を伸ばした。
しかし、この時の私は知らなかった。コピックで塗ったら、とんでもないことになったことを。それを今からお話ししようと思う。
まずはいつも通り
まずはいつも通り、塗ってみる。この時はRV10でハートを描き、上からR59、下からRV34を塗った。だけど、塗った後に頭を抱えた。
なんてことだ、重ね塗りには向いてない……だと……?(震え声)
裏抜けしない、インクが滲んで広がらないのは嬉しいけど、もしかして、水彩絵の具向けの紙では……?(震え声)
いや、活用方法はまだあるはず。無我夢中で検証を重ねた。
コピックとMulti Liner
重ね塗りで失敗した反省点をいかし、今度は単色で塗ってみる。ついでに、線画のお供となっているMulti Linerも使った。
やはり、この紙は重ね塗りするよりも、単色で塗った方がいい気がする。Multi Linerでがさがさと線を描き、その上からコピックで塗ったが、線を乾かさず塗ると、Multi Linerのインクが広がってしまった。当たり前である。
個人的な見解としては、コピックとの相性が悪そうだな……でも、画風や塗るテイストを荒っぽくしたいという意味では、単色でがさがさ塗るのはありかもしれないと考える。
今度、そのやり方でやってみよう――そう心に決めた。
コピックと万年筆インク
コピックを使っていると同時に、自然と「他の文房具との相性はどうなんだろう」と疑問が膨らむ。そんな中、たまたま目に着いたのが万年筆と万年筆インクだった。
これを使ったら、どうなるんだろう――検証したい意欲が止まらない。早速手を伸ばし、あれこれ検証してみた。
待って、どういうこと。万年筆インク、広がらない……だと!?
コピックをはみ出して塗っても、乾かさずに塗っても、乾かしてから塗っても、ご覧の通り。綺麗に塗れるのは嬉しいし、線があまり滲まないのも嬉しい。
下の写真の方に、他の万年筆インクを使って、今度は薄いRV10で塗ってみる。やはり、インク貯まりができると広がったり、万年筆インクのメーカーによってインクが滲むことがあるが、概ね綺麗に塗れた。
また、万年筆のインクを使って、水彩っぽく塗ってみたが、裏抜けせず、綺麗に発色した。
今回、万年筆インクを使用したのは、ハイカラインキ、川崎文具店で販売されているインク2つ、SAILORのブラックだが、滲み具合はメーカーによって違うと思われる。
別のメーカーのインクを使う時は、気を付けよう。そう決心した。
最後に
使い終わって、改めてアラベールは水彩向けの紙だと感じた。今回は、コピックと万年筆インクに焦点をあててみたが、機会があれば水彩絵の具で検証して、イラストとして載せてみたいと思った。
同時に、過去の私は何も考えずに紙を買っていたのかと、痛感した。とはいえ、実際に使ってみないと分からないことも多い。コピックで使うのは向いてないけど、単色だけならよさそうとか、新たな発見になったのは嬉しかった。
あくまで私が使ってみて、こんな感じなんだなと思っていただけたら、幸いである。これからも少しずつではあるが、画材や紙を検証し続けてみようと心に決めた。
使用した画材
紙
ミューズ アラベール 232.5g (商品詳細)
コピック
RV10 RV34 R59
万年筆インク
川崎文具店
インペリアル敷島シリーズ「あづさゆみ」
色彩語 百鬼夜講 序章「三途川」
寺西化学株式会社
大正浪漫ハイカラインキ「モダンレッド」
SAILOR
万年筆用染料インク ブラック